市寸島比売命(弁財天) ~交易・誓約の神・出会いの神さま~ | 神さまの本音・御利益だけでは解らない神々の気持ちと本来の御加護

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気軽に神社参拝を推奨するブログです。知りたい神様リクエストしてくださいね。

日本の神様って漢字ばかりで意味不明ですよね。文字から噛み砕いて解説してます。

古事記・日本書紀を元に
神名解説とスピリチュアルを融合してお話します。

 今回は「市寸島比売」についてお話をしていきたいと思います。宗像三女神としては何度か取り上げましたが一柱としては書いていませんでしたので改めて書くことにしました。かなりメジャーな神様ですし知らない方のほうが珍しい神様ですよね。色々と語られつくされている神では有りますが、一般的なお話と違うお話をしていきたいと思います。

宗像大社

~市寸島比売とは~

 宗像三女神の一柱であり、宗像大社で祀られている祭神の一柱です。また厳島神社でも祀られていますし、弁財天としても祀られています。面白い話では、この神様、神仏習合により弁財天とも言われ、弁財天を辿っていくとインド・中東・ヨーロッパまで行ってしまう神様です。

 今回は神仏習合の神名については余りにも膨大になるので『古事記・日本書紀』での市寸島比売を中心に取り上げていきます。

 

今回は文面が長い為

記紀解読による

結論を言います!

♡弁財天抜きの解釈です♡

市寸島比売の本質

『誓約の神』

交易を盛んにし航海の安全を守る神』

『店舗に多くの人を集め

賑やかに繁栄させる神』

巫女的な存在

奉納演芸を司る存在

 

【神名】

市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)(古事記)

狭依毘売命(さよりひめのみこと)(古事記)

市杵島姫(いちきしまひめ)(日本書紀六段本書)

瀛津島姫命(おきつしまひめこと)(日本書紀六段一書一)

瀛津島姫(おきつしまひめ)(日本書紀六段一書一)

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)(日本書紀六段一書二、六段一書三)

市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)(神祇本紀、地祇本紀)

佐依姫命(さよりひめのみこと)(地祇本紀)

 

【神仏習合による別神名】

弁財天(べんざいてん)(仏教)

弁財天・・・起源はインドです。その後世界各地へ広がっていきます

サラスヴァティー(ヒンドゥー教)"聖なる川、サラスヴァティー川の化身”

アナーヒター(Anāhitā)(ペルシア神話)(ゾロアスター教)サラスヴァティが起源とされる。

金星神(ゾロアスター教・ペルシア七曜神)

観音菩薩(大乗仏教)・・・アナーヒターが起源とされる。

イシュタル(バビロニア)

アナイティス(古代ギリシャ・古代ローマ)

キュベレー(リュディア(古代ギリシア紀元前7世紀 - 紀元前547年))

アルテミス(リュディア(古代ギリシア紀元前7世紀 - 紀元前547年))

 

【神格】
航海の神
水の神
海の神

道の神

誓約の神

商売の神

芸事の神

財福の神

龍神(弁財天習合による)

 

子守の神(根拠不明)

祓いの神(根拠不明)


【御利益】
航海安全、交通安全、富貴栄達、金運・財運向上、商売繫盛、学業成就、芸事上達

 

 

~市寸島比売・漢字と音から読み解く~

【漢字から読み解く】

いちしまのみこと(参照 漢字ペディア


ほんのちょっとのしまを

人が多く集まり

にぎやかになるように

三姉妹仲良く治める役を

仰せつかった女性の

 

よりのみこと

狭い場所で

たよられ

助ける

職を仰せつかった

 

と解釈できます。漢字の意味だけでみると朝鮮半島との貿易の間にある島に祀られた神です。航路が賑わって交易が盛んになるように望まれたのではないでしょうか。

 

【音から読み解く】

(参照:國學院大學古事記学センター

 

壱岐島と共に

天照大御神に仕える事を

仰せつかった女性の

 

「市寸」の読みはイチキ・イツキの両説があります。イチキ・イツキどちらの説も、斎(いつ)き島の意と考えられています。神霊を斎き祭る島であることに由来する説があります。島に関しては、大島(中津宮)の地から沖ノ島(沖津宮)という説、イチキシマを壱岐島とする説が有ります。

安芸国佐伯郡の伊都伎島神社(厳島神社)も本来は、市杵島姫命を祭ったとする説もあり(現在は三女神を祭る)創祀は定かでないですが、島の神を祭る共通点が有ります。

 

≪音まとめ≫

 これらの説から、イチキ・イツキ⇒神霊を斎き祭る島⇒”神(天照大御神)に仕える”となり、市寸島⇒壱岐島(いきのしま)となります。

 

厳島神社(横浜)

 

~市寸島比売、派生する話~

1.天孫邇邇芸命の養育係えー

記紀には記載が無く根拠が解りませんでした。故にこれを根拠とする『子守りの神』という記載も根拠が見当たりません。

 

2.瀬織津姫と市寸島比売が同一神びっくり

 別神です!

