藪塚(2019.12.15) | 旅の虫速報

藪塚(2019.12.15)

murabie@自宅です。9日前の報告となります。

先週に引き続き早朝の東京をあとにして、今日は北千住から東武線の
特急りょうもう号に乗りました。
明るくなった空を突き上げるスカイツリーに見送られて、高架から住宅街を
見渡して地平へ下り、北春日部辺りから見られるようになった田園は
伊勢崎線を下るごとにどんどん広大に広がるようになり、館林を過ぎると
田園を囲む丘陵の姿は大きくなっていって、足利辺りまで来ると渡良瀬川の
対岸の町並みの背後を囲む丘陵は案外まだまだオレンジ色の紅葉を鮮やかに
示していたりして、そんな鮮やかな丘陵がのどかな田園の奥のすぐ近くに
横たわるようになった車窓を楽しみ、今日の目的地の藪塚駅に
降り立ちました。

藪塚駅から藪塚温泉まではすぐ近くで、列車からも田んぼの向こうに
横たわる鮮やかな紅葉の丘陵の足もとに見られていましたが、
田んぼのただ中を歩き進めば、赤城おろしのからっ風が強く吹きすさんで
いるところでした。広大に広がる田園の向こうには、特徴的な姿の妙義山や
赤城山の山並みの姿が横たわり、そして道の前方のオレンジ色の丘陵の
足もとにはなぜか巨大なかかしが佇んでいたりもします。

温泉街への入口の丘の斜面はなつめの里という名前がつけられていて、
四阿や小さな神社がオレンジ色の紅葉の木々に彩られているところでした。
斜面の足もとに沿ってのびる通りを少しだけ歩くと、西山古墳への道標が
現れて、階段を上って丘陵の中へと分け入り、大量の乾いた落ち葉で
ふかふかになっている、裸になりつつある木々の集まる森の中の道を進めば、
森が開けたところに草で覆われた前方後円墳が佇んでいました。
石室への入口は名前の刻まれた石で囲まれて、低くて入れないけれど中の
空洞を覗くことはできるような感じでしたが、小山の上に上ればここが
前方後円墳であるということがよくわかるように形を見て取れて、そして
そこそこ高いところから紅葉の木々の間に周辺の平野の姿を見ることの
できる爽快な所となっていました。

一旦なつめの里に戻ってから、藪塚温泉の街へと歩みを進めていきます。
鮮やかな丘陵に囲まれる道沿いには小さいお堂が立ち、道沿いには真新しい
建物や巨大なホテルの姿も見られますが、路地に分け入れば斜面に広がる
田園とともに、素朴な小さい建物も姿を見せてくれます。
北山古墳は市街を囲む高台の上となるようで、道は緩やかな登り坂と
なっていき、教会のような屋根を持つリゾートマンションか何かが
鮮やかな丘陵に囲まれて佇む谷の向こうに広大に広がる平野の片鱗が
覗かれるような、爽快な展望が広がるようになっていきます。

妙義山と浅間山を正面に見据えて広大な平野が広がるのを見渡せる高台の
道へとたどり着くと、程なく斜面上に北山古墳が現れました。
森の中の階段道を上っていくと、裸の木々に囲まれて、さっきの西山古墳と
同じような風情の小高い山のような古墳が姿を表しました。やはり石室への
入口は石で補強されていたわけですが、さっきのと違って峰が一つの円墳で
あるようでした。そして隣接して、山寺の境内のように石垣で囲まれて
いくつかのステージを成している、でもお堂らしきものは一切見当たらない
不思議なちょっとした園地も広がっていました。

