そんなやり取りをしていると
隣の部屋に住んでるKさんがやってきた。

「あのね、お母さんには先に相談もせず悪かったけど、息子さんずっと家にいるみたいやから、アルバイトでもしたらいいんじゃないかと思ってさ、息子さんと話して決めたよー」

「家にじっといるより、アルバイトでもしたらお母さんも助かるしさ、いいバイトがあったから早いほうがいいと思ってね」

「明日は面接。息子さんはわかってるからよろしく。
アルバイト先は、◯◯◯◯ヤマトやけ」

これだけを一気にしゃべると
隣のKさんは戻っていった。


私は、ありがとうございます、ありがとうございますと何度も何度も頭を下げることしかできなかった。


本当にあまりにも突然だった。

長男にも成り行きを聞いてみた。

誰かドアをノックするので出てみると、電話の子機を片手に隣のKさんが立っていて
いきなり、アルバイト募集してるところがあるから あんた明日面接受けなさいと
言われ、ふいに子機を手渡され、わけわからずも話しをする状況に追い込まれた、ということだった。

長男は何も抵抗していなかった。

こんな夢のような出来事を、彼は待っていたに違いない。

いや、長男だけでなくみんな待ち望んでいたことだ。

これは、全く私たちに関係ない第三者からだったから長男は受け入れたんだと思う。

長男は宅配便の配達の助手としてトラックに同乗するアルバイトをすることに決まった。




いつ終わるか わからなかった


長いトンネルの出口がみえてきた。


長男が17歳の夏のこと。











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