(5)転注(てんちゅう)

ある文字の意味を、それと関連のある他の意味に転じて用いる方法である。たとえば好は「女」と「子」とによる会意文字で「よい」という意味であるが、よいものは人のこのむものであるから「このむ」の意味に転じて用い、また普通「悪」は「わるい」という意味であるが、わるいことは人のにくむところであるから、憎悪のように悪(お)と発音して「にくむ」の意味に転用したりする。

(6)仮借(かしゃく・かしや)

ことばはあっても、まだ文字がない場合に、これと同音の既成の文字を、意味には関係なしに借りて、そのことばを表す方法である。たとえば豆(とう)は本来「肉を盛る器」すなわち一種の「たかつき」を意味する象形文字であるが、これと同音の「まめ」の意を表すのに転用したりする。

外国語を音訳する場合もまたこの仮借の方法によるのであって、たとえば釈迦・亜米利加・英吉利(しゃか、あめりか、いぎりす)などである。

福沢諭吉先生はさかんにこれをやっておられた。それにならって森鴎外、夏目漱石などの文豪もさかんに使用されている。現在ではカタカナが一般的であるが、米・英・露など、一文字ですませる場合もある。

 

部首

 

漢字は一字で、区別された漢字の各部類を代表しているものがある。これを漢字の部首という。部首は総数に二百余あってそれぞれ字音と意義とを持っている。これらは漢字の理解と、漢和辞書の検索に役立つものである。

 

(1)(偏)へん(2)(旁)つくり(3)(冠)かんむり(4)(脚)あし(5)(構)かまえ(6)(垂)たれ(7)(適)にょう

 

偏の部 左側

にんべんー仁・代・休

にすいー 冷・凍・次

さんずいー江・汲・河

ぎょうにんべんー役・征・徹

くちへんー吐・吹・呼

てへんー打・投

おんなへんー好・奴・嫁

りっしんべんー快・悟・情

つちへんー地・坂・堤

やまへんー岐・峡・峰

けものへんー猟・狂・猛

こざとへんー防・阪・険

ひへんー映・晩

ゆみへんー引・弦・張

つきへんー朦・朧

にくづきー肌・腹・肥

きへんー松・桐・梅

ひへんー炊・炉・灯

かたへんー施・旋・旗

うしへんー牧・物

しめすへんー社・祖・祈

たまへんー球・理・環

のぎへんー秋・税・穂

ころもへんー被・補・裸

いしへんー砂・磁

こめへんー粉・粒

いとへんー紡・結

ふねへんー航・艦

あしへんー跳・踊

ごんべんー記・議

くるまへんー軸・輸

とりへんー配・酢

かいへんー財・貯

かねへんー銀・銅

うまへんー駅・駒

 

など

 

 

疲れたどーーー