9月30日(日本時間10月1日):米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催された4団体統一スーパーミドル級タイトル戦、カネロ・アルバレスvsジャーメル・チャーロ興行の主なアンダーカード結果。
◇WBC暫定世界ウェルター級王座決定戦◇
3位/元WBAレギュラー&スーパー王者
ヨルデニス・ウガス
(37=キューバ:27勝12KO5敗)
vs
5位/元WBAスーパーライト級王者
マリオ・バリオス
(28=米:27勝18KO2敗)
興行のセミセミで行われた一戦、結果は バリオスが 3-0(118-107×2、117-108)の判定勝ちで、暫定ながら2階級制覇を達成。
2ラウンド、左ジャブの相打ちでウガスが尻餅を着くダウン、以後は互いに積極的に前に出て概ね一進一退の展開も、徐々にバリオスがジャブで主導権を掌握。
後半になるとウガスの右目の腫れが進行し、終盤10、11、12ラウンドと立て続けにドクターチェック。
ウガスにとっては厳しい状況で迎えた最終12ラウンド、優位に在るバリオスが左フックを決めてウガスを再び倒し、ダメ押しのダウンでポイントを上積み。
KOを狙うバリオスに、ウガスは何とか粘って終了ゴングまで持ち堪えたものの、その間にマウスピースの吐き出しで減点1を科され、ロストポイントを自ら追加。
2度のダウンも大きくモノを言い、結果として意外なほどの大差でバリオスが文句なしの勝利。
ウェルター級の世界戦線は、WBCを含む4団体統一王者 テレンス・クロフォード(米)の意向が全てのカギを握っている状況ですが、減量苦とビッグマッチ志向により、そう遠くないうちに王座返上&スーパーウェルター転級が濃厚。
となれば、バリオスは自動的に暫定から正規王者にスライド昇格となる筈。
同時に、クロフォード返上&転級ならWBAもレギュラー王者 エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)が、IBFも暫定王者 ジャロン・エニス(米)が団体内統一戦をせずにそれぞれ唯一の正規王者に昇格(通常の場合)し、空位となるのはWBOのみ。
なので、ファン側ももう注目の視点を早めに新たな戦線へ切り替えておいた方がいいかも?
セミファイナルのWBAスーパーウェルター級挑戦者決定戦&WBC同級シルバー王座決定戦、WBA6位/WBC4位 ヘスス・ラモス(22=米:20戦全勝16KO)vs WBA7位/WBC6位 エリクソン・ルビン(27=米:25勝18KO2敗)は、ルビンが 3-0(117-111、116-112、115-113)の判定勝ち。
サウスポー同士の対決は、中盤までボディを主体に攻めたラモスが表面的に概ね優勢、後半からルビンがアウトボックスで立て直し。
大きなヤマ場もなく、イマイチ冴えない内容のままフルラウンドを終了、採点に疑問の声が挙がりつつもユナニマスの判定でルビンがWBAの挑戦権とWBCシルバー王座を獲得。
WBA王者はというと、この日の興行のメインでカネロに敗れた、IBFとWBCも併せ持つ3団体統一王者 ジャーメル・チャーロですが…
そのチャーロは、スーパーウェルターに戻してクロフォードとの対戦を希望しているとのことで、ルビンとの指名戦が実現するかどうか、現状では???
これも状況的にはウェルター級=クロフォードと殆ど同じなので、一先ずはチャーロの今後の動向に注目。
WBAミドル級挑戦者決定戦(10回戦)8位 イライジャ・ガルシア(20=米:15戦全勝12KO)vs 9位 ホセ・アルマンド・レセンディス(24=メキシコ:14勝10KO1敗)は、ガルシアが 8ラウンド 1:23 TKO勝ち。
序盤から打撃戦となった一戦は、8ラウンドに右フックでダウンを奪ったガルシアが再開後の連打でレフェリーストップを呼び込んで決着。
何でこっちのエリミネーターは10回戦なの?といった細かい点は置いておいて…
勢いのある若手注目株ガルシアは、まだキャリアは浅いながらもこの勝利でWBAの指名挑戦権を獲得。
WBA王者は、パッとしない存在に甘んじている齢40のベテラン技巧派 エリスランディ・ララ(キューバ/米)ですが、今の時点でガルシアが挑むにはちょっと荷が重い気が無きにしも非ず。
高い実力を持ちつつも不人気なララに、次世代王者候補のホープをぶつける、という図式でプロモーター側が積極的に実現に乗り出すかどうか、個人的にはそういう部分に興味を感じます。
また、フロイド・メイウェザーJr.氏の秘蔵っ子 カーメル・モートン(17=米)が同興行のスーパーフェザー級6回戦に出場、エゼキエル・フローレス(27=米:4戦全勝3KO)に初回 1:48 TKO勝ちでデビュー戦を順当に勝利。