高台の道を歩き進んでいくと、石切場跡への入口を示す道標が現れ、
それに誘われるように、大量の落葉が堆積する森の中の遊歩道へと
足を踏み入れていきました。
程なく山の上へ上る遊歩道と分岐して、崩れかけた木道が続くようになった
森の中の薄暗い道へ進むと、たくさんの平面で切り刻まれた黄緑色の岩盤が
剥き出しになって道を囲む石切場跡へとたどり着くことができました。
巨大な岩盤はかなり高い所まで続いて、その上に紅葉の木々を乗せ、
そして足もとには大量の落ち葉が堆積してふかふかとしています。
規則正しく直線的に切り刻まれた岩盤に囲まれたさほど広くない空間は
今まで感じたことのない奇妙な空間を感じさせます。
周りを囲む斜面に上ってみたり、切り立つ岩盤の足もとまで上って、
頭上にさらに複雑に岩盤が切り刻まれている様を見つけたり、きっと実際に
切り出すときに通路となっていたであろう切り刻まれたようなトンネルを
見つけて通り抜けてみたりと、探検気分で隅から隅まで、この奇妙な
人工構造物の作る雰囲気を、薄暗い森の中でしばし満喫することが
できました。

遊歩道の本道に戻ってさらに山奥を目指していくと、大量の落ち葉の
積もった山の中へとどんどんすすんでいきます。
そして峠を越えて下りに転じても辺りは裸になった木々に囲まれた
薄暗い森のままでしたが、雨が降ればきっと沢になるのだろうといった
軽く谷が削られているような斜面となっていて、鬱蒼とした森の中ながら
なんだか広々とした空間であるように感じられてきます。
やがてその斜面の下に溜池が見えてくると森は終わり、ソーラーパネルに
中腹を占領された鮮やかな斜面で囲まれた車道と合流し、道沿いに
滝野神社という小さいお堂を見つけることができました。
溜池を通してみれば、ここからも広大な平野を広く見渡すことのできる
展望が開けました。

ここから車道を少しだけ登れば、辺りを囲む丘陵の再奥部に当たるような
所に、東毛青少年自然の家という、キャンプ場を従える公共施設へと
たどり着きます。
辺りを囲む丘陵の鮮やかさを感じながら、敷地内まで伸びる車道をさらに
奥まで進むと、また山の中へと分け入る遊歩道の入口を見つけることが
できました。

さっきの石切場への遊歩道の入口付近と同じように、たくさんの木々が
囲む薄暗い道に大量の落ち葉が堆積している道が沢に沿って伸び、
ある所で沢と別れて斜面を急な階段で登るようになっていくと、
程なく薄ぐらい森の中に大きな岩盤が現れます。
ごつごつした岩盤には斜めに境界線が入って、下部は濃い色、上部は淡い色の
岩盤となる、不整合を間近に見ることのできる所となっていました。
下のチャート層と上の凝灰岩層の間にはどうも1億年以上の年代の差が
あるらしく、この地がどういう歴史をたどってきたのかと考えると
不思議な気持ちになってきました。

一応ここまで特に大変な思いをすることなく来ていたので、このまま
駅や温泉街で案内されていたハイキングコースをたどりつづけて
みたのですが、実はここからがとても険しい道となってしまいました。
次の見所へ向かうためには、とても急な斜面を、何度も落ち葉に足を
取られそうになりながら上っていかなければなりませんでした。
やっとの思いで、桐生市との境になるらしい尾根へとたどり着き、引き続き
若干楽になった尾根上の道を、太田市へ戻る方へ歩きすすんでいきます。
森の木々には所々鮮やかな紅葉が残り、そして裸になった木々越しに下界を
覗けば、広大な平野が鮮やかな丘陵に寄り添われて広がっている姿を
確認することができました。

石尊宮という見どころへの分岐点を見つけ、今度は急な下り坂へと
歩きすすんでいきます。ふかふかの大量の落葉とごつごつの岩盤が
足もとに紛れ込んでいる急坂で、慎重に進まざるを得ず、後ろを振り返れば
いつでも切り立つような山肌が裸の木々に囲まれている風景が広がるような
道を下っていくと、道の真ん中に横一列に並ぶように3つ程の小さな
石づくりの祠が立っているようなところでした。
そしてさらに危険な下り坂を慎重にしばらく下っていくと、次の見どころの
十一面観音像の存在を表す真新しい立札が見つかりましたが、それは
その場所から急斜面の岩盤をよじ登ったかなり上の方に存在して
いるようでした。ハイキングコースを少し戻ることでちょっとだけ安全な
ルートをたどることもでき、一応御尊顔を拝することはできましたが、
なかなかスリリングなハイキングとなりました。

