のんびり散歩をしてたら、わんこっぽい鳴き声が聞こえて、声が
した方に歩いていったら楽器屋さんの近くに出た。
ここどこだー?
来た事ない場所で、ここからどうやって帰ったら良いんだろ、と
困ってたら、ガラスをばんばん叩く音がした。
良く見たらけいしで。
めいとりゅーごもいた。
けいしはギターが欲しかったらしい。
高いんだろうな、ギターって。
…いくらするんだろう。
ここはりゅーごのお家らしい。
初めてりゅーごが住んでるお家来た。
らせん階段で上がった2階がお家。
1階は楽器屋さん。
やみいちとお花見の時会った、黄色い頭のおにーさんが
楽器屋さんだって言ってた。
ここなのかな。
りゅーごがご飯を作ったから、食べていかない?と誘って
もらったので、けいしと一緒に言葉に甘えさせてもらうことにした。
中は結構広くて、ちゃぶ台が置いてあった。
けいしは部屋の中にあるソファとかのにおいをかいで、こかんを
こすりつけてた・・・。
マーキングしちゃだめだからね。と注意したけど、分かって
なさそうだった。
その後、けいしはギターを見つけて何か弾いてた。
きれいで、ちょっと悲しい曲だった。
りゅーごは台所で料理を出す準備をしてて。
めいに手のけがの調子はどう?って訊かれて、予定より早く
治りそうだよ、って言ってたら。
・・・誰かがきて、帰って行った気配がした。
誰?!
けいしには誰か見えたらしくって、誰もいないのにそこに
向かって吠えてた。
めいは、オバケとか苦手らしい。
わたしは平気。何もされてないし。
今住んでる場所はお寺だから、もしかしたらわたしがオバケだって
気付いてないだけで会ってるかも。
ま、それはそれでいいんじゃないかな、と思った。
りゅーごが作ってくれたカレーはとっても美味しかった。
お母さんがいて、カレーを作ってくれたらこんな味なのかなと思った。
優しくて、あったかい味。
食べ終わったけいしはアヒルのぬいぐるみを抱っこしてクッションも
持って寝そうになってたから、りゅーごの家泊まっていくの?って
訊いてみた。
けいしはそうするつもりはなかったみたいで、両方とも持ったまま
靴を履いて帰ろうとしてた。
アヒルさんのぬいぐるみは大事だったみたいで、慌ててりゅーごが
追いかけて返してもらってた。
誰かから貰ったのかな?
りゅーごだけが住んでるわけじゃなさそうだったなぁ、と思いながら
麦茶を飲んでいたら、けいしが階段が怖かったみたいで怯えてる
感じで鳴いてるのが聞こえてきた。
心配になって、慌てて追いかけたけど、最後まで降りた後で。
怯えてたっぽいのに、ちゃんと下まで1人で降りられたのを
えらいねってほめたら、嬉しそうにぶふって返事が返ってきた。
ボールを追いかけながらどこかにいこうとしたけいしの後を
のんびり追いかけて。
りゅーごのお家を後にした。
けいしが何処かに行っちゃったので、めいと久しぶりにお話
できて嬉しかったな、と思いながら歩いていたら、丘に出た。
何だかのどが渇いて、自販機で間違えて買ったコーラと
飲みたかったレモンティーをバッグに入れて歩いていたら
音がした。
その方に歩いていったらリョウジさんに会った。
リョウジさんはけいしを可愛い人だって言ったの。
・・・初めて聞いた。
けいしが聞いたら喜ぶかもしんない、と思って。
後で忘れないように伝えないと、と思ったの。
この前会った時はけいしと一緒で、やみいちで会ったから
あの後何か買ってもらったかい?って訊かれて。
洋服と着物と口紅買って貰ったんだよ、って。
わたしはけいしに指輪買って、左手の薬指に嵌めてあげたんだよって
言ったんだ。
けいしがとっても喜んでたの、リョウジさん分かってたみたい。
すごいな。何でだろ。
他にも色んなお話したんだ。
けいしが本当の犬みたいになっちゃったことを伝えたら、
それを元に戻すにはマナちゃんがキスするしかないなって。
思わずぶはって飲みかけた紅茶を吹いちゃったよ…。
リョウジさん…!