 大祓詞(神道)を元に『川に居られた』という句からの解釈らしいです。『川に居られた瀬織津姫=市寸島比売』とは、市寸島比売が神仏習合で弁財天(川の化身・サラスヴァティ)と同一視されているからできる発想です。因みにサラスヴァティは、『織=機織・布・衣服等』に関連したお話は有りません。

 

【瀬織津姫とは】

 神道五部書で伊勢神宮内宮別宮荒祭宮の祭神の別名が「瀬織津姫」であると記述があり『神社司庁(伊勢神宮)によると荒祭宮の祭神は、天照大神の荒御魂』としています。つまり『瀬織津姫=天照大神の荒御魂』ということです。機織工房と田畑を運営していた天照大御神ですから荒御魂がこのような神名に成ったのでしょうね。

 ※瀬織津姫と市寸島比売を同一視してしまうと、天照大御神の荒御魂と市寸島比売が同一になり記紀で書かれていることが崩壊してしまいます。

 

3.神屋楯比売命と市寸島比売が同一神えー

別神です!

古事記にも神屋楯比売命は語られており同一神とは書かれていません。

 

4.上記の論から大国主大神の妻ガーン

違います!

古事記に神屋楯比売命が大国主大神の妻と書かれているので大国主大神の妻、市寸島比売と言われていますが間違えです。1~4を肯定するととんでもない事になります。

 

5.弁財天と神仏習合により同一神照れ

習合でなく融合では?

神仏分離により神仏習合時に『弁財天』を祀っていた神社が『市杵島姫命』を祀るようになった。摂社等で『弁財天』『龍神』等を祀っている場合もある。

 

【私見】

市寸島比売と習合の根拠。

弁財天(サラスヴァティ)は、

『川の化身』であり

⇒『川を交易路』と見立てた。

『水と豊穣の女神』で、

⇒『水(海)と豊穣(交易による豊かさ)の女神』と見立てた。

『流れるもの全て(=言葉・弁舌や知識・音楽)の女神』です。

⇒『イチキ・イツキ』は『神を祀る・祭る行為全般』で奉納演芸(音楽等)や祭事(知識・弁舌)が行われる

などを見て、同一視されたのではないかと思います。

 

中尊寺弁財天堂

岩手県平泉

本音!市寸島比売命的神格~

 以前訊いた神格についてのお話もこちらに再度記載しておきます。こちらの方は、神格について”市寸島比売命”の本質(本心)の部分で語って頂いたものです。『海・水・道』まではお役目的な部分が多いのでしょうね。神格(命・役目)で話されておられます。

 

海の神   

海のこと全般。でも生物は微妙。大漁にはできるけど魚を育てるのは向いてないわ。人と海との関わりを守護します。船舶・海底資源なども範囲ですね。

 

水の神   

水の利用に関してが得意。現代で言えば上下水道・水路とかですね。

 

道の神   

道の作成ってより道中の守護・道の保護ですね。

 

財福の神 

人との関わりが得意なの。だから人対海・水・道って感じ♪それが滞りなく良好な感じになると富になる。そういう意味で財福ですね。

 

芸能の神 

上記でも言いましたが人間関係が好き。人を集めるのも好き。だから芸能・水商売・興行とかも好き。それらを盛り上げていくのが好き。ですから得意ですよ。

 

~市寸島比売から一言~

市寸島比売に一言、お願いしたくよろしくお願い申し上げます。

(こちらの方は神格・命(お役目)の部分が強くでていらっしゃるお話です)

 

