その仕事は、彼女の後輩が勤めている


調剤薬局の薬剤師の手伝いと受付、請求事務だった。


薬剤師と他は二人で


その一人が後輩の女性で


もう一人が退職するので、急募しているとのこと。


勤務地がかなり遠いという理由で


彼女は断ったばかりだったようだが


勤務地と私が引っ越すところがとても近いとわかって


とにかく私もその話がほんとにありがたく


急いで連絡をとってもらうことにした。



いよいよ職安に行って仕事さがさなくてはと


思っていた矢先の出来事で


天から仕事が降ってきたような気分だった。


職安にはどんな仕事があるのか、


子供が小さいし、なかなかみつからないのではと


とても不安だった。


調剤薬局の事務員してると言っても


聞こえは悪くない。


いよいよ仕事なかったら、


工事現場の日雇い人夫みたいなこともする覚悟だったし。


それと、一番希望だったのは


まだ正社員では働けないから時給のパートがいいと


思っていたのだが


それも希望通りだった。



雇い主には、正直に


離婚をして、5歳と3歳の子供がいることや


保育所からの呼び出しがあったときなど


すぐに迎えにいかなくてはいけないので


仕事中に急に早退したりと


迷惑をかけてしまうことなどを


後輩の女性に伝えてもらうようお願いしていた。



翌日位に連絡があったとおもう。


面接いたしますって。


よかった。


面接もされないで断られることだって


充分ありえるのに。




面接の日まで一週間ほど。


次は家探し。


これも、実家のマンションの隣の賃貸マンションに


空きがあるのを父が見つけて


そこの大家さんにある程度交渉してくれていたようで


私が申し込みに行くと


あなたのお父さんしっかりされているので


お父さんが保証人なら貸しますと


いう事になった。


あとで知ったけど、母子家庭だと


民間のマンションやアパートとかはほとんど


大家さんから断られるらしい。


父に感謝。




家賃三万八千円で


八畳、四畳半、三畳の和室と


三畳ほどの台所に玄関、あと風呂場、トイレ。


でも昭和30年後半頃に建ったらしく


かなり古い。


14年住んでた間、何度も引越しを考えたけど


引っ越さずじまいだった。


住んで八年くらいの頃だったろうか


定かじゃないけど


かなり揺れる地震があったとき


(震度3くらいまで揺れたのでは?)


そのマンションの通路の壁とか


一階が駐車場だったのだが


天井の一部が崩れ落ちたりして


マジで倒壊寸前の老朽化した建物だったと思う。



とにかく、住む家も実家のそばにあって


あとは、子供の保育所を探すだけ。


これは役所の福祉課だったかな。


幸い、近くの公立の保育所に空きがあり


すぐに入所手続きした。


このとき、役所の窓口の若い女性の対応が


とても横柄で不親切だったので


頭に来て文句言ってやったら


急に態度がちっちゃくなったことを覚えてる。


その時思った。


私はこんなとき、文句とか


言うことのできないタイプだったのに


文句言えるようになってるなあって。



離婚を経験して


その時、その時思ったこと、感じたこと


なんでも相手にちゃんと言わなきゃ


そのことで喧嘩になっても、


それを避けてちゃ


お互いわかりあえるわけないんだってことが


心底、身にしみているんだなって感じた。