今回は、年齢や性別、季節に合わせた使うべき保湿成分の目安についてのお話しです。


年齢・性別ごとの肌状態の変化と、それに合わせた使うべき保湿成分の目安をまとめました。


細胞:肌の水分を保持する細胞の量
皮脂:皮脂の分泌量
周期:細胞が入れ替わる周期
H:使うべきヒューメクタントの目安
E:使うべきエモリエントの目安

赤字が過剰、青字が不足を表しています。


まず、細胞量です。
細胞量は加齢に伴い女性・男性ともに減少していきます。
細胞量が減少すると肌の水分保持力が低下するため、どうしても肌が乾燥しやすくなります。

💡加齢に伴い、保湿効果の高いヒューメクタントに切り替えることや、エモリエント・脂質タイプを取り入れるようにすることで乾燥を防ぎましょう。

また、基本の肌の水分量は女性より男性のほうが少ないため、若いうちからでも保水効果の優れたヒューメクタントを使うようにすると良いでしょう。



次に、皮脂量です。
女性と男性では皮脂量の変化に違いがあります。

女性の皮脂量は10代〜20歳にかけてピークを迎え、その後は徐々に減少します。40歳頃から皮脂が減ったと感じる人が多くなるでしょう。

男性の皮脂量は10代〜20歳にかけて大幅に増え、さらに30歳にかけてピークを迎えます。その後も皮脂量が多い状態が続き、60歳頃から徐々に減少します。基本の皮脂量は女性より多いです。

女性・男性とも、10代では皮脂量が急増することでどうしてもニキビ(思春期ニキビ)が発生しやすくなります。肌もまだ未熟でデリケートなので市販品をあれこれ試すと刺激で悪化しやすいため、皮膚科にかかることをおすすめします。


皮脂量は、さらに季節によっても変化します。

皮脂の分泌量は多い順に、
8月・9月
7月・10月
6月
5月
4月・11月(標準)
3月・12月
1月・2月
となります。

夏と冬では2倍ほど皮脂量が変化するというデータもあるようです。

💡油分の補給は、年齢・性別によってだけでなく、季節によっても調節するようにしましょう。



最後に、細胞の入れ替わり周期です。

肌の細胞は、
肌の内部で生まれる→時間をかけて育ちながら肌の表面に上がる→肌の表面にとどまって肌のうるおいを守る→肌の内部で新しく生まれた細胞に押し上げられ、目に見えない垢となって自然にはがれる
という入れ替わり(=ターンオーバー)がなされています。

10代はこの入れ替わり周期が早すぎることと皮脂量が多いことが相まって、角栓ができやすくなります。(毛穴対策についてはまたの機会に。)

20代は理想の周期です。
30代からは徐々に周期が遅くなることで、どうしてもニキビ跡やシミが残りやすくなっていきます。日頃の睡眠や運動などで代謝を良くすることも大切になります。

また、年齢があがるほど周期が遅くなるため古い細胞がはがれていかず、肌がごわついたり、スキンケア用品の成分が浸透しにくくなります。不要な角質を取り除くケアを取り入れるのが有効となるでしょう。



このように、
年齢や季節などによって肌の状態は変化します。

よく肌タイプの分類がありますが、
自分では脂性肌や乾燥肌だと思っている人も、実は普通肌であることが多いです。

もちろん、遺伝的な体質で生まれつき脂が出やすい人(脂症など)、生まれつき乾燥しやすい人(アトピーなど)もいます。

でも、普通肌の人がなんらかの要因で一時的に脂性肌っぽい肌状態になっていたり乾燥肌っぽい肌状態になっていたりしているだけのケースが圧倒的に多いです。
生まれつき乾燥しやすい肌質の人が一時的に脂性肌っぽい肌状態になっているだけのケースもあります。

本来の脂性肌ではない人が脂性肌向けの皮脂抑制アイテムを使い続けたり、本来の乾燥肌ではない人が乾燥肌向けの油分を使いすぎていたりすれば、肌の調子が悪くなるのも納得ですよね。

角質ケアのアイテムもそうです。

使うべき人が使えば効果があるアイテムでも、本来使うべきではない人が使ったら自分で自分の肌機能を壊しているのと同じことなんです。


だから、
💡肌状態は変化するものだということを認識し、変化に合わせてスキンケア用品も変えることが大切になります。

本来の肌質・年齢・環境が違えば、どんなスキンケアが効果的かは本当に人それぞれですからね。




さて次回は、

じゃあなんで普通肌の人が乾燥肌っぽい肌状態になっちゃうの?
という話と、対策についてお話ししていきます。



皆さんの肌悩みが真に改善されますように🌟