FaOI金沢公演が今日から始まりますが、
ちょっと気になる言葉をいろいろ耳にしたので、
そのことに関して思うことを書いてみようと思います。



少し重たい内容になってると思います。

しかも答えはないです。




まずはこちら、FaOI幕張のインタビューの言葉から。


「あの、なんか変な報道ありますけど(苦笑)、
僕は全然関与していないですし、
びっくりしました。

羽生結弦って知らない世界の人もいるんだなって思いました」




羽生くん自身もびっくりしてた
「羽生結弦って知らない世界の人もいるんだな」
って言葉。


この時、喋ったのは、
クリケットに移籍したメドベージェワに関して
憶測が憶測を呼ぶような記事がたくさん出てたから、
そのことからこういう発言になったんでしょうけど。


こうしてやんわりと茶化して言葉にしてくれるくらいならいいんですけど、
また1人心痛めてないといいんですけど。



CiONTUの時も最後の挨拶で

「何喋っても何か言われるし、
ただ滑っただけでも何か言われるし」

って言ってたし。


言葉にして
気持ち吐き出して
少しでも楽になってくれたらいいんですけど。



それから昨日の金沢のリハでも
ローカル放送の動画を上げてくれてる方がいて、
その中で羽生くんが金沢の印象を訊かれてこう答えていました。


「実は全然僕ホテル以外行かないので、
残念ながらあんまり、なんだろう、いろんなところに行けてないんですけど、
ただ兼六園とか金沢のお城とかいろんなところに興味があるので
行けたら行きたいなと思ってます」


ちょっと聞いていて切なくなってしまいました。


行きたいところに思うようには行けない羽生くん。

一般人なのに、
アイドルでもないのに、
こんなに有名人になってしまったから仕方のないことなんでしょうか⁇


いつも注目のマトの羽生くん。


数々の報道や
SNSでの取り上げられ方や
世間からの注目のされ方なんかを見ていて、


【透明な檻


という言葉が頭をよぎりました。



透明な檻の中に居る気分になってるんじゃないのかな?
って心配になってしまいました。




タイトルにもした『透明な檻』というこの言葉は
この冬放送されたドラマ『FINAL CUT』の中で出てきたものです。


主演は亀梨和也さん。


もちろん私は毎週欠かさず見ていました。



このドラマ、
亀梨くん演じる主人公がメディアの被害者で、
そのメディアに復讐しようとする内容になっていました。

復讐劇としては物足りなさも感じたりしていたのですが、
メディアに一石を投じたような内容にはなっていたと思います。


母親が無実の罪を着せられて
メディアに連日報道され
それに耐えられなくなって命を絶ってしまうという
そういう過去を持ち、
そういう悲しみを背負った主人公を見事に演じていました。


そんな主人公のセリフだったのです。


「連日報道される。

それがどういうことかわかるか?

透明な檻」


このドラマが放送された当時は、
この言葉の意味が誰よりもわかるのが
他でもない亀梨くんなのでは
と思いながら見ていました。



そして、
羽生くんもまた
この言葉の意味が誰よりも感じられるに
違いないですね。


何喋っても何か言われるし、
滑っただけでも何か言われるし、
全然関与してないのに変な報道がされるし、
きっとどこに行っても注目されるだろうし、
透明な檻というものを
誰よりも感じても不思議ではありません。



透明な檻



私は想像することしか出来ませんが、
それでも、もし、自分がその中に居ると感じたら、
神経が1日と保たないんじゃないかと思いました。

半日で気が狂うんじゃないかと。


ドラマの中の話だけど、
主人公の母親は追い詰められて死を選んでしまったし、

ほじくり返したくはないけど、
羽生くんも…。



きっと正気ではいられなくなってしまうんでしょう、
透明な檻の中じゃ。



心を傷つけて
心を壊してしまう。




どうしたらそんな透明な檻を感じなくなってくれるんでしょう⁇



後を絶たない過激な報道や
真偽の区別なく拡散されるSNSを
見ない聞かないようにするしか
すべは無いものなんでしょうか⁇



このドラマ、最終回で
誤った報道をしたメディア側に謝罪を要求した主人公と
それを受け容れることを良しとしないメディア側の人間とで
こんなやり取りが交わされました。


主人公「そうやって無かったことにするんだよな、あんたらは。
都合が悪くなると途端に触れなくなる。
結局あんたらは特別だと思ってる。
何を大声で騒いで、何を黙るか、自分たちが決められる、
そういう特別な力があると思ってる。
だけど、傷つけられて黙っている人達がいることを忘れるな」


Mr.メディア「もちろん忘れていない。
いつも瀬戸際で悩む。
だが我々の仕事は世間の人々の知りたい、
面白い、に応える。
それが全てだ。
それが間違ってると思わない。
むしろ皆、何が面白いと言えずに綺麗事だけが正論としてまかり通る、
そんな社会の方が問題だと思ってる」


主人公「もう皆、一方的にただ受け取る時代じゃない。
情報は手に入る。
それぞれが面白いことは自分自身が見つける。

せめて見せてみろ。
あるべき姿を。
沈黙してる人の声を聞く。
何か伝えることで人の心を動かす
そういうのが役目だろう?

今のままで本当に胸張れんのかよ!?
過去を正して未来を見せろ。
使命を果たせ、Mr.メディア」




ドラマの中の話だけど、
ドラマの中の話だけど、

それは重々わかっているけど、

それでも、

沈黙してる人の声を聞いてくれたり、

何か伝えることで人の心を動かしたり、

過去を正して未来を見せてくれたり、

する局が、そんなメディアがもしあれば、
ってそんなことを心のどこかで思ってしまう私がいます。


それこそ綺麗事だと思ってるし
ドラマの中のことだとちゃんとわかってます。


わかってますけど、
それでももしかしたら、
ってちょっと願ってしまうのはいけないことなんでしょうか?

期待してしまうのは虚しいことなんでしょうか?



メディアのあるべき姿というのは
どこにあるのでしょう?


それから、
それらを受け取る側の個々のあり方も
どうあるべきなのでしょうか?



メディアだけに限らずSNSで情報が入り乱れているこの時代、
私たちは何をどう受け止めるべきなのでしょうか?



何をどうやって取捨選択すべきなのでしょうか?



答えは出ませんね。



答えは出ないけど、
とにかく考えさせられました。



深く深く考えさせられました。




透明な檻



について。






朝から重たい気分にしてしまってすみません。

しかも今日からFaOI金沢始まるっていう時に
水を差すような内容ですみません。


まとまらない記事、
答えの出ない記事なのに
最後までお付き合いくださって、
本当にありがとうございました。



金沢公演の3日間の成功を
お祈りしています。




(お写真お借りしました)