【ライトフライ級】ボクシング世界王座:リアルタイム状況チェック | ボクシング・ダイアローグ

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世界王座を取り巻く現状おさらい part.2「ライトフライ級」

 

【WBA&WBC】

 

王者:寺地拳四朗(31=BMB:21勝13KO1敗)

 

次戦は9月18日:東京・有明アリーナでWBCの指名挑戦者(1位)ヘッキー・ブドラー(35=南アフリカ:35勝11KO4敗)を相手に WBA2度目、WBC3度目の防衛戦。

 

圧勝で矢吹正道(緑)選手からWBC王座を奪還、京口紘人(ワタナベ)選手を下して2団体を統一後は、今後の目標をライトフライ級の4団体統一と明言。

 

(ブドラーとの指名戦に応じたのもタイトル維持のため=4冠統一を諦めていないから、とコメント)

 

もともと4月の前戦はWBO王者 ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)との3団体統一戦だったのが、ゴンサレスのマイコプラズマ肺炎発症により試合の2週間前に急遽キャンセル。

 

(試合はアンソニー・オラスクアガをピンチヒッターに立てて行われ、9ラウンドKO勝ち)

 

もしゴンサレス戦が予定どおり行われ、そして勝っていたら4月の時点で3団体を統一、うまくいけば9月にプドラーとの指名戦をはさんでも年内に4団体統一戦の可能性があった訳で、その点は仕方ない事情とはいえ不運。

 

寺地選手が次戦を落とす確率はかなり低そうながら、交渉の状況が伝わって来ないだけにブドラーに勝った後の統一路線の実現率がどれくらいなのか、部外者が予想するのは困難な感。

 

陣営としては、ブドラー戦を怪我なくクリアして年末あたりにIBFかWBOどちらかの王者と3団体統一戦、来春ころに4団体統一戦という青写真を描いている?と推測しますが…

 

同時に寺地選手はウェイト維持の限界も口にしており、統一路線がスムーズに進まないようであればフライ級に上げ、目標を2階級制覇に切り替えることにも言及。

 

個人的には、機運の高まりに乗り一気の4団体統一達成を期待していますが、何れにしても先ずは9月のvsブドラー勝利が大前提の話ですから、ここをしっかり決めてほしいところ。

 

なお、WBAの方も元王者で1位のカルロス・カニサレス(ベネズエラ)が指名挑戦権を保持しており、ブドラー戦に勝った後、今度はWBAから指名戦を指令される可能性も無きにしも非ず?

 

 

【IBF】

 

王者:シベナティ・ノンティンガ(24=南アフリカ:12戦全勝9KO)

 

昨年9月のエクトル・フローレス(メキシコ)との決定戦に判定勝ちで空位の王座を獲得後、7月にレジー・スガノブ(比)を判定で退けて初防衛したばかり。

 

前戦を終えてまだ間もないということもあり、次戦以降の具体的な話も聞こえて来ず、今は日常的な練習をこなしながら試合に備えている状況と思われます。

 

昨年12月、名古屋で田中恒成(畑中)選手と対戦したヤンガ・シッキボ(南アフリカ)に付き添って来日しているものの、その際も寺地サイドと接触・交渉したという話は聞かれず、どういう意向を持っているのかよくわからない感じです。

 

なお、IBFのライトフライ級は、1月に挑戦者決定戦と銘打たれた試合で前WBC王者の矢吹正道(緑)選手がロナルド・チャコン(ベネズエラ)に11ラウンドTKO勝ち。

 

指名挑戦権獲得と思いきや、この一戦は挑戦者決定戦のセミ(準決勝)に事後変更?されたようで、矢吹選手のIBFランキングは現在2位=オフィシャルチャレンジャーではナシ。

 

仮にノンティンガの次戦の対戦者に選ばれたとしても、5月の左アキレス腱断裂のトラブル後、現在はまだリハビリ&軽い練習を再開した段階と報じられており、少なくとも年内~来年早々あたりの復帰は難しそう。

 

寺地選手にとっても、4団体統一に必要な2戦のうちマッチメイクが難しいのはたぶんノンティンガの方では?と思われるので、そうした意味でもこの先の進路が気になるところです。

 

 

【WBO】

 

王者:ジョナサン・ゴンサレス(32=プエルトリコ:27勝14KO3敗1分1NC)

 

21年10月にエルウィン・ソト(メキシコ)に判定勝ちで王座獲得、昨年11月のV2戦で岩田翔吉(帝拳)選手を判定で下した後に寺地戦が決まったものの、先述のとおり急病でキャンセル。

 

病気はもう既に治癒している筈ながら、復帰戦に関する音沙汰は未だなく、鳴りを潜めている状態。

 

vs寺地の話の復活という意味では、いったん正式決定している経緯からして再マッチアップは充分に可能なのでは、と思われるものの、実際は…?

 

WBOに指名挑戦権を持つ選手がいたかどうか、ちょっと忘れてしまいましたが…

 

現状、1位はWBCと同じくブドラー(9月の寺地戦に敗退ならWBOもランクダウンする筈)、2位はIBFと同じく矢吹選手(上述のとおり、復帰にはまだ暫く時間を要する見込みで、仮にゴンサレス陣営からオファーされても受けられない筈)、3位は昨年ゴンサレスに敗れている岩田選手、という順。

 

なので復帰戦で上位との指名戦、というのはなさそうな感じですが、通常の防衛戦=選択試合になるのか、或いは寺地選手との3団体統一戦の再交渉が水面下で進んでいるのか、その動向の新情報には注意しておきたいところです。

 

 

結局ライトフライ級は、ざっとチェックする限りでも寺地選手が完全に抜けたポジションにいるのが明白で…

 

やはりこのクラスの注目ポイントは、4団体統一の機運が再び流れ出すかどうか、そこに集約されるのでは。