文中:宏(旦那)

    麗子(後の浮気相手)

    アズサ(私)




宏が『死んでやる!』とか『もう死ぬ』とか言い始めた頃は、


宏が本当に死んでしまうかもしれない。と思っていました。




でも、事あるごとに『死ぬ!』を発する宏は、


自殺しようとするそぶりは見せるのですが、


それはあきらかに、死を覚悟した者ではなく、


引き止めて欲しいと思っている者の行為でした。



こう書くと、私の事を何様?と思う方もいらっしゃるかもしれません。


本当に死を考えている方からすると、ひどい見方なのかもしれません。



でも、その時の私には、


宏の『死ぬ』は、私に対する脅しのようにしか聞こえませんでした。



そう感じていても、本当にもしかしたら居なくなってしまうかもしれない。


と思うと、宏に対してきちんと言いたいことも言えない自分・・・。



私は、完璧に麻痺していたと思います。



第三者が見ると、私も宏に依存していたのだと思いますが、


その時は全く気付かず、


宏の死ぬという言葉が日常化していきます・・・・。





私は怒りと悲しみに呑まれていきます。



『ホンマに死ぬ気ないやろ?』



何度か言った事があります。



何度『死なないで』と言っても、『俺なんか居ない方がいいんだ!』と泣き叫ぶ宏。


なのに、現実は家でゴロゴロし、やりたい事しかしない宏。


お酒にも溺れだし、薬もちゃんと飲まない。


飲んではいけない薬を飲んだり・・・・



もうめちゃくちゃな宏に対して、(その日も何か注意すると、死ぬ~と叫んでいたので)



『じゃあいつ死ぬん?!?!』


と言うと、



『明後日』



と答える宏。



『今日じゃないんや?』


と聞くと、



『明日は友達と遊びに行くから』



と平気で答える宏。




もう私にはついていけない。そう思いました。