「女はわがままだ」というのは良く聞く言葉ですよね。

 男と女の性質の違いを語る時に、昔話の『竹取物語(かぐや姫)』を例にして、
『男は女のわがままが好きなのだ』
 とする話があります。

 大人の女性であれば、多くの男性の恋愛の最大の関心事(目的)は「セックスがしたい」であることはご存知だと思います。その目的を達するまでの男性は女性に対してとても精力的ですよね。

 『竹取物語(かぐや姫)』の話の中で、かぐや姫は求婚してきた五人の男達に、「燃えない布」を持って来い、「龍の首の珠」を取って来い、「燕の産んだ子安貝」を採って来い、などと、あれやこれやと難題を出します。それを持って来ることが出来た男性と結婚すると言うのです。

 男達は、かぐや姫の言う「難題」=「わがまま」をなんとか解決しようとします。ある男は命懸けで、ある男は悪知恵を働かせて。
 わがままな難題を解決さえすれば、かぐや姫と「結婚」=「セックス」が出来るのですから男達は必死になるのです。

 「女性の頼みが断れない男性」とか「わがままな女性が好きな男性」というのはいますよね。もしくは、いつの間にか女性に振りまわされている男性。
 無意識であれ、女性の「わがまま」をかなえてあげれば、その女性から好かれるだろうという期待が働いているのです。とんでもないわがままな内容であればあるほど、それをかなえれば自分を本気で好きになってくれるという期待が働くのです。
 男性の「好きになってくれる」はイコール「セックスが出来る」でもあるのですがね。

 上記したように、男性にとって「女性のわがままをかなえること」は「好きになってもらえる」や「セックスが出来る」ことになります。ですから、女性のわがままは男性にとってはわかりやすい「目標」になるのですね。「目標」はわかりやすいほどありがたいものですよね(正確な目標かどうかは別として)。ですから、自分の「目的(セックス)」につながる「目標」である女性のわがままを男性は好きなのだと言えるという話になるのですね。

 ということで、男女の違いを語る時、『竹取物語(かぐや姫)』を例に出して、大昔から男性は女性のわがままが好きなのだというわけです。


 女性が全員わがままであるというわけではありませんが、「女はわがままだ」と言うのは男性の言葉に良くあります。
 女性も子孫を残すことを目的に生きる動物のメスなのだと言う視点で見れば、女性の「わがまま」という「望み」をかなえてくれる男性は、その女性にとって優秀なオスであるということになります。より良いオスと子孫を残したいというのは動物として当然の事で、子孫を残すにふさわしい相手を選ぶために女性は「わがまま」を利用していると見ることが出来るかもしれません。
 「わがまま」という女性からのテストを男性は常に受けているのです。 

 「ふさわしい男かどうか」のテストなのですから、
 男性にとって「女のわがまま」に見えることが、女性にとってはわがままではなく「当然のこと」というのは良くあることです。
 当然のことなのですから、わがままをきいてくれない男性に対して女性は、
 「この程度の事(わがまま)をきいてくれない男と結婚しても絶対に幸せになんてなれない。器が小さいよね。きっと子育てだって協力しないに違いない。こんな男の子供は産めない」
 と言う考えになるのです。

 女性は「自分が特別であること」「特別に扱われる」ことが好きなものですよね。「女である限り一生続くお姫様願望」と言われるものです。
 ですから「わがままをかなえてくれる男性の方が良い」と考える女性が多いのは当然の事で、気がきく「マメな男性がモテる」というのもやはり当然の事なのかもしれません。


 さて、
 女性が強いわがままであればあるほど男性の性に対する期待は高まったりすることがあります。
 男性は、その女性にお金や時間を使えば使うほどに性への期待でいっぱいになって後戻り出来なくなっていきます。
 無意識なのか故意なのか、男に金や時間を使わせるそんな強いわがままな女性の事を「悪女」なんて言ったりしますね。
 

 さてさて、
 『竹取物語(かぐや姫)』は「世界で最古のSF小説」「日本最古の物語」だと言われていますよね。
 無理難題を五人の男達に出し、さらに帝の前からも消えて月に帰ったかぐや姫は、見方によっては日本最古の『悪女像』かもしれませんね。
 見方によっては、ですけどね。