ボクシング:ここ1週間くらいの主な情報[ジョシュアvsガヌー 井上尚弥vsネリ対戦交渉 他] | ボクシング・ダイアローグ

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前3団体統一世界ヘビー級王者 アンソニー・ジョシュア(34=英:27勝24KO3敗)vs WBC10位/元UFC王者 フランシス・ガヌー(37=カメルーン:1敗)が 3月8日(現地時間:以下同)サウジアラビアのリヤド開催で決定。

 

同国総合娯楽庁のキーパーソンがSNSで公表すると共に、ESPNなどがこの日程が有力と間を開けずに報道、既に海外のボクシング情報サイトのスケジュールにも掲載しているものが複数見られ、正式に決まったと受け取ってよさそう。

 

ジョシュアをプロモートするマッチルーム・ボクシングのエディ・ハーン氏が、来週の15日に英ロンドンで記者会見を開く見込みだそうなので、そこで試合会場等も含め、正式発表する流れなのかも?

 

ジョシュアは、昨年12月23日のサウジアラビア興行のメインでオト・ワリン(スウェーデン)に5ラウンドTKO勝ち、次は同じイベントに出場した前WBC王者 デオンテイ・ワイルダー(米)との対戦が内定していたものの、ワイルダーが元WBO王者 ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)に判定負けする波乱でご破算となり、方向転換。

 

元総合格闘家のガヌーは、昨年10月のボクシングデビュー戦で現WBCヘビー級王者 タイソン・フューリー(英)とノンタイトル10回戦を行い、ダウンを奪っての僅差2-1判定負けと善戦、これを評価してWBCは1戦1敗に過ぎないガヌーを10位にランクインさせる措置。

 

ジョシュアは取り敢えず好調を維持している一方、流石にガヌーはキャリア不足があまりにも顕著で、対戦カードの魅力としては意見が分かれそうですが…

 

個人的には、ガヌー戦の時のフューリーは完全にエキシビション的というか、相手を舐めきった楽勝ムード&調整不足だったように見えたので、健闘はさて置きひとまず過大評価するのは見合わせておいた方がいい、との考え。

 

かつてアンディ・ルイスJr.(米)に打たれ脆さを突かれ、KOされる苦汁を味わっているジョシュアも気を引き締めて来る筈ですから、順当ならボクサーとしての力の差が内容・結果にハッキリ出るのでは、と自分は予想してますが…?

 

 

ジェイ・オペタイア(豪)の返上で空位となったIBFクルーザー級王座の決定戦、3位(指名挑戦者)マイリス・ブリーディス(38=ラトビア:28勝20KO2敗)vs 4位 ヒルベルト〝スルド〟ラミレス(32=メキシコ:45勝30KO1敗)の興行権の入札が、来週16日:米ニュージャージー州スプリングフィールドのIBF本部で実施予定。

 

(両陣営への対戦指令は昨年12月)

 

22年7月、オペタイアに王座を明け渡した前々王者ブリーディスは、ダイレクトリマッチ権を得たものの自身の怪我の復調が遅れて現在も長期ブランク中、それでも挑戦権を失わなかったことにより、今回の決定戦出場チャンスを得た格好。

 

元WBOスーパーミドル級王者のラミレスは、2階級制覇を目指した22年11月のWBAライトヘビー級スーパー王者 ディミトリー・ビボル(キルギス/露)戦に敗れた後、更に1階級上げて再び2冠目への挑戦。

 

オペタイア戦から現時点で1年半リングから遠ざかり、明後日の13日に39歳になるブリーディスと、昨年10月に前WBOライトヘビー級王者 ジョー・スミスJr.(米)に無難な判定勝ちでビボル戦から再起したラミレス、という図式ですが…

 

スーパーミドル上がりとはいえ、ラミレスが体負けするイメージが殆ど湧かないのと、やはりブリーディスの長期ブランク&既に全盛期は過ぎていることを踏まえると、普通にスルド有利かな、という予想です。

 

 

WBO世界ライトフライ級団体内王座統一戦、正規王者 ジョナサン・ゴンサレス(32=プエルトリコ:27勝14KO3敗1分1NC)vs 暫定王者 レネ・サンティアゴ(31=プエルトリコ:12勝9KO3敗)が 3月2日:プエルトリコ・サンフアンのコリセオ・デ・プエルトリコ開催で決定した模様。

 

