終刊となる「Journalism」誌の2023年3月の終刊号に、免田事件にジャーリストとして深く関わった高峰武氏が寄稿している。

 今回は求めに応じて、冤罪とメディアというテーマに沿っての寄稿である。

 新聞記者として、若い頃がこの事件を見つめてきた高峰氏と、その仲間や先輩を含めたジャーリストとしての自戒をこめた貴重な一文である。

 

 事件の表層報道に流れがちなジャーナリズムの姿勢を戒め、事件を時代とその社会の深層の中に常に置いて、真相に迫る必要が具体的に説かれている。

 免田氏自身のことについて言えば、事件捜査と報道の初期の段階から、いくども彼のアリバイ、無罪性を証し立てる可能性のあった事象が見過ごされていることを指摘している。

 なぜ司法と報道は過つのか。

 事件の背景、深層、当事者性への眼差しが欠落してしまうからだということが、この高峰氏の寄稿文でよく解った。

 以下、その全文を転載させていただく。