「初めに、調べてみて解りましたが物凄くデタラメな事が流布されているのでビックリしました」

市寸島比売命 

「えぇ・・・。想像力豊かな人たちがいらっしゃいますね。人は信じたいものを信じるものです。致し方ありませんね」

「調べてみて意外だったのが、財福の神、芸事の神って言うのが弁財天習合によるものではなく市寸島比売命本来の命から来ているものだと言う事が解ったことです」

「龍神に関しては、流石に弁財天習合によるものだと思いますが・・・」

市寸島比売命 

「そうですね。龍神に関しては流石に元々のものでは有りませんよ」

「但し、神と言うものは、習合(融合)されて行くうちに、その神格を得てしまうものなのです。ですから、あながち間違えという訳でもありませんよ」

「ちょっと突っ込んだことを訊きます。記紀を読み説いていくと天照大御神以降の日本の神々は元々《人》だったのが故人となり崇拝され《神》となったと思うのですが?」

市寸島比売命 

「そうですね。合っています。伊邪那岐命・伊邪那美命については別ですね。その辺は成り立ちのお話なので大勢に影響は有りませんよ」

「はい。解りました。話を戻します」

「以前も訊いているので何を訊けばと思い考えていますが・・・」

市寸島比売命 

「そうね、詳しく読まれない方でもここを読めば解るぐらいには話しましょう」

「宜しくお願い致します」

市寸島比売命 

「芸能の神と言われ、水商売・風俗等々にも理解は有ります。でもね、不倫とか不条理なことは無理なの。そこは絶対です」

「あ~わかります。不倫の神様なんていませんよね」

市寸島比売命 

「えぇ・・・。いないわ。ましてや、私達三女神は、誓約(うけい)で生まれた神ですよ」

「あ・・・ある意味、どの神々よりも誓約とか契約・約束には厳しい神ってことですよね」

市寸島比売命 

「その通りです。ですから商売の神とも言われるのですよ」

「縁結び・恋愛とかは・・・どうですか?」

市寸島比売命 

「もちろん、交友・交遊も範疇ですよ。まずは出会いからってことですからね」

「はい。わかりました」

市寸島比売命 

「芸事・芸能については、芸を磨く方向か、人気取りの方向か、両方か、整理して祈願してくださいね」

「いずれも範疇ってことですね」

「弁財天として祀られていることについてお聞きします」

市寸島比売命 

はい、弁財天で祀られている場所で願っても、市杵島姫命として祀られている場所で願ってもそんなに変化は有りませんよ。但し、弁財天で祀られている所で祈願した場合は、サラスヴァティさんも影響しますよ。私達は別々の存在ですからね。意味が同一視されているだけで存在は別なんですよ」

「ん!?っていうことは・・・弁財天をお詣りする=市寸島比売+サラスヴァティってことですか?」

市寸島比売命 

「そうですね。日本に於いてはそうなります」

「あのぉ・・・ついでで失礼ですが、大黒天と大国主大神とかも同様ですか?」

市寸島比売命 

「はい。同様です。習合された神々に関しては、同様と思って頂いて構いませんよ」

「わかりました。有難うございました。最後に一言お願いいたします」

市寸島比売命 

「はい。昨今、海の情勢が不安定です。皆々様、真剣に考え、行動してくださいね」

「相手が見つからず恋愛をしていない人達へ。是非試しに、祈願してみてください」

 

~中締め~

 色々と市寸島比売のことをお話してきました。詳しい事は下記を参照してくださいね。ここだけは押さえておきたい!と思われるところは最初の方に書いたつもりです。とても身近にいらしゃる神様ですから是非、知識として入れて置いて頂ければ幸いです。

 

水面に映りこんだ中尊寺弁財天堂

 

~より詳しく市寸島比売を知ろう!~

古事記から見る市寸島比売~

 天照大御神と須佐之男命とのうけい(誓約)において、天照大御神によって須佐之男命の身につけていた十拳剣を食べて生まれ須佐之男命の子となった三女神(多紀理毘売命・市寸島比売命・多岐都比売命)の第二柱です。これ以外の記載は有りません。

 

日本書紀から見る市寸島比売~

『天照大神と素戔嗚尊とのうけい(誓約)において』と『天照大神によって行われた事で生まれた』という部分が共通しています。

 

市杵島姫(いちきしまひめ)(日本書紀六段本書)

天照大神によって素戔嗚尊の身につけていた十握剣を食べて生まれ素戔嗚尊の子となった三女神(田心姫・湍津姫・市杵嶋姫)の第三柱です。

 

瀛津島姫(おきつしまひめ)(日本書紀六段一書一)

天照大神によって天照大神の身につけていた十握剣を食べて生まれた子を、瀛津嶋姫という。また、九握剣を食べて生まれた子を、湍津姫という。八握剣を食べて生んだ児を、田心姫となづけた。皆で三柱の神である。天照大神の子となった三女神瀛津嶋姫第一柱です。

【他の記紀にはない記述】

日神(天照大神)が生んだ三柱の女神を、筑紫国に降らせられた。そして、この三柱の女神に、

「汝三神は宜しく道中に降居まして、天孫を助け奉りて天孫に所祭られよ」と言われた。

【原文「汝三神、宜降居道中、奉助天孫而爲天孫所祭也」】

 

