【スーパーフライ級】ボクシング世界王座:リアルタイム状況チェック | ボクシング・ダイアローグ

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世界王座を取り巻くリアルタイムの現状おさらい Part.4「スーパーフライ級」

 

 

【WBA】

 

王者:井岡一翔(34=志成:29勝15KO2敗1分)

 

昨年末の2団体統一戦で引き分けたジョシュア・フランコ(米)と今年6月にダイレクトリマッチを行い、判定勝ちで王座獲得。

 

その再戦が決定する前の時点で、WBOから中谷潤人(M.T)選手との指名戦を指令されていたものの、フランコとのリマッチを選択してWBOを返上、WBAに鞍替えして王者に返り咲き。

 

フランコ初戦の時から、クラス最強と目されるWBC王者ファン・エストラーダ(メキシコ)との対戦希望を口にしており、現在も交渉を継続中のようですが… 続報の類がパッタリ途絶えているため、状況は不明。

 

キャリアもそろそろ大詰めということで、今後について本人は統一路線やビッグネームとの対戦をセレクトして行きたい旨のコメントをしており、今しばらくは第一希望のエストラーダ戦に絞り込んで次戦を模索するものと思われます。

 

WBAランキングは、1位は空位、2位は12戦全勝8KOのジョン・ラミレス(米)、3位は元世界3階級王者の田中恒成(畑中)選手、4位は元世界4階級王者のローマン〝チョコラティート〟ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)、5位がルー・ビン(中国:プロ3勝1敗ながら、デビュー2戦目にWBAライトフライ級王者カルロス・カニサレスに挑んで11ラウンドTKO負け)という順位で、確か指名挑戦権保持者はいない筈。

 

1勝1分のフランコは井岡戦後に引退を表明=ラバーマッチの可能性もナシ、となると井岡陣営は、エストラーダ側との交渉がまとまらなかった場合は恒例の年末に選択防衛戦を行う考えでいるのでは?と推測。

 

 

【WBC】

 

王者:ファン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ:44勝28KO3敗)

 

19年4月にシーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)に判定勝ちで世界3階級制覇と共にWBC王座を獲得、21年3月にチョコラティートとの2団体統一戦を判定で制し、WBA王座を吸収。

 

のち、WBCは自ら要請してスライドされたフランチャイズ王座が消滅した流れで、WBAは剥奪(エストラーダ側は返上と主張)でそれぞれ失い、昨年12月にチョコラティートとの空位の王座決定戦に判定勝ちでWBCを再獲得。

 

エストラーダも、昨年大晦日の井岡vsフランコ第1戦の観戦に来日した際、井岡選手との対戦を望んでいると発言、両者が口約束を交わしたという報道もありましたが…

 

ただ、市場の中心のアメリカもしくは日本開催を望む井岡サイドに対し、エストラーダ側は地元メキシコでの試合を希望しているといった話もあり、そのあたりも交渉のネックになっているのか、先述のとおり進展中との情報は聞こえて来ない状況。

 

エストラーダとしては、2勝1敗のチョコラティート(12年11月の初戦はチョコラティートが3ー0判定勝ち、21年3月の8年越しのリマッチはエストラーダが際どい2ー1判定で雪辱、昨年12月のラバーマッチもエストラーダが僅差の2ー0判定で連勝)との第4戦などvs井岡より他にも注目を集め、稼げる札に幅があるため、かなりの好条件でなければ井岡戦に応じない可能性がけっこう高そうな気も。

 

WBCも指名挑戦権を持っている選手はいない筈ですが、ランキングは1位がチョコラティート、2位が嘗てTKOで退けている元王者のカルロス・クアドラス(メキシコ/帝拳)、3位が元WBCライトフライ級王者のペドロ・ゲバラ(メキシコ=八重樫東、木村悠の両氏、寺地拳四朗選手と対戦)、4位シーサケット、5位は元世界4階級制覇のドニー・ニエテス(比)という順。

 

取り敢えずは井岡戦が正式決定するのかどうか、注目点はそこに集中。

 

 

【IBF】

 

王者:フェルナンド・マルティネス(32=亜:16戦全勝9KO)

 

昨年2月、V9中のジェルウィン・アンカハス(比)を大差判定で下して戴冠、ダイレクトリマッチの初防衛戦でも同様に明白な判定で前王者を退け、最新試合は今年6月、全勝の強打者ジェイド・ボルネア(比)に11ラウンドTKO勝ち。

 

実績豊富なエストラーダ、井岡の両王者に比べると駆け出し王者の位置付けになるのは仕方ないにしろ、攻防兼備の好選手だけに、このままキャリアを積んでいければクラスのトップ争いに絡んで来る可能性は大。

 

本人は既に統一戦などビッグマッチの要望を口にしているものの、他の3団体王者の動静からして少なくとも次戦は通常的な防衛戦=当面は実績の上積みになりそうな感。

 

IBFも1位・2位は空位で指名挑戦者ナシ、3位が田中選手、4位がチョコラティート、5位は元ミニマム級王者で井岡選手&中谷選手と対戦しているフランシスコ・ロドリゲスJr.(メキシコ)の順。

 

誰とやっても好勝負しそう&エストラーダのようにマッチメイクは難しくはなさそうにつき、マルティネスには井岡、中谷、チョコラティート、田中といった日本勢との対戦確率が高いイメージがありますが、どうなるでしょうか。

 

 

【WBO】

 

王者:中谷潤人(25=M.T:25戦全勝19KO)

 

今年5月の最新試合で、井岡選手が返上した王座を元WBA王者アンドリュー・モロニー(豪)と争い、12ラウンドTKO勝ちで獲得&WBOフライ級に続く2階級制覇。

 

次戦は9月18日:寺地拳四朗vsヘッキー・ブドラー&那須川天心デビュー2戦目と同じ興行で、9位 アルヒ・コルテス(メキシコ)を相手に初防衛戦。

 

決定戦での戴冠&初防衛戦が選択試合ということもあり、コルテス戦をクリアした後は指名戦の指令が来そうですが…

 

WBOランキングは1位に田中選手、2位にチョコラティートの元複数階級制覇者、3位に中堅的なエドゥアルド・バカセグア(メキシコ)が名を連ねる一方、4位に24戦全勝16KOのデビッドクエジャル(メキシコ)、5位に16戦全勝13KOのKJ(ケビン・ジェイク)カタラハ(比)といった新鋭がランクされており、日本基準でなくとも今後の新勢力台頭の予感大。

 

(田中選手は、前戦のvsパブロ・カリージョは挑戦者決定戦ではなかったながら、試合後は当時の3位から1位にランクアップ、実質的な指名挑戦者となっている形)

 

個人的には、既にスーパーフライ級の軸は中谷選手になりつつあると考えているので、まずは来月のコルテス戦の内容の濃い勝利に期待しています。