ゴンサレスは昨年10月、ヘラルド・サパタ(ニカラグ)とのV3戦をインフルエンザ罹患で試合2日前にキャンセル、今回は自身のそのトラブルが原因で誕生した暫定王者との統一戦。

 

同年の4月にも、日本で行う筈だった寺地拳四朗(BMB)選手との3団体統一戦をマイコプラズマ肺炎の発症→ 試合まで1週間弱のタイミングでキャンセルした経緯があり、22年11月のvs岩田翔吉(帝拳)以来となる約1年4ヶ月ぶりのリング。

 

サンティアゴは、そのゴンサレス欠場に伴って急遽設置された暫定王座をケビン・ビバス(ニカラグア)と争い、12ラウンドKO勝ちで獲得。

 

当然ながらWBOは両陣営に対し、理由如何にかかわらず統一戦を行わなければ王座剥奪する旨を通達済み。

 

対戦カード的には殆ど興味をそそられないのが正直なところとはいえ、寺地選手がまだ4団体統一を諦めず模索している以上、注目しない訳にもいかないか… という感じです。

 

 

4団体統一世界スーパーバンタム級王者 井上尚弥(30=大橋:26戦全勝23KO)の次戦は、WBC1位(指名挑戦者)ルイス・ネリ(29=メキシコ:35勝27KO1敗)と5月に日本開催で交渉中。

 

(米スポーツ専門局ESPNなどは対戦合意と報道するも、大橋ジム・大橋秀行会長は交渉中であることを認めつつ、詳しいことはまだ決まっていないとコメント)

 

ネリは17年8月、当時のWBCバンタム級王者 山中慎介(帝拳)氏に挑んだ試合にKO勝ちでタイトルを奪取、しかしその後のドーピング検査で禁止薬物の陽性反応、さらに翌18年の山中氏との再戦では大幅な体重超過で王座剥奪の失態を犯し、日本ボクシングコミッション(JBC)から無期限の国内活動停止処分を科されている状態。

 

… が、井上vsネリの報道を受け、JBCの安河内剛本部事務局長や関係者が

 

「昨年のJBC規定改定で、処分開始日から無期限は3年、取り消しは5年が経過すれば再申請が可能となった。

 既に5年を経過しているネリ側から日本での活動許可の申し出があれば、資格審査委員会で協議される流れとなる。

 

 永遠に活動停止なのではなく、申請があれば指標となる直近の行動履歴などの提出を義務づけた上で資格審査委員会で検討する。

 アメリカなどで試合をしているネリが、日本ではずっと試合ができないというのは常識的ではない」

 

と説明。

 

まだネリやWBC側から正式な話は来ていないとのことながら、次戦は東京ドーム開催も候補に挙がっているという飛び抜けた井上人気(但し、ボクシング人気とイコールではない)だけに、これから交渉が進展すれば処分解除は確実。

 

自分としては、ネリのような迷惑系ボクサー失格者に日本の地を踏ませたくないのが本音ですが… 

 

認めてしまうのであれば、山中氏の分も鬱憤を晴らす井上選手の豪快KOに期待。

 

 

日本バンタム級王者 堤聖也(28=角海老宝石:10勝7KO無敗2分)選手が世界挑戦の準備のため、4度防衛した王座を返上。

(今月6日付:JBCが9日に発表)

 

空位となる王座の決定戦には 2位 富施郁哉(ワタナベ)選手が出場(相手未定)し、今春の開催を予定。

 

なお、昨年12月26日:井上尚弥vsマーロン・タパレス興行のセミで堤選手に挑戦、判定負けした後に意識を失い右硬膜下血腫の開頭手術を受けた穴口一輝(真正)選手の意識は依然として戻らず、予断を許さない状況とのこと。

 

緊急搬送が報じられた直後からずっと気掛かりなことで、何とか回復してほしいの一心です。

 

 

3月18日:後楽園ホールで大橋ジムが主催する「NTTdocomo LeminoBOXING フェニックスバトル108」が正式発表。

 

メインはWBOアジアパシフィック&OPBFスーパーウェルター級タイトルマッチ、王者 井上岳志(34=ワールドスポーツ:20勝12KO2敗2分)vs 挑戦者 OPBF1位/WBOアジアパシフィック8位 ウェイド・ライアン(33=豪:22勝8KO11敗)。

 

イベントの模様は Lemino で無料ライブ配信。