毎朝「起きなさ~い」と言わないで起こさなければというのが頭のすみっこに。

しかし ついつい もうそろそろ起きないとね、という時間になると、寝てる部屋まで行ってしまう。

思わず「起きなさい」と言いそうになるのをぐっと飲み込んで…でも起きてくれ~!と心の叫びが。
「お、オハヨー!」

「オハヨー三男く~ん、もう朝だよ~♪朝だ朝だーよ♪」などと歌いつつ 三男に抱きついて

揺さぶりながら頬ずりしてみる。


「起きなさい」って言わないようにとばかり考えてたら

部屋まで起こしに行ってるのに、「起きなさい」という言葉さえいわなければいい、

みたいになってます、私。


そーじゃないでしょう、お母さん。


わかってますけど、今まで「起きなさいよ~」と言って

部屋まで行って起こしてきたのに

急には無理です。

起こしてる方も起こされてる方も。

とは思いませんか?


で、都合よくアレンジ。

てなわけで、「部屋まで行って頬ずりスキスキ攻撃」作戦。


はい、作戦名のままに、

「三男くん、大好き大好きだいすき~~」と抱きしめる。

そうやってると、三男のほうからも「三男もお母さん大好き!」といって

両手を伸ばして抱きついてくる。


その日は時間の余裕が少しあったので

膝に乗せて向かいあって「だいすき~~」といってぎゅーっと抱きしめたり。

そして抱きしめながら

「三男はいい子だね、とってもいい子だよ。

お母さんは、言うことをきかない三男も、おりこうさんの三男も

どんなときの三男もぜーんぶ大好きだからねー、いい子だいい子だいい子だ~~」

って背中をやさしくさすって。


あ~~、長男にはこんなことしてやることができなかったなあ・・

次男にだってここまではやってない。

ほんとは、どんな子供だってお母さんにこうしてもらいたいに決まってる。

私だって、母からこんなふうに抱きしめられたかったんだ、きっと。

そう思いながら三男を抱っこしてると、

心が不思議な想いでいっぱいになって。

優しさっていうのよりもっと深い感覚、

慈愛っていうのか、そんな想いがあふれてくる感じがした。


すると、抱きしめられてた三男が

すすり泣いてる。

そして次第に小声で「えーん」と、涙をぽろぽろこぼしているではないか。


そのときは、何で泣いてるのか聞かなかった。

ただ、優しく手でそっと涙をぬぐってやった。

なにか不安な気持ちを抱えてたのかなあとかおもいながら

「さ、着替えようか」と声をかけた。

三男はとても素直に、私の手をとって元気よく部屋を出た。


保育園へ行きがけの車中で三男が唐突に

「あのね、きよみ(保育士さん)も泣いたんよ」と言った。

「なんでかね?きよみが泣いたの、みよったん?」と私。

「うん。きよみは、大人にやさしくされたけ泣いたんよ」


このときも、私はなんで三男は急にそんなこと言い出したのか

わからなっかたけど、

自分が朝、私の膝の上で泣いた理由を教えてくれたのかな、と思う。


そう、お母さんがすっごく優しく抱きしめてくれたからって。


私のあのときの溢れる想いが伝わったんだ。


「起きなさい」っていわないで起こそうとしたら

予期せず、こんな素敵な朝が。


朝は、「すきすきすき~」と言って抱きしめながら起こす。

これ、いいかも。