そしてそんな、スリップしたら一巻の終わりとなりそうな険しい下り坂を
慎重に下りつづけていくと、あるところで急に、鮮やかな紅葉の丘陵に
囲まれて大きな建物の周りに広大に広がる下界の展望が大きく開けたのです。
中心の建物はさっき歩いて通った教会のような屋根を持つ建物で、スタート
地点に帰ってきたのだということが理解できたとともに、この上ない喜びを
感じることができたのでした。

急斜面に敷き詰められたソーラーパネルの領域を迂回するようにまっすぐ
斜面を下る、木々を取り除いただけの急坂を下っていけば、山懐に抱かれる
ような薄暗い所に勝負沼という小さな溜池がありました。会員制の釣り場と
なっているらしくて数人の釣り人がのんびり過ごしているような穏やかな
所で、周囲はすぐに落葉樹の森林で覆われた斜面に寄り添われていましたが、
そんな森の中に、猪用の罠であるらしい四角い鉄格子のようなものも
据付けられていたりしました。
荒涼とした明るい谷底の風景の中を歩いていけば、さっきの石切場への入口も
すぐに見つかり、あとは長閑な風景の中、温泉街へと戻る道を、紅葉の丘陵の
姿を満喫しながらのんびりと下っていきました。

青空のもと周囲を鮮やかかなオレンジ色の壁に囲まれる長閑な山里の集落へと
下り、集落を囲む鬱蒼とした森で覆われた斜面にへばり付くように佇む
温泉神社に立ち寄りました。実はここの温泉は冷鉱泉を沸かしているのだと
いうことを、案内看板で初めて知ることになりました。鳥居の設けられた
入口には土の中から手を伸ばす塩ビのパイプから水滴が滴り落ちていて、
これがこの温泉の姿なのだとしたら湯量もちょっと厳しいのかななんて
思ったり。でも急な石段の上に静かに佇む、古めかしいけれどそこそこ
きれいに整えられているお社が森の木々に囲まれる姿や、境内から覗かれる
切り立つ鮮やかな丘陵に囲まれた小さな集落の姿からは、きっとここは
昔から静かな所のままなんだろうなと感じられたのでした。

温泉街の中心を貫く大通りにはさっき見かけた大きなホテルや、
白い郷土博物館の建物が佇み、それに面する丘陵には、三日月村と
スネークセンターへの入口であることを示す関所の門構えのような構造物が
立ち尽くし、その門をくぐって石段を登ると斜面上に遊歩道が交錯する
ちょっとした園地が現れ、適当に遊歩道を彷徨えば、パイプ塚という
何の記念だかよくわからない碑が丘の上に立ち尽くす所があったり、
木枯し紋二郎の碑なんていうものもあったり、そこから着想を得ているらしい
三日月村というテーマパークらしきものへの道標が点在している、
ちょっとした観光地の風情に触れられます。
そして園地を裏手に出て、丘陵の端に建つ綺麗なお寺の墓地が青空広がる
斜面上に広がる中を横断していくと、小さな古い飲食店とともに、
ジャパンスネークセンターという施設であることを示す古ぼけた看板と
古ぼけた建物が現れます。

蛇皮の小物類などをたくさん扱っている土産物屋を通過して園内に入れば、
丘陵に面する斜面上にコンクリートの壁で仕切られた区画があって
とりあえずシマヘビが飼育されているという看板こそあるものの、
冬だからなのか案内板が言うように草むらに目を凝らしてみても、
それらしき姿を見ることはできず。
急な斜面をはい上がるように登り、入口の建物の向こうに平野の展望が
大きく開ける辺りには、決して新しくない建物たち、特にチェーンで
仕切られて入れないようになっている斜面沿いの領域には廃墟となっている
建物の姿も見られたりしたわけですが、ここがれっきとした蛇毒に関する
研究施設であることを示すかのように採毒室を含む研究所としての建物も
静かに佇んでいたりします。
大きなガラス窓で囲まれた採毒室に人の姿はありませんでしたが、廊下を
奥まで進めばガラスで囲まれた小さい部屋で小さい蛇が休んでいたり
思い思いに体を動かしていたりする様子を見ることができるようになって
いました。

