心理カウンセラー&
新良妻賢母のすすめ認定講師
愛されまみーですおねがい



町内の通り道に咲く紫陽花。



前回の記事よりつづき



いつ抜けるかわからない
延々と続くトンネルを
ただ前を歩く、
あえて
考えることをせず
ただ歩いている、

そんな私の目の前に
いきなり
眩しい光が射して
かすかに
トンネルの出口がみえたような

そんな気持ちか。



隣のおばちゃんとは
通路ですれ違うと
挨拶を交わす程度の関係。


しかし
マンションとは名ばかりの
ボロい建物。


息子と私のやりとりなんて
つつぬけだったのだろう。


私が仕事から戻ると
長男がボソッとつぶやいた。



「明日、バイトの面接に行くよ」


と同時に
お隣さんがやってきて



「お宅の息子さん、
どうも家にずっとおるようやし
アルバイトでもしたらいいと思って
悪いけど勝手に
配送会社のアルバイト募集しとったから
応募して、
明日面接してくれることになったから。

私からも
いい子やからぜひ採用してと
言うとるから大丈夫よ!」



一気にそう言うと
さっさと帰ってしまった。



私はカミナリにうたれたように
そこに
呆然と突っ立っていた。



こんなことってあるんだな、




それしか
言葉が思い浮かばなかった。


かくして
長男はネコのマークの配送会社へ
お中元シーズンのアルバイトとして
採用されることとなった。


そのときのことはよく覚えている。


そのときのことを書いた記事



お中元シーズンのバイトが終わる頃
続けて働かないか?と打診があり

いちおう入社試験も受けて
入社式にも出て
そこのパート社員として採用となった。


実はこのとき
16歳で運転免許も持たない長男を
パート社員で採用することに
本店は難を示したのだが
長男のバイト先の支店の責任者の後押しで
許可されたんだということを
ついこの前
本人からきいた!!

そんなことだったとは
マジで知らんかったわ。


そんな事情もあったから
なおさら
本人もやる気だったと思う。


それからの長男は
欠勤をしなかった。


雨の日も風の日も
台風の日も
雪の日も
出勤してたよね。


あの少し前の
なんのやる気もなさそーな
長男と
同じ長男とは思えないくらい。


なにはともあれ
よかった。



精神的にも
会社での大人たちとの関わりや

配達という仕事上
いろんな人たちと

たとえ玄関先だけのやり取りだとしても
そこになんらかの関わりがあるわけで

そういうことを通じて
世の中というか、
社会というか

自分が知らなかった世界を感じることで
ずいぶんと成長した部分が
あったんじゃないだろうか。




そして何より


働くこととか
そういったことを経験して

自分は役に立つ存在だと
いうことが

自覚できたというか
自信がでてきたというか

そんな感覚を
持てるようになって
きてたんだろうなと思う。




それだから
あのとき
長男は
私にむかって
あの言葉を叫ぶことができたのかなあと
なんかそんな気がする。



あのとき
長男があの言葉を
叫ぶことができたことは

長男にとっても
とても
よかったんじゃないかと
ずっーーと思っていた。



心のなかに
ずっーーーと閉じ込めてた
叫び。



あれは
彼の心のなかにある
パンドラの箱が開いた瞬間だったのだ。


ああ
きっとそうだ。


彼は少しづつ
自分に自信を持てるようになり

また
自分の周りの人間も
信じることができるように
なったのだ。



自信を持つって
そういうことなんだろうな。



自分のことを信頼できる
自分を大丈夫だと
信じることができるようになる、

それは同時に
自分の周りの人間に対する
信頼感とか

自分がどんな自分でも
許してもらえるという、

なんというか
甘え?というのか

そう、頼る甘える、
そういったことができる自分
にもなってるって
ことなんじゃないか。



だから
あのとき
彼は叫べたんだろう。



あの言葉を
吐き出せてよかったと
すごく
そんな気がしてた。


吐き出す自信が
できたってことだったんだよな。


あのとき
息子が叫んだ言葉。



「どうせ俺なんか
死ねばいいと思っとるやろうが!」


「どうせ俺なんか
いなくなればいいと思っとるやろうが!」


「どうせ、どうせ、どうせ俺なんか!」



目に涙をいっぱいためて
涙声になりながら
私にむかって叫んだ言葉。





衝撃だった。




そんなこと
息子が生まれてから
1度も思ったこともない。



どんなに
腹が立っても
可愛くないと思っても

死ねばいいなんて
思ったこともない。

思うはずがない。



ましてや
そんな言葉を

言ったこともない。
言うはずがない。




なのに
なんでそんなことを…




驚愕の言葉だった。





しかしだ



しかしだ



その言葉こそが
私の心の中に閉じ込めた
私の叫びだったなんて…


まさかの
びっくり仰天だよね。

このことは
また
長男の話とは別に
書いていこうと思う。



そんなことが
ありながらも
長男は私が再婚するまで
ずっとそこで働き続けた。

3年以上になっていたと思う。


つづく

長いけど(笑)



♪゜・*:.。. .。.:*・♪*:.。. .。.:*・♪゜・*:.。. .。.:*・♪*:.。. .。.:*・♪ 


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