事故ってしまう1週間か、10日位前だったか


覚えてないけど


「クラブ」のホステスさんをやってみようかと


面接に行った。


そして事故る何日か後が初出勤の予定だったのだ。



離婚して子供かかえて


稼ぎのいい仕事といえば


一番に水商売、っていう感じもするけど


私は自分にはそういう仕事は向いてないと思っていた。


子供はまだ5歳と3歳で


親と同居っていうわけじゃないから


夜の仕事はする気もなかった。



薬局の仕事にも慣れてきて


もうちょっと稼ぎたいって欲がでたのかな。


朝の8時過ぎから出勤して夕方5時半まで薬局勤務して


夜は9時くらいから働くつもりだったのかな?


細かいことは思い出せないけど


せっかく新しい人生をスタートしたことだし


未知の世界を経験しといてもいいかも、なんて


わりと軽い気持ちで


電話かけたような気がする。


やたらチラシに募集広告が載っていて


初心者歓迎とか、制服貸与とか書いてあった。



そのころ私はショートカットで


背は高いほうだからスタイル的にはまあまあだったろうけど


性分的には男性に愛嬌ふりまいて


上手を言えるようなタイプじゃないのに


なんでそんなこと思いついたかと思うけど


ただ単にやってみたかったんだろうな。


面接した男性から、その髪はあんまりだと


言われたのと、お客さんから触られたりするようなことも


ありますが・・・と言われ


最初は時給1600円といった話をしたと思う。



しかし、事故の翌日から


腕が上がらなくなってしまった。


ハンドルもったままぶつかったので


そのせいだろうか。


首はなんともなかったが


薬袋に患者さんの名前を書かなきゃいけないのに


肘を曲げるのも必死だった。


でも病院には行かなかった。


仕事休めば給料がその分減ると思うと


よっぽどじゃない限り休もうと思わなかった。



なんで事故なんか、と思ったとき


ホステスとかやってみようなんてしたから


死んだ母がやめなさいって言ってるのかもって


本気で思った。


きっとそうにちがいないと


断りの電話をした。


そんなわけでホステス経験は未遂に終わってしまった。



もしあのとき、ホステスしてたら


私の人生は今と違っていたかな?


やっぱり私には無理だと辞めてればいいけど


変にハマッてしまって、


ろくでもない男に出会ってたりしたら


たぶん全然違っていただろうな。


私自身は、してみたりしなくてよかったと思う。


事故してなかったら初出勤してただろうけど


事故ってしまったってことは


そういうことだったと思う。



そんなこんなで離婚して最初の年が暮れようとしていた。