程なくして、飼育されている毒へびたちに餌をやるところを見られるという
イベントの時間となり、低地に佇むこれまた新しくない建物の毒蛇温室へ
立ち入ってみました。
建物の真ん中に、壁で区画された部屋がいくつか並び、それぞれの部屋に、
マムシやヤマカガシから果てはキングコブラに至るまで、世界中のいろいろな
毒蛇が住んでいて、その周りを一周するような廊下から彼らの様子を
ガラス越しに見られる建物です。
毒蛇のいる部屋のさらに内側の、建物の中心部が飼育員の場所となり、
蛇使いのお兄さんって感じの飼育員が、毒蛇のいる部屋との間のフェンスを
開け、餌である冷凍マウスを掴んだ道具を細かに動かして毒蛇たちに
興味を持たせるところを見ることができます。
中にはあまり興味を示さない感じのものもいたりしましたが、どの部屋でも
結局は、自分が注入したつもりの毒が回るくらいの頃合いで、
静置された冷凍マウスに頭から食らいついて少しずつ飲み込んでいき、
最終的にはしっぽまで飲み込み、頭の後ろの消化管が膨らんだ状態となる
ところまでの生々しい営みを、館内をぐるぐると周りながら観察することが
できました。
ヤマカガシには冷凍カエルを与えていましたが、どういうわけか腹から
食らいついてしまってなかなか飲み込むことができない状態になっている
様子も、なかなか微笑ましい光景となっていました。

丘陵に囲まれた斜面に広がる園地の外周に沿うように散策すれば、
となりには大蛇温室という、これまた古ぼけた平屋建ての大きな建物が
現れ、中に入ってみれば若干湿度の高さを感じる建物の中に、さっきよりも
大きな様々な色や模様の蛇たちが、大きなとぐろを巻いて静かに暮らしている
様子を観察することができたり、そして恐らく爬虫類仲間ということなんで
しょうけれどなぜか大きなワニガメの姿も見られたりしました。

そして大蛇温室の裏山のような所へ向かい、急な坂道をゆっくり上っていき、
斜面上の園地がオレンジ色の紅葉の丘陵に囲まれている風景を望めるように
なっていくと、園地の反対側の入口にたどり着きます。
供養のためらしい白く大きな観音様が、まだ葉を残す楓の木を一部に含む
裸になりつつある森の木々に囲まれて佇んでいましたが、その足もとが
蛇になっているのがなんとも言えません。
平野側の斜面はテラスのようになり、広大に広がる平野に所々集落を
含みながら長閑な田園が広がっている様子を、強い日の光を浴びた
快晴の青空のもとに広大に眺め渡すこともできました。

そして急な坂を園地へ下り、引き続き園地の外周を囲む丘陵の足もとを
たどっていくと、廃墟マニアのホームページで見たかつての遊戯施設への
出入口となるらしい通路が、何となく閉鎖されながらも口を開いて
いました。
ほぼ整備されず落葉が堆積するばかりの通路は、さっきの石切場への通路と
同じように垂直に、平面的に切り刻まれて、岩盤に穿たれたトンネルへと
続いており、その通路に切り立つ岩盤に古生物の姿が刻まれているのが
はっきり残っていて、通せんぼされたトンネルの奥にもそういう形跡が
覗かれるのだけれど基本的には荒れた世界ばかりが目に入ってくる、
廃墟となった世界を感じることができました。

あまり使われていなさそうな野外ステージのような建造物を経て園地の
中心部へと戻ってくると、爬虫類触れ合い講座みたいな感じの次のイベントが
始まる時間という告知がされ、何となく惹かれるように、古めかしい採毒室の
建物の2階の会場へと足を運んでみました。
さほど大きい施設ではありませんでしたが、席が埋まる程度の家族連れが
小さい部屋に集い、時折クイズ形式も混ぜながらスライドによって、
蛇を中心とする爬虫類のことや、日本で見られる蛇、特にマムシや
ヤマカガシのことについて詳しく説明をいただき、時間の最後には
大きいけれどおとなしいニシキヘビの体に触らせてくれる時間もとられて
意外にさらさらすべすべ、骨のない所ならばふわふわした触感も
楽しむことができました。

