僕は昔は落語とは笑わせるものだと思っていたのですが、こうして聴いてみると改めて幅の広い奥の深いものだなと。
まずは「七段目」(しちだんめ)。
七段目とは、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の七段目のことで、お芝居好きの若旦那が主人公です。
ですから、歌舞伎で「仮名手本忠臣蔵」の五段目、六段目、七段目を観たことがあるとより愉しめます。
米團治師匠が歌舞伎を演じて噺を進めるわけですから、これは難易度の高い芸だなと感動しました。
お次は「軒付け」(のきづけ)。
これは浄瑠璃好きな男が出てきて、これまた忠臣蔵の四段目の噺が出てきます。
「下手な浄瑠璃で味噌が腐る。」という今では使わない音痴への悪口が分からないとサゲが分からない。
それが分かるようにという解説的なものも一切なかったです。 これまた落語マニアは喜ぶけれど、素人にはまったく分からない形で終わったなと少々驚き。
最後は「足上がり」(あしあがり)。
これは芝居噺で、これで三席すべてが上方落語のお芝居繋がりという構成でした。
「足が上がる」とは「解雇される」という意味です。 これまた現代人の素人にはちょっと分からない。
大変面白かったです。
噺というものは、話し方が上手ければいいというものではないとないなと痛感しました。
名人芸堪能させていただきましたし、勉強させていただきました。
素晴らしい独演会でした。
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