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)(日本書紀六段一書二)

天照大神によって素戔嗚尊の身につけていた八坂瓊曲玉を食べて生まれた、三女神(市杵島姫命・田心姫命・湍津姫命)の第一柱です。(どちらの子かは記載なし)

 

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)(日本書紀六段一書三)

天照大神によって天照大神の身につけていた十握剣を食べて生まれた子を、瀛津島姫命、またの名を市杵島姫命という。また、九握剣を食べて生まれた子を、湍津姫命という。八握剣を食べて生んだ児を、田霧姫命となづけた。皆で三柱の神である。天照大神の子となった三女神市杵島姫命第一柱です。

【他の記紀にはない記述】

日神(天照大神)がお生みになられた三柱の女神は、葦原中国の宇佐嶋に降らせられた。今、北の海路の中にお出でになられている。これを名づけて道主貴という。これが筑紫の水沼君の祭神である。

⇒これを根拠にしているのか宇佐神宮でも宗像三女神は祀られています。

 

【記紀・大社の鎮座場所】

宗像大社の社伝
奥津宮(沖津宮) - 田心姫神(たこりひめ)=多紀理毘売命
中津宮(中瀛)  - 湍津姫神(たきつひめ)=多岐都比売命
辺津宮 - 市杵島姫神(いちきしまひめ)

古事記(鎮座記載有り)

奥津宮(沖津宮) - 多紀理毘売命/奥津島比売命
中津宮(中瀛)  - 市寸島比売命/狭依毘売命(さよりびめ)
辺津宮 - 多岐都比売命/田寸津比売命

日本書紀六段本書
奥津宮(沖津宮) - 田心姫(たこりひめ)=多紀理毘売命
中津宮(中瀛)  - 湍津姫(たきつひめ)=多岐都比売命
辺津宮 - 市杵嶋姫(いちきしまひめ)
六段一書一
沖津宮 - 瀛津嶋姫(おきつしまひめ)=市寸島比売命
中津宮 - 湍津姫(たきつひめ)=多岐都比売命
辺津宮 - 田心姫(たこりひめ)=多紀理毘売命
六段一書二(お出になる場所の記載有り)
遠瀛(沖津宮) - 市杵嶋姫(いちきしまひめ)
中瀛(中津宮) - 田心姫(たこりひめ)=多紀理毘売命
海辺(辺津宮) - 湍津姫(たきつひめ)=多岐都比売命
六段一書三
沖津宮 - 瀛津嶋姫(おきつしまひめ)=市杵嶋姫(いちきしまひめ)
中津宮 - 湍津姫(たきつひめ)=多岐都比売命
辺津宮 - 田霧姫(たきりひめ)=多紀理毘売命

 

【備考】

島の場所は何処だろう?

沖津宮・・・宗像市・沖ノ島(宗像大社)/対馬かも!?とか私は思ってます。
中津宮・・・宗像市・大島(宗像大社)/壱岐島説有り/壱岐島説かなと私は思ってます。
辺津宮・・・海辺を指す

 

・・・読み:エイ・うみ/意味:①うみ。大海。 ②さわ(沢)。また、池や沼。

 

③日本書紀では宗像三女神の神名が色々変わります。また『奥(瀛)津島比売命(おきつしまひめ)』に関しては、記紀で記載が異なります。

 

◎多紀理毘売(たきりびめ)=奥津島比売命(おきつしまひめ)(古事記)

=田心姫(たこりひめ)=田霧姫(たきりひめ)(日本書紀)

 

◎多岐都比売命(たきつひめ)(古事記)

=湍津姫(たきつひめ)(日本書紀)

 

◎市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)(古事記)

=市杵嶋姫(いちきしまひめ)=瀛津島姫(おきつしまひめ)(日本書紀)

 

④天照大御神が天照大神となり、須佐之男命も素戔嗚尊と字が変わります。読みは同じです。

 

⑤出生の順序で沖津宮(長女)・中津宮(次女)・辺津宮(三女)となっています。古事記・六段一書二以外では場所の指定は有りません。

 

中尊寺弁財天堂

岩手県平泉

~市寸島比売命の本質を探る~

 記紀共に”島”という文字が有る通り島に由来した神であることは間違え有りません。三女神と兎角纏めて語られることの多い神ですが、この市寸島比売のみ”島”という文字が付けられています。