そして講義が終わると次のイベント、採毒実演の時間が近づいていて、
そのまま階下の採毒室の廊下へと移動しました。
ガラスで囲まれた中の研究室のような部屋に現れたお兄さんが
蛇使いのように、先端に鈎状の金具の着いた長い棒を用いて、器用に
篭の中からハブを取りだし、ひとしきり説明しながらハブの体や
動き方を観察した後、お兄さんはハブの頭を掴んで口を開かせ、
メートルグラスの縁を噛み付かせるようにして、牙から毒液が分泌される
ところをしっかりと観察させてくれたのでした。

ハブもさほど大きい蛇ではありませんでしたが、ハブの実演が終われば
次はニホンマムシとヤマカガシの登場となります。野生動物にありがちな
臆病でおとなしい性格が良く現れていて、5円玉模様と呼ばれるらしい
マムシの体の模様や、より細長くて頭のくびれもあまりないヤマカガシの
つやつやした体がうねうねとうごめくさまを良く観察することができ、
最後はまた蛇に触れる時間がとられて、さすがに毒蛇は触れませんが
アオダイショウが登場し、さっきと同じような案外さらさらすべすべした
鱗の触感をまた楽しむことができたのでした。

そんな感じで小さくて古ぼけたあまり目立たない施設だったけれど
密度の高い時間を過ごすことができ、最後に資料室の説明や骨格標本、
もしかしたらさっきの廃墟となった施設の名残なのかもしれない
熱帯蛇類温室の廊下になぜか展示される古生物の模型や大きな蛇たちの
姿を観察して園地をあとにする頃には辺りには夕暮れの気配が感じられる
ようになってしまっていました。
行ってみてもいいかなと思っていた隣の、三日月村という木枯し紋二郎の
時代をモチーフにしたテーマパークからの案内音声も聞こえなくなっていて、
とりあえず入口に向かってみても入場受付は締め切られたあとで、
関所という名前の入口付近の、江戸時代の雰囲気ということらしい竹林や
その中の古めかしく立てられた小さい建物の作る風情を少しだけ味わう
のみとなってしまいました。

そして計算外だったのは、せっかく温泉地なのだから帰りにちょっと
寄っていこうと思っていたのだけれど、中心部にある場違いなほど巨大な
ホテルで予約無しに入ることのできる日帰り入浴がちょうど受付終了と
なってしまう時間となってしまい、冷鉱泉を沸かしている温泉であるという
都合故か、他の小さい旅館の類も予約が必要なところばかりであるらしく、
結局温泉地を訪れながら温泉に入らずに帰るという選択をせざるを得ない
状況となってしまうという大失態となってしまいました。

こうしてとぼとぼと住宅街とあまり変わらない感じの静かな温泉街を歩き、
なつめの里で温泉街のオレンジ色の丘陵に見送られて、赤城山の姿が大きく
背景となって映る田んぼの中へ進み、朝とは違って空っ風の力も弱まった
穏やかな夕暮れ空の中をのんびりと歩んで、藪塚駅へと戻っていきました。
すぐに特急に乗って帰るのもなんだか中途半端、かといって駅の周りに他に
楽しめそうな所どころかコンビニや商店の姿さえ見当たらない集落でしたが、
せっかくなので数少ない飲食店が夜の営業を始めるのを待ち、このあたりの
B級グルメであるらしいソースかつ丼を食うべく、動かなくても刻一刻と
夕暮から夜の風景へと移り変わっていく大通りを暫し彷徨い、
すっかり夜になった街に灯った飲食店の明かりに引き寄せられて、
外の冷たい風とはうってかわった暖かい空間でしばし暖かい食事をのんびりと
楽しんで、特急列車で夜になった街を後にしたのでした。