東映/NET/横山光輝 ジャイアントロボ 特撮ヘッド | 特撮PROP COLLECTION

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特撮ヒーローのマスクや小道具などについて呟いて行きます。



某、企業のオークションに「東映/NET/横山光輝 ジャイアントロボ 特撮ヘッド」
なるものが出品されていました。
40万スタートで、52万にて落札されました。








テレビ撮影で実際に使用されたもので、頭部に亀裂と急ごしらえの補修跡、
左耳付け根にも亀裂、顔の左半面にも亀裂と補修跡があります。
また全体に細かな傷があり、耳穴のスポンジには穴が開いています
(おそらく音が聞こえるようにわざと開けたものと思われますが雑です) 。
しかしこの撮影での使用感はまさにGR1の歴史であり特撮実写作品における
遺産でもあります。
怪獣ブームの中でも巨大ロボットとして頑丈で壊れそうもない硬質さを
感じさせてくれた魅力的なロボットです。
エジプトのスフィンクスやファラオの棺をモチーフにしたと思われる
特色あるヘッドでロボットをデザインした横山光輝先生のセンスはすごいです。
今なおファンの多い特撮テレビ番組の名作で「もしロボットに心があったら」
といういつの時代でも不変のテーマにも挑んだ涙の最終回は語り草です。
この記念碑的な名作のプロップをお手元にどうぞ


との説明文、、。

ジャイアントロボのオリジナルは、造形家の原口智生さんが
「足で踏みつぶして捨てた」とご本人がおっしゃっていたので、
現存していない筈です。



こちらの画像は過去にイヌクマさんから出ていた等身大フィギュアの頭部
けっこうファニーフェィス(^_^;)
今回の出品物とは全くの別物です。

では今回の出品物のマスクをオリジナルと比べてみます。
(下の画像はオリジナルのマスクです。)





色々な相違点が見られます。

1. 額の剃り込み的な部分の深さ。
 オリジナルは影を見る限り、かなり段差があります。

2. 目の彫りの深さや、処理。
 目の形はけっこう直線的で、丸い形の目をはめ込んであるので
 少し隙間が出ています。
 目尻の処理も異なっています。

3. 耳の角度。
 もう少し頬に対して真っ直ぐ付いている感じがします。
 付き位置も、もう少し上です。

4. 口の開きと幅。
 オリジナルはもう少し口の幅が広く、頬のラインの近くまで
 開いています。

5. 赤いライン
 実物はもう少しまばらな感じで、もう一段ぐらい低い位置にあります。
 一番上のラインもけっこう頭頂部ギリギリにあります。

当時のジャイアントロボはガラスクロスのマットで作られていたと
聞いた事があるので、材質も違っています。

非常に良く出来たレプリカマスクです。

「で、結局これは何か?」というと、




こちらです!!




レプリカマスクの発売予告として、ハイパーホビーに掲載された記事です。



ダメージ具合もわざと付けてあると言う一点もの。
全く同じなのが分かります。



知っている人は知っているのですが、知らない方も多いようなので
ブログに書かせていただきました。

何件か、「本物ではない」という抗議はあったらしいですが、、。
一応、有名な企業のやっているオークションなので、訂正した方が
良かったと思います。
こう言う物を売買している以上、目利きで無いという証明にしかなりません。
実際、当時のオリジナルだったらこの金額では済まなかったでしょうね。

ある意味、限定の後期版ダメージバージョンとしての価値はあると思います。
落札された方が納得して落札しているなら何の問題もありませんけど、、。

このマスク、有名芸能人の方が所有していた筈なんですが、、(^_^;)
同時出品の「ジャイアントロボ 頭部復刻プロップ シリアルNo.00」が
流出している事を考えると、やはり、、、。