野菜セット通信 2018年1月15日 「野菜の高騰はなぜ起きるのか?」① | 農が好きな人に役に立つ! 柴海農園のブログ

農が好きな人に役に立つ! 柴海農園のブログ

千葉県印西市で旬の野菜セットと加工品を作ってます。レストラン向けの変わった野菜、甘糀ジャム、受託加工などさまざまな分野にチャレンジ中。

最近スーパーでは野菜が高い!とニュースでも取り上げられているようです。
取引先からもそうですが、取引先以外からも「野菜ないですか?」
とのお問い合わせを良く頂いております。大抵「ないです」と答えるのですが、
野菜が高い時にお問い合わせが来るのはほとんどの場合仲卸業者さん、
レストランさんが多いです。畑を見渡しても本当に野菜がない!
ですので新規のお取引はほとんどお断りするのが現状です。
すでにご契約いただいている皆さま、飲食店様に
しっかりと野菜をお届けすることが大切ですので。 

 


そもそもなぜ野菜の高騰が起きるのか?特に昨年もそうでしたが、
秋~冬にかけてはその傾向が強くなります。すごく簡単に説明すると
「秋の長雨や台風の被害によっては3月くらいまで野菜が無くなることがある」
ということになります。ここで野菜と気温の関係を見ていただきたいと思います。
大抵野菜の生育適温は15-25度です。春から夏にかけては気温が高くなっていく、
秋から冬にかけては気温が下がっていきます。つまり秋から冬にかけて
0度に近づくと野菜の生育がストップすることになります。
7,8,9,10月に植え付けたり、種を播いたりする野菜は
11,12、1、2、3月にかけて出荷をしていく。
12,1,2月は畑がほぼ冷蔵庫状態となりますので、
秋に出来上がった野菜は畑でそのまま冷蔵保存が効くわけです。
逆に言うと11月とか12月にいくら種を播いたり、
植付をしたりしても1,2月には野菜は収穫できないのです。
今年の天気はというと、10月とーっても天気が悪かったですよね?
しかも大型の台風が2つ来ました。タイミング的にいうと
現在とても高騰している野菜は10月に生育期で本来一番成長するべき
キャベツ、大根、白菜、レタスが大きくならず、小さいまま年越しをしている状況。
3月になったら花が咲いてしまいますので小さいまま年越しをしても
商品になる確率は極めて低いです。そして10月に種を播くべきほうれん草、
小松菜などの葉物はちょうど種を播くべき時に長雨にあたってしまったので、
播種のタイミングが合わなかったり、播けても湿害によって無くなってしまったり、
芽が出ていても台風で折られてしまったり、、。試練のような10月でしたので、
私は11月の時点で12、1、2月は野菜高騰するなーと薄々感じていました。
予想以上に11、12月が寒かったという点も野菜高騰に拍車をかけた要因です。

そんな不安定が状況が続く状況で離農者も多くなっていることでしょう。
「農業は自然相手だから大変」という12文字の言葉の中には、
一言では言い表せない過酷な畑の状況があります。
常に明るく振舞っているベテラン農家さんには、
とてつもない「鈍感力」「忍耐力」が備わっていることは
言うまでもないでしょう。そんな農家さんの重みのある背中を思い出す度に、
今まで私に農業を教えてくれた人への感謝と尊敬が、
農業という仕事について10年ほど経つ今でも大きくなっていきます。
天気が悪い時でもしっかりと野菜を揃え、契約頂いている皆さんに
安定して良い野菜セットが届けれらる様に、
智恵と技術を磨き上げてていきたいと思います。