4団体統一世界スーパーバンタム級王者 井上尚弥(大橋)選手へのIBFの指名挑戦権を持つIBF&WBO同級1位 サム・グッドマン(25=豪:18戦全勝8KO)の次戦が、7月10日:豪ウロンゴンのウロンゴン・エンターテイメント・センターでWBC同級8位 チャイノイ・ウォラウト(タッタナ・ルアンポン 26=タイ:25勝15KO無敗1分)相手の12回戦に決定。
[今日29日、グッドマンのプロモーター&興行を主催する No Limit Boxing が正式発表]
グッドマンは、今月6日に東京ドームで行われた井上vsルイス・ネリ(メキシコ)の試合後のリングに上がり、モンスターの9月対戦の呼び掛けに応じていたものの、ここ最近報道されていたとおり結局その前にもう1戦はさむことになった形。
但し、グッドマンは指名挑戦権を放棄する訳ではなく、12月に井上選手と戦うことを希望、今日のチャイノイ戦の発表会見でも
「世界レベルに挑戦する前に、もう1度テストが必要。チャイノイ戦はモンスターを打ち負かすために、可能な限りベストな状態にするために信頼するチームが考えてくれたプラン」
とコメント、会見後のTVインタビューで、100万ドル(約1億5700万円)とも言われる井上戦のファイトマネーを失うリスクがあるが?との質問に対しては
「このスポーツを始めたのは億万長者になるためではなく、世界タイトルを獲るため。(チャイノイと戦うのは)その最高の位置に自分を置くためで、これがモンスター戦の前の最後の試合になる」
と返答。
ただ、肝心の井上選手サイドは、次戦=9月予定と初めから名言&その時期に合わせて首都圏の会場も既に確保しているとのことで…
試合スパンからしても、グッドマンがチャイノイ戦をクリアした後 2ヶ月ちょっと程度の間隔でモンスターに挑むのは現実的に難しい筈。
なので井上選手が予定どおり9月に防衛戦をやるのならば、相手はグッドマン以外になる可能性が明白に高くなった感。
折角の挑戦チャンス&通常の世界戦挑戦者より格段のビッグマネーを稼げる好機にもかかわらず煮え切らない態度のグッドマン側に、返上するのを待っているのではないかと大橋会長が語ったことも報じられていましたが、確かにそういう印象も大。
推測するに、井上選手サイドは好き好んでグッドマン戦いたい訳ではなく、指名挑戦権を持っている=遅かれ早かれIBFから対戦指令が出される(場合によってはWBOの指名戦も兼ねることになる可能性もなくはナシ)ことを見越してのマッチメイクの筈だけに…
ビッグネームの王者側が、ローカルレベルの注目株に振り回されているようにも思える状況には、ちょっと違和感も。
何れにしても、確かIBFはまだ正式に井上&グッドマン両陣営に対し、正式に対戦指令は出していない筈なので、グッドマンのいったん回避が通るのであれば、井上選手の次の対戦相手はこのところの噂どおり、ここ3試合連続で大橋ジム興行に出場して全KO勝ちの元IBF同級王者 TJ・ドヘニー(37=アイルランド/豪:26勝20KO4敗)が俄然クローズアップされそうな流れです。
ついでながら、トレジャーボクシングプロモーション代表の伊藤雅雪(元WBOスーパーフェザー級王者)氏が、自身のプロモートする元世界3階級王者 ジョンリェル・カシメロ(比)との対戦をグッドマン側が4月の時点で打診して来たため、6月か7月の試合を計画…
カシメロに練習しろと発破をかけたものの、結局契約書が送られて来なかったことを告白、なんていうニュースも先日ありました。
なお、グッドマンの相手にピックアップされたチャイノイは、記憶になかったので大雑把に調べてみたところ…
タイの選手の御多分に漏れず、無名どころとの対戦でキャリアを積んできたタイプのようで、 デビュー4戦目を引き分けた以外は全勝ながら世界ランク入りするほどの実績はナシ。
そういう訳で、グッドマンがモンスター挑戦を5ヶ月だけ先延ばしし、世界への最終テストマッチとの理由でこの相手と戦うというのは、部外者としてはやっぱりサッパリ解りませんけれど…
まぁ、ごく稀ではありますが、知られざる強豪が潜んでいるケースはタイにもありますから、案外よもやの事態もなくはない… かも?