 他の二柱は、多紀理毘売命・多岐都比売命で”多”が共通、多岐都比売命は、”都”と”市”で意味合い的に似ている文字が使われ二柱共に”比売”です。長女である多紀理毘売命のみ”毘売”が使われています。”毘”は、助けるという意味がある文字ですから次女・三女を助けるという意味合いが込められているのかもしれませんね。

 

【島が付く意味】

 交易路の中間地点である長崎県・壱岐島(いきのしま:古事記では伊伎島)をイチキシマとする説もあります。他の二柱よりも、交易を繁栄させる神としての性格が強いのではと感じます。

 

【市寸島比売命の本質】

 本質は、誓約により生まれた神で尚且つ”市”の字が入っていることから『商売繁盛・誓約の神』で約束を守ることを重点に置いている神です。あと交易を盛んにして航海の安全を守る神』という事でしょう。

 ”市”と”比”いう文字から『仲良くして賑やかな神』でもあり、”寸”と”島”という文字から『小さな範囲』という意も取れますので、人の集まる市、小さな場所即ち、店舗。『店舗(寸・島)に多くの人を集め賑やかに繁栄させる神』とも取れるのではないでしょうか?

 また、『イチキ・イツキ』から”斎”という意味があり『神を祀る・祭る』という事柄から、巫女的な意味と奉納演芸的な意味が有ると思われます。

 

長崎県・壱岐島

 

~漢字から詳しく見る市寸島比売命の加護~

命(いちしまのみこと)(参照 漢字ペディア
ほんのちょっとのしまを人が多く集まりにぎやかになるように三姉妹仲良く治める役を仰せつかった女性の

 

朝鮮半島との貿易の中間地にある島に祀られた神です。航路が賑わって交易が盛んになるように望まれたのではないでしょうか。

 

意味・・・・・①いち。人が集まって品物などを売買する所。 ②まち。人が多く集まるにぎやかな所
なりたち・・・意符冂(けい)(かこい)と、音符之(シ)の省略形とから成る。物品を売買する所、ひいて「いち」の意を表す。

意味・・・・・①尺貫法の長さの単位。尺の一〇分の一。約三・〇三(センチメートル)。 ②長さ。 ③わずか。ほんのすこし。ちょっと。 ④き。馬のたけを測る単位。
なりたち・・・(=又。て)の下部に一点を加えて、手首の脈搏(みやくはく)をはかる意を表す。また、手のひらの付け根から手首の脈までの間を基準にして、長さの単位の一寸とする。

意味・・・・・しま。水に囲まれた陸地。
なりたち・・・山と、音符鳥(テウ)→(タウ)とから成る。海中にある「しま」の意を表す。一説に、会意で、山と鳥(とり)の省略形とから成り、渡り鳥が止まる場所の意から、波のあいだにうかぶ山、「しま」の意を表すという。

意味・・・・・①くらべる。てらしあわせる。 ②たとえる。なぞらえる。③ならぶ。ならべる。 ④たぐい。仲間。 ⑤ころ。ころおい。 ⑥同種の二つの数量の割合。
なりたち・・・人がふたり並んでいるさまにより、「ならぶ」、ひいて「くらべる」意を表す。

売・・・女性を表す表現

・・・その職務を仰せつかった神職務が無い場合は単に”神”と言われる。一般的には、尊・神・命は神を表す尊称。

 

よりのみこと(参照 漢字ペディア

狭い場所でたよられ助ける職を仰せつかった

意味・・・・・①せまい。せばめる。せばまる。 ②さ。語調を整える接頭語。
なりたち・・・犬と、音符夾(カフ)とから成る。心のせまい意を表す。転じて、空間が「せまい」意に用いる。

意味・・・・・①よる。たよる。よりかかる。 ②そのまま。もとのまま。 ③はっきりしない。ぼんやりしている。
なりたち・・・人と、音符衣(イ)とから成る。「よる」意を表す。

意味・・・・・たすける

なりたち・・・意符囟(しん)(ひよめき。田は変わった形)と、音符比(ヒ)とから成る。人のへその意を表す。借りて、たすける意に用いる。

売・・・女性を表す表現

・・・その職務を仰せつかった神職務が無い場合は単に”神”と言われる。一般的には、尊・神・命は神を表す尊称。

 

~最後に~

 今回は書くことが多く纏めるのに苦労しました。神々は色々な意味があるので一概に『ご利益』とか言えないのが実態です。神社仏閣等では一般の人に解りやすく記載していますが、本来はとても深い意味が御座います。気に入った神様がいらっしゃいましたら是非その神様だけでも構いませんので詳細を知ってみてください。

 

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