「100均」から見る、近代化とその弊害 | Kommentar of Creative!!

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「100均」って、安くていいですよね。

最近は「えー!こんなものまで100円なの?!」というようなモノまで売ってます。

「安かろう悪かろう」ではなく、安いのにそれなりのクオリティを実現していますね。

この安さのヒミツを解き明かすキーワードとして挙げられるのは「近代化」

今日はその近代化、フォーディズムについて見てみましょう。


中世から、民主的社会・産業社会へと変わっていくことを近代化といいます。

近代化では、合理化や資本主義化も行われます。


そこで近代化のなかで特に活躍したのが、ヘンリー・フォードです。

彼はベルトコンベア方式などの大量生産システムを確立させました。
それによってコストダウンに成功、富裕層の贅沢品だった車を「一家に一台」レベルまで普及させたのです。

何よりすごいのが、単に安く車を売っただけではないのです。
当時850$だった車を490$にしたのもすごいのですが、従業員の1日の最低賃金が2$から5$まで上昇したのです。

このような大量生産システムのことを、フォードの名前から「フォーディズム」といいます。



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一見、フォーディズムは誰にとっても得をする、すばらしいものに思えます。

しかし、本当にそうなのか?

ベルトコンベアー方式による作業の分担は、生産効率を上げる一方、作業の単純という側面があります。

作業が単純だということは、「職人」が作る必要がないということ。

つまり、アルバイトなど非正規雇用の人でも、簡単に務まる仕事なのです。


以前は「暗黙知」を必要としていた仕事が、上手く「形式知」とされ、マニュアル化された…とも言えますね。

(形式知・暗黙知についてはコチラ)


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「100均」が安いものを売れるというのは、以上述べてきたような「フォーディズム」が関わっているのでしょう。

もちろん海外の工場で作る(=人件費等削減)という一面もあるのでしょうが。


ということで今回は、こじつけ気味で近代合理化およびフォーディズムについてでした!


ではでは、あでゅ~