<8/9日の続きです>
秋田での生活のスタートはなんとか
切れました。
一番気になるのはパパの病気です。
東京で紹介状を書いてもらっていたので
秋田で新しい心療内科に
通う事になりました。
東京で処方してもらって
いたお薬をこちらでも
同じように処方してもらい、
様子をみて、違うお薬も出してもらいました。
夫は薬を飲んでいて安定していると
いっても、外に出ようとしません。
飲んでいる薬に眠くなる作用のあるものも
あり、運転も控えていましたが、
車を運転するという行為が
夫にとっては負担だったのです。
私は、この時まだ免許を持っていなかったので、
買い物や外に出かけるときはその都度
義父に車をだしてもらっていまいした。
夫は、朝ごはんを食べると、薬を飲んで、
そのまま、寝てしまいます。
そしてお昼に起きて、また寝て、
夕飯を食べて、寝る、
起きていても、何もやる気が出ないらしく、
必然的にふとんに入って、寝てしまうのです。
それでも、その時の夫にとっては、
それが一番、落ち着く、と言っていました。
心療内科の先生に、私は言われていました。
これは、パニック障害の人を持つ家族すべて
に言えると思うのですが、
「頑張ってやってみたら、」とか、「もっと頑張れ」
と言う言葉は本人が追い詰められて、
なんの効果もないと言う事なのです。
本人がやる気がないなら、やらせなくていいし、
本人がやりたい事をそばで見守る。
こういうスタンスでいてくださいと。
これはともて難しいですが、急がば回れなのです。
私は、そばにいて、先生の言ってる意味が
よくわかっていました。
だから、はたから、みたら、寝てばっかりいる、
と思われても、今は夫は、こうすることで
気持ちが楽になっている、と言う事がよく
わかるので、私は、夫に、一言も「起きて、
散歩でもしたら?」というような言葉をかけた
事はありません。
でも、まわりは違いました。
特に義父は「あんなに寝てばっかりじゃ、
だめなんじゃないの?少しでも外にでるとか、
散歩に行くとか、したほうがいいんじゃない?」
パニック障害という病気は、誤解されやすい
病気です。
私は、義父だけでなく、他の人にも
「あんなに寝てばかりじゃ、駄目だと思う。
プールに連れていったり、本人が
いやでも、あなたが、引っ張って、連れて
行ってあげたら?やる気がでると思うよ」
というアドバイスをもらいましたが、
私は先生の言う事を守っていました。
それでも、周りが同じようにアドバイス
してくるので、
あるとき、自分が責められているような
気分になり、一人で、考えているのが
辛くなり、私の夫の接し方は夫を甘やかしえて
いるだけなのか?と思うようになって
しまっていました。
ある日、夫の心療内科の診察日に、
普通は夫の診察が終わると、
二人で診察室から出てきますが、
この日は、私だけ、少し話が
あるので、夫に先に待合室で
待ってもらい、先生に自分の気持ちを
話してみました。
でも、最初は話が切り出せないのと
周りの人にいろいろ言われるストレスで
イライラしていたのだと思います。
先生に、ぶっきらぼうに、
「先生、主人はこのままで本当に
よくなるんでしょうか?」
と、少し、震えた口調で切り出して
しまいました。
先生は唐突な質問に、少し戸惑って
おられるように見えましたが、
「どうしてそう思われたのですか?」
と返事をしてくださいました。
私は、はっとして、
周りの人にこういう風に言われ、
私は、どうしたら、いいか、わからなくなってきました。
私は主人を甘やかしているだけなのか?
もっと、外に連れ出したり、少しでも
やる気がでるように、働きかけるべきなのか、
考えるようになってしまった・・。そう
話しました。
すると先生は、やさしく、私に問いかけました。
「他の人は意見は別として、奥さんはどうしたいですか?」
先生の問いかけに、少し考えてしまいましたが、
私は、正直に答えました。
「私は、いまのままでいいと思っているんです。
だって、主人が心が落ち着いて見えるからです。
夫は外から見ると、怠慢のように見えるけど、
病気を発症した時にくらべたら、顔も
穏やかだし、外に出れなくても、私達
家族と楽しそうに会話もしてくれるし、
今のままでいいと思っているんです。
私から、こうしてほしいって思った事は
ありません。でも、まわりに、もっと
こうしたほうがいいって言われると
つらいです。。
夫は東京で苦しんでいる時に比べたら、
目に見えて、よくなっているんですから・・
」
私は、話しながらいつのまにか泣いて
いました。
先生は、だまって聞いていました。
そして、しばらくして口を開いてくれました。
「奥さん、それでいいですよ。今のだんなさんに、
こうしたほうがいい、と言うのは逆効果です。
よく、がんばっていますね。えらいですよ・・
まわりの人にいろいろ言われても、今のままで
いいんですよ。ついらいかも
しれませんが、もし、つらければ、ここにきて
しゃべってください。」
辛いことはしゃべると楽になる。
それを痛感した。
私は、先生の前で、声を出して、泣いてしまった。
そして先生のアドバイスは的確でした。
この後、それを実感する事になります。
<つづく>