他人に対して「なんて嫌なやつだ」と強く感じたとき、それは単なる怒りだけでは終わらないことがある。
その嫌悪の感情が、思いがけず自分自身と向き合うきっかけになることもある。
今日はそんな体験について、率直に書いてみたい。
初めてその人と会ったのは、部署横断の会議だった。直属の上司ではないが、立場は明らかに上。
出会って数分で「驚くほど嫌なやつだ」と思った。パワハラの塊のような人だった。
我々を見下す態度。自分だけが正しいという思い込み。
質問をすれば、意図をくみ取ることなく「建設的ではない」「聞くに値しない」と切り捨てる。
支離滅裂な主張を、まるで唯一の正解かのように語る。こちらの立場や背景には一切配慮せず、自分の視点からだけ相手を批判する。
議論でも対話でもなく、一方的な断罪。
恥ずかしさよりも、軽蔑の気持ちが強く残った。
その出来事がしばらく頭を離れなかった。
ただ怒っていたはずなのに、次第に考えが変わっていった。
あれほど腹が立ったのは、もしかしたら自分の中にも、あの人と似たものがあったからではないかと思い始めた。
思えば、自分も敵を作りやすい。人の嫌なところばかり目について、素直に人を好きになれない。
「もっと友達がほしい」と思うことがある。でも、自分から距離を取っていたのは、実は自分の方だった。
人と目を合わせるのが昔から苦手だった。
なぜなのか、自分でも分からなかったが、あるときふいに気づいた。
それは、心の奥に沈めていた「後ろめたさ」だった。過去の出来事に対する罪悪感。
誰にも言えず、処理もせず、そのままにしていた感情が、ずっと自分の態度や関わり方に影響していた。
相手の嫌なところにばかり目が向いたのは、自分を守るためだったのかもしれない。
でも今は、人と正面から向き合ってみたいと思う。
あの人の言動は決して許されるものではなかった。
それでも、あの出会いを通して、自分の心の癖に気づけたことには、感謝している。