『恋愛は、相手を錯覚や誤解して始まり、理解して終わる』
 
 まだ何も知らないのに、アノ人を自分の「好きな人の像」として勝手に想い描いて恋愛は始まっていきますよね。
 アノ人の様々な事を良いように勝手に解釈して恋心は膨らんでいきます。
 
 恋い焦がれた、念願のアノ人と交際が始まったとしましょう。
 
 交際が続いていくと、アノ人の言動を良いように解釈していた事の「本質」を知っていきます。
 アノ人を理解していくのです。
 「本当のアノ人」を知って行きます。
 
 同棲や結婚など、関わる時間が多いほどアノ人への理解は深まっていきます。
 
 理解が深まるほどに、本当のアノ人が見えれば見えるほど、
 交際の初めの頃には良い様に解釈していたアノ人の行動が、だんだんと気に入らなくなっていきます。
 アノ人を解れば解るほど嫌になって行くのです。 
 アノ人の本質が見えてくれば来るほど心は冷めていきます。
 自分にとってアノ人が何なのかに気づいてしまう。
 アノ人にとって自分が何のかを理解してしまう。
  
 アノ人がどんな人か知らなければずっと「好きな人の像」のままだったのに、アノ人の本当を知って、アノ人がなんなのかを理解していくほどに好きな人では無くなっていくのです。
 
 ただ、好きな人を理解した上で交際を始めるという場合もあるでしょう。
 でも、その「理解した上で」ということさえ思い込みで、その理解したつもりも「誤解」なのだというのがほとんどなのです。
 
 人と人が理解し分かり合っていくことは大事なはずなのに・・・。
 人々が分かり合えれば人類みな兄弟、世界平和だって誰かが言っていたのに・・・。
 恋愛ではそうでない場合もあるようです。
 
 
 理解しなければ恋愛は深められないものでしょうから、避けて通れない事なのでしょうけどね。
 
 (終)