ホテルや旅館に泊まれない貧乏学生にとって、ユースホステルが旅行の支えでした。今ではビジネスホテルを利用すればよいのですが、当時一泊二食付で700円から900円の料金は魅力でした。


男女別部屋、酒は禁止、スリーピングシーツ持参、セルフサービス、掃除も自分達で、などいろんな制限がありましたが

何の苦痛もありませんでした。


「スリーピングシーツ」とは、袋状のシーツで枕や布団に直接からだが触れないようになっているものです。毛布のたたみ方も決まっていました。掃除も「来たときよりも美しく」などと言われ真面目にやっていました。


夜になると半強制的な「ミーティング」があり、その土地の情報の説明、ゲーム、歌、自己紹介などをしていました。みんなで「今日の日はさようなら」や「遠い世界に」などを歌っていました。


宿泊のたび、カードにそのユースホステルのゴム印が一つ押されます。私のカードには60個くらい押されていますが、何年たってもそのゴム印を見ると、そのときのことが想いだされます。