【アニメ「薬屋のひとりごと」】 | 村の黒うさぎのブログ 

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大自然の中で育って、都会の結婚生活へ。日常生活の中のイベント、出来事、雑感を、エッセイにしています。脚色はせず、ありのままに書き続けて来ました。

 

此処はファンタジーの世界
~中世中国風な世界でありながら、中華の王朝とは異なる~
自在な発想のもとの、アニメーション世界。



マオマオ(猫猫)は、大層美しかった。しかし自らの身を護るために、敢えて不細工に見える化粧を施していた。
マオマオは、薬師(くすし)として働き、研鑽を積む日々だった。
ある日、化粧が落ちかけていた彼女は、女拐いに遭い、「宮中の下働き」として売り飛ばされてしまう。

目立つのを避け、地味に行働していれば、二年の年季はやがて明け、解放される日は来る。
その日を待って、宮中で黙々と下働きをしていたマオマオだった。

帝(みかど)の側室のうちの二人は、赤子が病にかかり、その具合は深刻だった。
これまでにも、帝の赤子は、何人も亡くなっていた。
宮中の人々の嘆き様と、側室の悲しみを見かねて、マオマオは、側室に分かって頂ける様に、そっと病気の原因をお伝えしようと、策を講じた。
一人の側室、玉陽妃(ぎょくよう妃)はマオマオの進言を受け入れた。
原因は、妃の化粧品=白粉に含まれる毒だった。
玉陽妃の赤子は元気になり、マオマオはその功績で、玉陽妃の侍女に取り立てられた。

マオマオの役割は、食事の毒見係だった。
太っていれば、体に毒がまわり難い。周りの侍女はマオマオを思いやって、痩せぎすな彼女に、折に触れて御馳走を届ける。
当のマオマオといえば、薬学の知識を巧みに用いて、日頃から毒に耐性のある体を保っていた。

他の側室の毒見係にとっては、食事の度に命懸けな、恐ろしい仕事である。しかし薬学に精通しているマオマオにしてみれば、新しい境地を知ることの出来る、興味深い役割だ。
また、カカオからつくったチョコレートは媚薬である。
(現代人は、日頃から嗜好品を摂っているために、効かないのだが)
真冬の寒風の吹きさらす中で、園遊会が行われる。
マオマオは、現代でいうカイロを考案し、玉陽妃とその侍女達に渡して、感謝された。
そんな風な、マオマオの知識や立ち回りによって、宮中では痛快な活躍が展開される。

園遊会が開かれるに当たり、周りの侍女達は、マオマオを美しく仕立てようとして、彼女の素顔を知ることになる。
-マオマオに興味のあったプレイボーイの宦官は、実は大変美しいマオマオを、本気で好きになってしまった-



現代の薬剤師を振り返る。
高度な知識を要する、頭を使う仕事で、間違いは許されない。
そうである割には、医師の処方の通りに調剤し、間違い無い様に確認してゆく、自らに出来る裁量の狭い仕事、と認識してきた。

医療現場で働く、医師・看護師・検査技師・栄養士等と比べれば、同じ場所に立ち通し、黙々と調剤を続け、間違えれば取り返しがつかない仕事。薬剤師とは、地味で変化に乏しいその割に、責任は重い仕事と思って来た。

10代の進路を考える時期に、「薬剤師になるには」という本を読んだ。たくさんの薬の名称と効能を覚える必要が、先ずある。
進路のシリーズの本の中でも、固有名詞ばかりが並ぶ内容で、少なくとも自分には、適性の無い仕事と理解していた。

そんなイメージを抱いていた薬剤師だった。

しかし、「薬屋のひとりごと」では、薬の利用され方は意表を突き、主人公のユニークな活躍が展開する。薬師としての、活躍の幅に心が踊る。
加えて舞台は、まだ医学が発展していない時代で、主人公は同時に、医師としての役割も担っていく。

薬学の内容は専門的で、それでいて分かりやすく、頭にスッと入ってくる。

冗談あり、オチがあり、愉快な笑いに満ちている。
肩の凝らない、小説の原作から起こした、アニメーションの世界である。


そして後半、ストーリーは、推理事件風に発展してゆく。



「薬屋のひとりごと」
放送局 日本テレビ
曜日  日曜日 
時間  AM1:00~1:29 現在放映中


「アマゾンプライムビデオ」
「ディズニープラス」で配信中


文庫版 
著者 日向夏
「ヒーロー文庫」より発売中