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タクシーはさらに何キロか走り、無事港湾ターミナルへ着いた。
結局、1時間以上もタクシーで走り回った計算になる。
『いくら?』タクシー代を精算するために尋ねてみた。さすがに最初の約束のままでは申し訳がなかった。
『30000Manat。』600円か...乗った距離はそうでもないが、彼自身が色々と手を尽くしてくれたし、こんな時には気持ちよく精算してもいい。
『スパシーバ。』
ドライバーに現金を渡して、港湾ターミナルへ入る。
ガラス張りの綺麗なロビーには、誰もいなかった。それどころか、チケットのカウンターもない。
再び表に出て、前に止まっている別のタクシーに声をかける。
『キップ、船。』
最初、何を言っているのか判らないようだったが、さらにテュルクメンバシュという地名を口にしたとたん、建物の左手を指さした。
そこは従業員通路のようなドア。前まで行って指さすと、タクシードライバーはうなずく。
そーっと、ドアを開けると、ごく普通にチケットを売る窓口が4つほど並んでいる。これじゃ、初めて来る人間には分からない。
窓口にいるおばさんに『トルクメニスタン』と言うと、入ってこいと手で合図する。
『テュルクメンバシュ。』
そう伝えると、
『45ドル、パスポート。』
と返ってくる。とりあえずパスポートを渡すと、なにやらチェックしているが、見つからないようだ。
『ビザ?』
とりあえず空港でもらった、この国のスタンプが押されたページを開くが、そうじゃないという風に首を振って、
『トルクメビザ?』
と言い返してくる。
『ニエット。パー テュルクメンバシュ、ゲットオンアライバル。』
英語混じりでそう伝えると、パスポートを投げ返してきた。
ビザがなければチケットは発給できない、そういうこと。
これで、トルクメニスタンを抜けることは不可能になってしまった。