偶然だけど、すっごくビックリしたよ…。
キスはしたけど、またわんこに戻っちゃったからなぁ…。
効果なさそう。
ビックリさせてすまないって謝ってくれたけど、こちらこそ
ビックリさせてごめんね…。
けいしと暮らす前、わたしが廃ビルで寝てた、とか。
今日、リョウジさんはそこでちょっと寝てたって言ってた。
懐かしいな。
あそこは最近行ってないけど、まだ崩れないで残ってるみたいだから
明日行こうかな、と思った。
リョウジさんは今は暖かい寝床が出来て良かったねって
言ってくれたんだ。
うん。ホントに良かった。
ただあったかいだけじゃないんだ。
帰る場所。待っててくれる人。
おかえりとただいまを言える相手。
何よりも大事だと思える
そんな人と出会えたことに、感謝する。
神様はいるか分からないけど、ありがとう、と。
けいしにはホントに感謝してるんだって言ったら、ああ、きっと
けいしはって、リョウジさんは言いかけて。
電話がかかってきた。
すぐに帰らないといけなかったみたい。
心配そうに何回も振り返りながら、帰って行ったのを
手を振って見送ったの。
1人になって、しばらく色んなこと考えて。
左手動かしても大丈夫かも、と思って動かしてみたら
肘とか肩がしばらく動かしてなかったから痛かったけど、
折れた部分は大丈夫だった。
痛くなかった。
明日、病院行ってみよう。
ギプス外してもらえるかもしんない。
ギプスは切って外すらしい。
…ちょっと怖いな。
ついでにけいしが描いてくれたヒヨコのところ、貰って帰ろうと
思ってるんだ。
ダメですって言われたら、買い取りますって言うつもり。
…変な顔されるだろうな。
でも、いいんだ。されても。
けいしが描いてくれたの、そのままだったら捨てられちゃうから。
大事に取っておきたいんだ。
けいしが描いてくれたから。
宝物、なんだ。
そんなことを考えてたら、お腹が空いて。
おっちゃんの屋台に行きたくなった。
おっちゃんの屋台、どんなものを食べさせてくれるのかなって
思いながら行ったの。
今日はいわしのたたきとはんぺんのチーズはさみあげと
ねぎと豚肉ののった塩ラーメンだった。
どれも美味しかったなぁ…。
はんぺんの料理はまた食べたかったから、凄く嬉しかった。
いわしのたたきは、トーストに乗せて、ガーリックオイルとか
ソースかけて食べたの。
コレも美味しかったな。
また食べたい。
塩ラーメンは出す時に寒くなってきましたからねって言って
出されたの。
・・・あの。
もう、4月だけど。
夏日とか記録した日と場所もあるんだけど。
・・・おっちゃん、ボケたのかな。
・・・あ、こういう時こそ何でやねんっ!ってツッコミ入れないと
ダメだったのか。
失敗したな・・・。今度は忘れないようにしなきゃ。
おっちゃんにワガママ言って、はんぺんのチーズはさみ揚げを
作ってもらって、お土産で持って帰った。
後でけいしに食べてもらおうと思って。
忘れてたら、マルマルと一緒に食べようかな、と思った。
ラムちゃんはどうだろ…。食べるのかなぁ…。
野菜じゃないから、食べないか。
ご飯いっぱい食べて、幸せな気持ち。
お家帰ったらけいしが布団で寝てたから、くっついて
寝たんだ。
暖房はないけど「あったかい」お家。
大事にしないとね。
自分がけいしを好きって気持ちじゃなくて、けいしを
大事にしないと、ダメなのです。
たまに、間違えそうになるから。
本当に大事にしなきゃいけないのは、けいしで。
けいしを好きだから、何でも言っていいわけじゃない。
けいしが大事だから、何を要求してもいいわけじゃない。
間違えちゃ、ダメなのです。
忘れっぽいから、気をつけるのです。
