【結果+観戦記】ウィリアム・セペダ vs マキシ・ヒューズ[WBA&IBFライト級挑戦者決定戦] | ボクシング・ダイアローグ

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16日(日本時間17日):米ネバダ州ラスベガスのザ・コスモポリタン・ザ・チェルシーで開催されたゴールデンボーイ・プロモーションズ主催興行。

 

メインイベントはWBA&IBFライト級挑戦者決定戦、WBA1位/IBF6位 ウィリアム・セペダ(27=メキシコ:29戦全勝25KO)vs IBF4位/WBA5位 マキシ・ヒューズ(34=英:26勝5KO6敗2分)。

 

セペダは昨年9月、メルシト・ゲスタ(比)を6ラウンドTKOして以来、ヒューズは同年7月、同級の元3団体統一王者 ジョージ・カンボソスJr.(豪)に2ー0判定負けして以来のリング。

 

デビューから無傷の29連勝中で次期王者候補の筆頭株の1人セペダ vs パワーレスで黒星も多いヒューズという図式につき、予想的には普通にセペダ圧倒的有利に傾きそうな組み合わせの2団体エリミネーター。

 

ただヒューズの方は、カンボソスJr.戦(IBF2位決定戦)は勝っていたとみる向きが少なくない内容だったことで、そこをIBFに考慮され敗れたにもかかわらずランキングは9位→ 5位にアップ、更に今回の挑戦者決定戦出場を指令された、という経緯があり、運を味方につけていると言ってよさそうな状況。

 

そうしてマッチアップされた、サウスポー同士による2団体ダブルの挑戦者決定戦…

 

結果は セペダが 4ラウンド終了TKO勝ち。

 

動画サイトにフルラウンド版の映像が上がっており、せっかくなので観戦しましたが… 内容的にはセペダの一方的な勝利。

 

セペダのプレスに初回の時点で早くも引き始めたヒューズは、以後も圧されて下がる中で時おりジャブを突いたり左を打ちはするものの殆ど苦し紛れな一方で、逆にアッサリ優位に立ったセペダは更にプレッシャーを強化。

 

上下を打ち分けるセペダは、3ラウンドからボディブローを主体に強打を連続、反撃できないヒューズは4ランドも決定打を防ぐのが精一杯で成す術がなく、結局この回の終了後に棄権を申し出て試合終了。

 

近年の海外の試合に目に見えて増えたと感じる、簡単に試合放棄し過ぎなようにも思える終わり方だったのはともかくとして、これでセペダは30戦全勝26KOに戦績を伸ばすと共に、2団体の指名挑戦権を獲得。

 

現在のライト級は、WBA王者にジェルボンテ〝タンク〟デービス(米)が君臨する一方、デビン・ヘイニー(米)の返上で空位となっているIBF王座は、5月12日:豪パースで開催予定の王座決定戦、カンボソスJr. vs ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を2ヶ月後に控えている状況。

 

セペダがどちらのタイトル挑戦に向かうのか、先ずはその選択に要注目ですが、デービスには6月15日(日本時間16日)に米ラスベガスで全勝の注目株 フランク・マーティン(米)と対戦決定 !? という一部情報も有り。

 

指名挑戦権を手にしたと言っても、試合間隔がよほど開くなどしない限り(その間に権利&ランクを失わないことが大前提)すぐ次戦で行使できるパターンはそうそうない以上、仮にセペダがWBA狙いで行くのであれば、おそらくタンクvsマーティンor他の挑戦者の試合が終わった後、その勝者にWBAから対戦指令を受けて挑む形になるのでは。

 

逆にIBFの方は、カンボソスJr.とロマチェンコの何れが勝っても決定戦による戴冠だけに、初防衛戦で指名戦を指令される可能性が高く…

 

その部分からすると、セペダに巡って来るチャンスはおそらくIBFが先になる筈、との感が大。

 

