私にはとてもやさしい会社の先輩がいた。

私にはわからない私について、出会って間もなく色々見抜かれたんだと思う。

思い返すと、やさしさがしみてくる。

 

先輩はもう、この世にはいない。

4年前の9月16日に彼岸に渡ってしまわれた。

今年、私は彼と同い年になる。

そしてようやく、彼の生まれた、そして眠る故郷に、お墓参りに行けることになった。

 

コロナで、入院中に、お見舞いに行けなかった。

一度、病院の中庭から、テレビ電話をかけてくれた。

お痩せになったな、と思った。

でも、このままお別れになるとは、思っていなかった。

 

東京を引き払う時、「会えなくてごめん」とLINEをくれた。

「謝らないで」としか言えなかった。

 

だんだん、LINEのお返事が間遠になって、お辛いのだなぁと感じていた。

でも、9月12日の私の誕生日には、「お誕生日おめでとう!」とメッセージをくれたから、安心した。

そして、翌日にも、「お誕生日おめでとう!」とメッセージをくれた。

「なあに、大事なことだから2回言ったんですか?」と返事をしたが、それきり彼からの返信はなかった。

 

9月17日の夕方、彼と私のさらに先輩であるYさんからお電話が来た。

人生で初めて受けた、ともだちの訃報だった。

 

Iさんは、先輩だったけど、私のことを「ともだち」だと、確かに言ってくれたと思う。

たくましさもあったけれど、繊細だった。優しい人だった。賢い方だった。いろんな話をした。

いろんなことを教えていただいた。

奇遇だが、このブログの最初の記事にも、Iさんのことを書いていた。

一緒に年をとるって、疑っていなかった。

 

Iさん、私、どうしたらいいかなぁ。あなたがいなくなってから何度かそう思ったけれど、

またそう思って、あなたの不在を痛感しているよ。

いろんな人に相談しているよ。だから大丈夫だよ。

でも、あなたがいたら、真っ先にあなたに相談していたと思うから、寂しいんだ。

あなたが言っていたことで、今更、ああ、そうだったのか、って思うことが色々あるんだ。

私、馬鹿だから、全然わかってなかったよ。

 

会いたいなぁ。お墓じゃなくて、あなたの故郷を、あなたと歩いてみたかったなぁ。

きっといろんな話をしただろうなぁ。。。。。