定時制に入学して、最初に働き始めたときに携帯電話を欲しがったので、
自分で支払うことを条件に 私の名義で契約した。

しかし、すぐに辞めたので携帯電話代は払えなくなった。
またバイトして返すからという約束だったが、なかなかバイトをしようとしないので、解約した。
いや、休止したのかな、たぶん。

その年の年末にアルバイトをしたときに
一度か二度だけは払えたが、また払えなくなった。

たぶん、休止するまでの料金を
1回か、2回は私が払ったが
あとは払わなかった。
なので、いくらかが未払いのままになり 再請求書、督促状が何度もきた。
そして、電話も時々かかってきた。

初めの頃は 私の名義だからということで
私が 支払い請求の電話を受けていた。
で、事情を話して、私が、アルバイトを始めたら払えるからもう少し待ってほしいと本人の代わりに返答していた。

ちょっと記憶があいまいだが、最初は私名義の携帯を持ったが、
払えなくなると休止の手続きに何度か行ったのは覚えている。
途中、本人名義で私が保証人として手続きしたような記憶もあるし、
とにかく、その携帯は長男が使っている以上、自覚を持ってほしかった。


長男は、私から勝手に携帯を休止されて
とても腹を立てていたが、
払えないくせに 素知らぬ顔をして
使いたい放題使っているのをみると
頭にきたし、私が払って当然ぐらいに
思ってるのかと思うと、なお許せなかった。

しかし、督促状に裁判になるみたいなことを書かれていると
親の責任として払うべきだろうな、と悩んでいた。

未払金に利息がついて、かなりの額になっていたと思う。

当時働いていた自動車販売店の店長に
何気にぼやいていると
払ってやらなくていい、と言うではないか。

この店長さん、私より年下だが
小学生までは親のいう通り優等生で、習い事づけの日々にだまって従っていたが、
中学、高校と反乱をおこし、めちゃめちゃ非行少年だった経歴の持ち主。

おまけに人生相談が好きなようで。

そう言われて、
親としては当然子供のしでかしたことの責任はとらなくてはいけないじゃないか、
と反論したが、

「子どもに甘いなー」

と言われてしまった。

そう言われても よく解せなかったが
店長の人生経験で培ったであろう、その意見に従ってみることにした。
そして、店長のいう通り 払ってやらない方針で長男と対峙することにした。

それからは、電話会社から督促の電話が
かかってきたら
すぐ、長男に代わると決めた。

最初は先方は、親の私と話したがったが、
(保証人か、名義人のどちらかだからね)
いえ、本人と代わります、とキッパリ言って
長男を強引に電話口に出した。

自分でどうするか考えて返事しなさい、
と 丸投げしてみた。

いきなりで、最初はすごく戸惑っていたが
知らん顔していたら

「今バイト探してますから、給料もらったら ちゃんと払いますから待ってください」

そう答えていた。

なんだ、わりとちゃんと答えられるじゃないか、とちょっと安心したような。


ひとつきに一度は必ず督促電話があったが、絶対に長男にかわった。

次第に長男もあきらめたのか、自覚が出てきたのか、しっかり答えていた。

最後には10万円くらいになっていたんじゃなかっただろうか。

一年間位は経っただろうか?ちゃんとアルバイトを始め出して
長男は2万円づつ、利息がつきながらでもきちんと完済した。

あの時のことを長男と少し話したことがあるが、長男にとっては
「あれがよかった」ということだ。

親にとっても 子どもにとっても、
試練の出来事だったなあ。