「 勝ち組 」 「 負け組 」
嫌な言葉です。
こんな言葉が使われるようになったのは
今から10年程前、酒井順子著の 「 負け犬の遠吠え 」 が
ベストセラー・エッセイになった頃からでしょう。
『 30歳代以上・未婚・子なしは負け犬である 』
と、自らを 「 負け犬 」 と自嘲しながら書いているように見せつつ
実は同じ境遇の女性にエールを送り
『 結婚・子育てこそ女の幸せ 』 とする日本の古くさい価値観を
笑い飛ばしているような内容です。

しかし、彼女のそんな意図とはウラハラに
「 勝ち 」 「 負け 」 という言葉だけが一人歩きを始めてしまいました。
何を基準に勝ち負けを決めるのでしょうね ?
結婚できたから勝ち ?
事業に成功したから勝ち ?
結婚したって、子供が授かったって、そして事業に成功したところで
幸せを感じられない人だっていらっしゃるでしょう。
そのどれも手にしていなくたって、毎日幸せだと思われる人も多いはずです。
それぞれの生き方が多様化している今、もうそんな言い方はやめませんか ?
この本に関して、先ほど好意的に書きましたが
実は読んでいるとき、イラッとくる表現がいくつかあったことを覚えています。
私は負け犬よとしながらも、お金はあるからオシャレができる海外旅行にも行ける。
既婚で子供もいるけど、髪振り乱して生活苦しい人もいるんじゃない ?
といった気持ちが行間から滲み出ているところがありましたからね ^^
最近、こういった 「 既婚 」 VS 「 未婚 」
「 専業主婦 」 VS 「 働く主婦 」
この前は 「 専門職 」 VS 「 一般職 」 なんていうのも目にしましたが
自分とは違う立場の人のことを悪く言うことによって
自分の立場を良く見せようというくだらないバトルを見掛けます。
ネットでよく見るようになってしまいましたが、逆に
「 そんなこと言ってるあなたのほうがおかしい !」
と叩かれているのを見ると、少しスッキリします ^^
そう言えば、思い出しました。
「 くたばれ!専業主婦 」 を書いた 石原里紗 !

これは酷かった !
専業主婦は飼われているのだから、家畜と同じだ。
しかも飼い主様に文句を言うのだから
牛や豚のほうが何も言わないだけ可愛いと言い放ちました。
こちらは15年程前に出版されましたが、当時は論争が起こりましたね。
専業主婦の中でも、働きたいと思っているのに小さな子供や
介護を必要とする家族がいたり
あるいは家族の反対があって働けないということもあるでしょう。
私の知人は 「 絶対に働くなんてイヤだ 」 と言ってますが
こう言い切るのも潔くて、良いじゃないですか ^^
ご主人の収入で生活出来ているのだから、他人がとやかく言うことはない ですよね。
言葉を戦わせるのなら、もっと有意義なことにしましょうよ。
それではここで、皆さんもご存知でしょうが
私の好きな、金子みすゞ の 「 私と小鳥と鈴と 」 をどうぞ。
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
結局、「 勝つ 」 「 負ける 」 なんて
その対象は 「 己( おのれ ) 」 じゃないでしょうか。
結果は自分だけにしか分かりません。
だから、こんな言葉が飛び交うこと自体
おかしなことですよね。
そう思いませんか ?