寝ようと思ったけど、眠れなくて。
フラフラ歩いて神社に行ったらくぼがいた。
頭の中ぐちゃぐちゃになってて、絡まりあってて。
どこから手をつけて良いのか分からないありさまで。
そんな感じで途方にくれてたから、けいしに言われた事言って。
脱線しまくりだった考え方とかを整理するの、手伝ってもらった。
ありがとう。眠いのにごめんね。
話してたら、くぼが裏声を使って。
それに吹き出しちゃったおねーさんが神社の手水の後ろから
出てきた。
金髪でね、背が高くてモデルさんみたいなの。
すっごくかっこよくて、かわいかったの。
そしたら、めいのはとさんが飛んできた。
昨日紹介してもらったはやて。
きりっとしてて、かっこいいんだよー。
たかみたいなの。
めいが昨日海で会った時にくれるって言ったかりんしゅが
入ったびんと一緒に手紙くれたんだ。
うめしゅみたいな感じらしいよ。
なめる程度でいいらしいから、後でけいしが居ない時に
試してみるのです。
はやてが来たら、きんぱつのおねーさんははやてに
くぎづけになってた。
とりさん好きなのかな…。
鳥さん好きなきんぱつのおねーさんはゆりっていうんだ。
仲良くなれてうれしいな。
また会えたらお話して欲しいと思ったのでした。まる。
はやてを返したら、めいと一緒にもどってきたの。
今日も元気良かったな。
…けいしにようしゃなくビンタされて、顔はれてるの見て、
何も言わずにハンカチぬらして返してくれた。
……ありがとう。めい。
いつも心配かけちゃってごめんね。
皆で集まってわいわいと話していたら、けいしがきた。
ケーキの箱持ってて、どこかで買ったのかな?と思ってたら
中にはある程度育ったネズミーズが入ってたらしい。
くぼに渡してたけど、ガサガサ言ってたからすぐにバレた
みたいだった。
そのネズミを放とうとして、神社に来たって分かって、ゆりが
けいしを叱ってたら、神社の裏から女の人の声がした。
…どうやら、大きい方を、してたみたい…。
…でも、そこって木しか、ないよね…。
…トイレじゃあ、ないよね?
…まぁ、いっか…。
ツッコミ入れたけど、何事もなかったかのようにどこか行っちゃったから
あえてこれ以上つっこまないでおこうと、思い、マス…。
バタバタしてたら、くぼが限界がきたみたいで、意識が飛びそうに
なってた。めいが先に帰って、ゆりとくぼが一緒に帰っていった。
…けいしとわたしが残されました…。
みんなが帰らないといけないのは偶然だったらしいけど、
最初、気まずかった。
何話して良いか、分からなくて困ってたら、けいしが
ケーキの箱の中のネズミを放して。
俺はまともな言葉がしゃべれないって、唐突に語りだした。
けいしは動物だから、飼いならせないなら、犬を飼っちゃ
ダメだって言った。
俺はお前がまた飼いならしたいなら、なつきたいよって、
言ってくれた。
星の王子様と、さばくのキツネみたいにもういっかい言うよ。
俺を飼いならしてくれって、言ってくれた。
わたしは、王子様の星に咲いている、ばらの花にそっくりらしい。
けいしは、あの本を読むたびに、こんなわがままな花は
切り落としちゃえば良いって、思ったらしい。
もっと情けをかけないで、切ろうとしたんだって。
でも、けいしは自分が弱いから、出来なかった。
今も出来てないって、言った。
わたしは、自分の思ったとおりにやろうとしたんじゃなくて、
自分の思い通りになるようにめそめそしてただけだって
言われて。
…情けないけど、ホントにその通りで。
けいしに言われて、やっと気付いた。
自分がどれだけひきょうで、ひどくて、けいしに無理させてたのかって
ことに。
言われて、やっと、気付いた。
そうまもあきらもめいもりゅーごも、みんな優しいから
わたしには愛情をもって接するけど、けいしには、情は一滴も
ないんだって。
昨日の、ろじうらでの一件を思い出して、納得した。
あの時、あきらが逃げなかったら、死ぬまでやってたらしい。
りゅーごの指を切り落とそうとしたのも、あきらをなぐったのも
愛してるから、なんだって。
なぐるのもけるのも、愛してるから、らしい。
情は、「なさけ」で。同情でもできるんだって。
愛は全部含めてだから、キスもぼうりょくも、同じらしい。
表現方法が違うってだけ、らしい。
あくまでけいしに言わせると、だけど。
とりあえず、わたしの頭で理解できたのは、愛ってすごいなって
ことだけ。
情があるかないかで、愛は全然ちがってくるんだなってこと。
けいしは動物の心で考えてる。
動物の心には、心がないんだって。
感覚と、無意識だけで考えるから、そこには人間みたいな情がない。
だから、人間の心で考えると冷たいって判断することも、
平気で出来るのかな、と思った。
なさけがないから。
やりたいと思ったか思わないか、で判断する世界。
ただ単純に、すごいせかいだ、と思った。
そんな基準で暮らしてるけいしもすごいって思った。
わたしは人間の心で考える。
けいしとわたしは根本的に、全然考え方が違う。
その事に気付けてなかったから今回の事が起きたのかな、と思った。
全然考え方が違うと気付けたから。
どう違うのか見極めたり、けいしを飼いならすのはどうすればいいのか。
それはこれからけいしと一緒に暮らす中で、見つければ
いいんじゃないかな、と思った。
飼いならす方法、けいし自身も分からないみたいだったから。
色々、試してみようと思う。
そばにいてもいいの?って訊いたら、逆に何でそんな事
訊くって訊かれた。
昨日、はなれるって言ったから、はなれたい人がそばにいたら
めいわくかなって思ったから、一応訊いたって答えた。
けいしは、俺はお前と話したいから、ウロウロしてる。
そうじゃなかったらネズミを放して帰ればいいだけだ。
お前を見つけて話したいと思ったから、目の前をウロウロしてるんだ、
と言った。
…相手にもんのすごーく嫌がられても、けいしは自分が
話したかったらウロウロするらしい。
…すごいな…。
けいしらしいっちゃあ、らしいけど…。
だから、けいしと話したいなら、えんりょせずに、ウロウロして
いいらしい。
…良かった。
嫌がられてるんじゃ、って、思ってたんだ…。
訊いて、良かった。
今までみたいにだんなさんとよめじゃないけど。
一緒にいることになったよ。
…今の関係は、何だろう。
だんなさんとよめじゃないなら。
…前みたいに、まなけいしでいいのかな。
一緒にいたいから、いるってだけでいい気がしてきた。
…特に名前とかいいや。
ぶっちゃけ面倒臭い。
そんなのにしばられてるから、話がややこしくなるんだよね!
きっと!
ただのけいしとマナでいいやっ!
とりあえず、今の目標は。
けいしに、なついてほしい。
わたしが世界で一番大事にしたい人だから。
今まで大事に出来なかった分も、大事にしたいから。
いっしょうけんめい、がんばろうと思う。
なついてほしいから、がんばるんだ。
また、さいならって言われる事がないように。
また、さいならって言わせる事がないように。