セペダはパンチ力があるのに加え、手数&スタミナも豊富な攻撃型の選手なので、カンボソスJr.はパワーで圧し切ってしまいそう&ロマチェンコも手こずらせそうなイメージ。

 

個人的には、好戦的なスタイル同士による打撃戦が必須のタンク戦が一番観たい、という感じです。

 

 

セミファイナルはWBAインターナショナル・ライト級タイトルマッチ、王者/WBA4位 フロイド・スコフィールド(21=米:16戦全勝12KO)vs 挑戦者 エステウリ・スエロ(23=ドミニカ共和国:13勝10KO1敗)。

 

結果は スコフィールドが 5ラウンド 2:07 失格(反則)勝ち。

 

2ラウンドにスエロが相手の抱え込みの反則で減点1、更に4ラウンドにも抱え込み後の持ち上げ→ 振り落としで再び減点1を科された末、5ラウンドに右アッパーのローブローを見舞ったところでレフェリーが失格を言い渡し、試合終了。

 

乱戦というほど荒れていた内容ではなかったながら、感想としては後味悪すぎ&残念な結末だった、の一言以外にナシ。

 

 

※ 同興行にセットされていたWBAフェザー級挑戦者決定戦、ビクター・モラレス(米)vs ルイス・ヌネス(ドミニカ共和国)は試合キャンセル。

 

 

 

 

同じく16日(日本時間17日)は、英(イングランド)バーミンガムのリゾーツ・ワールド・アリーナでクィーンズベリー・プロモーションズの興行も。


メインイベントのBBBofC(英国ボクシング管理委員会)ミドル級タイトルマッチ、王者/WBO5位/IBF11位/WBA12位/WBC15位 ネイサン・ヒーニー(34=英:18戦全勝6KO)vs 挑戦者 ブラッド・パウルス(30=英:18勝10KO1敗)は 1-1(116-113ヒーニー、115-114パウルス、114-114)の引き分け。

 

セミセミのヘビー級10回戦に出場した元WBO暫定王者 ジョー・ジョイス(38=英:15勝14KO2敗)は、前IBFヨーロッパ王者 カシュ・アリ(32=英:21勝12KO2敗)に肩越しの右で 10ラウンド 2:53 KO勝ち、前WBO暫定王者  張 志磊(中国)に喫した2連続TKO負けから再起。

 

175ポンド(ライトヘビー級)10回戦、元スーパーミドル級ランカーのザック・パーカー(29=英:23勝17KO1敗)vs タイロン・ツォイゲ(31=独:27勝15KO1敗1分)は、パーカーが 3-0(98-91、97-92、96-94)の判定勝ちで復調の兆し。

 

また、同興行のアンダーには4団体統一王者に井上尚弥(大橋)選手が君臨するスーパーバンタム級の地元注目株も登場。

 

セミファイナルで行われたマイナー統括団体IBO(国際ボクシング機構)の「世界」スーパーバンタム級王座決定戦、WBC5位/IBF8位/WBA14位 リアム・デービス(27=英:14戦全勝6KO)vs IBF12位 エリック・ロブレス(23=メキシコ:15勝9KO1敗)は、デービスが 2ラウンド 1:17 TKO勝ち。

 

CBC(英連邦ボクシング評議会)スーパーバンタム級タイトルマッチ+WBOインターコンチネンタル&BBBofC同級王座決定戦、CBC王者/WBO11位 デニス・マッキャン(23=英:14勝8KO無敗1分)vs 挑戦者WB12位 ブラッド・ストランド(27=英:11戦全勝3KO)は、マッキャンが 3-0(118-111、116-111、116-112)の判定勝ち。

 

デービス、マッキャンとも、モンスターが同級に留まっている間にその対戦者候補として浮上して来るとは思えませんが、先々スーパーバンタムで台頭しそうな選手を知っておくという意味でなら、今からチェックしておくといいかも?