10月7日(日本時間8日)
シェフィールド・アリーナ:英イングランド・シェフィールド
◇WBA世界フェザー級タイトルマッチ◇
王者
リー・ウッド
(35=英:27勝16KO3敗)
vs
挑戦者7位/前IBF同級王者
ジョシュ・ウォーリントン
(32=英:31勝8KO2敗1分)
マウリシオ・ララ(メキシコ)にKOされ明け渡したタイトルを、今年5月のダイレクト再戦に判定勝ちして奪還したウッドは、それ以来となる2度目の王座の初防衛戦。
一方、これまでIBFの同級王座を2度獲得しているウォーリントンは、昨年12月の前戦でルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に判定で敗れ王座陥落、今回は再起戦と共にWBAに鞍替えして返り咲きを狙うリング。
結果は ウッドが 7ラウンド 3:00 TKO勝ち。
[今日の昼間の時点で動画サイト上にフルラウンド版の映像が見つからず、DAZNのハイライトを視聴]
序盤はウッドが時おりサウスポーにスウィッチを交えて前に出るも、ウォーリントンも持ち味の手数で応戦して盛り返し、3ラウンドからは連打で挑戦者が優位に立つ展開。
ハイライト視聴につき全体的なことはわからないものの、粗っぽくガンガン行くウォーリントンの前にウッドが後手に回っている感じで、実際6ラウンド終了時点での採点は 59-55×2、58-56 でジャッジ3者ともウォーリントンのリード。
ウッドには厳しい流れで迎えた7ラウンド、ウォーリントンの右フックがラビットパンチとなり、レフェリーが試合を中断して減点1を通告。
動じない挑戦者は再開後も引き続き前進、しかしラウンド終了間際、サウスポーにスイッチしたウッドの右フックがモロにヒット、腰砕けになり動きの止まったウォーリントンにすかさず王者が畳みかけ。
そして連打の最後の右フック→ 左フックの返しが決まると、ウォーリントンは仰向けに倒れ込み大の字にダウン、すぐに立ち上がったもののダメージは深く、フラフラ歩いて相手コーナー前でカウント進行。
リングに背を向けたまま振り向かず、ファイティングポーズも取らないウォーリントンにレフェリーがTKOを宣告、ラウンド終了と同じタイミングで試合の幕切れ。
1期目の王座を獲得したシュ・ツァン(中国)戦、そして劇的決着だったV1戦のマイケル・コンラン(アイルランド)戦を思い出させる、ウッドの勝負強さがまたもや発揮された形での結末。
打たれ脆い弱点を抱えながらも打ち合って痛烈に倒す試合を何度も演じ、一流の王者ではなくても注目を集められる選手、ということで、自国圏内の人気は相当なものの筈。
大部分の英国選手と同様に自国から出ない&マッチルーム傘下ということで、今後も対戦相手は同国人(いわゆるイギリス=イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4国)主体のマッチメイクになると思われますが…
ウッドには、本来なら今日の試合はWBAから指令されている1位 オタベク・コルマトフ(25=ウズベキスタン:11戦全勝10KO)との指名戦になる筈だったのを、特別承認を得てウォーリントン戦を行った経緯が。
特別承認の条件として、WBAはこの試合の勝者に対し120日以内にコルマトフとの防衛戦を行うよう義務付けており、それに従うならばウッドの次戦はコルマトフ以外にナシ。
ただ当のウッドは、今回の試合前から「自分は既に35歳で、フェザー級に留まることは簡単ではない。スーパーフェザー級なら間違いなく今より強くなれる」とウェイトアップを示唆、フェザー級維持なら目標は統一戦、或いはコンランとの再戦になる可能性にも言及。
これまでの流れからして、コルマトフとの指名戦に応じなければ王座剥奪は確実の筈ですが、どうやらウッドの意向はスーパーフェザー転級に傾いているらしく、上手いこと統一戦が纏まりでもしない限りフェザー級王座は返上し、ウェイトアップする確率が高い模様。
[因みに、他のフェザー級王者は WBC:レイ・バルガス(メキシコ)WBC暫定:ブランドン・フィゲロア(米)、IBF:先述のロペス、WBO:ロベイシ・ラミレス(キューバ)で、国籍的には全て英国圏外]
で、もし返上となれば、コルマトフvs順序からしておそらく2位のレイモンド・フォード(24=米:14勝7KO無敗1分)による決定戦になる筈。
他方、スーパーフェザー級の4王者の中には、同じマッチルームのマネジメント下にあるIBFタイトルの保持者 ジョー・コルディナ(英)が存在。
ウッドがクラスを上げた場合、英国人同士&マッチルーム傘下同士なだけに、実現の可能性が非常に高そうなことは部外者の目から見ても明らか。
日本とも関連性の低くないクラスでもあり、これからどういう方向に動いていくのか注目しておきたいところです。