入部試験に合格すると、すぐステージにあがります。当然新入生を加えての厳しい練習が待っています。上下関係もほとんど体育会系です。


わずか三ヶ月でしたが、静岡、神奈川、埼玉、もちろん都内の演奏会を経験しました。2-3千人入る体育館でしたこともあります。テレビの「古賀政男特集」などでTBSの歌番組にもでました(五木ひろしさん、ピンキーとキラース゛も出演していました)。


定期演奏会は尾崎紀代彦さん(その年-また逢う日まで-でレコード大賞)がゲストでバック演奏しました。前半のクラシックでは古賀政男先生が指揮をしました。貴重な経験でした。


「部活」中心の生活でした。ある日英語の授業で「なぜ自分が飛ばされるのだろう」と疑問を持ち教授にたずねたところ「君は他の大学にいったんじゃないのかね」と言われました。


なんと私は名簿から抹消されていたのでした。


部員から二年に一人くらいプロ(作曲家、編曲家、演奏家)がでますが、聴いた曲を即演奏する人や、楽譜をちょっと見ただけで舞台で演奏する同期がいると、自分の限界を感じました。


退部しなければ、春夏の各一月にも及ぶ演奏旅行、レコーディング、アメリカ演奏旅行などいろいろな経験ができたのですが、プロになれないなら「授業にでるか」と思い退部し多少の勉強と、旅行、読書、映画とそっちの方向にいきました。


でも、当時演奏した「ある愛の詩」「ひまわり」「コンドルは飛んでゆく」「アランフェス協奏曲」などを耳にすると当時のことを思い出してしまいます。