はじめましてな人も毎度お馴染みの方も、こんばんちゃ
神経質だけどポジティブ、陰キャだけどパリピな東京ウェスティです
こうしてブログを書いていますが、薬剤師として病院でも働いています
なので、たまには専門職を活かして薬に関する記事も書いていけたらと思っています
今日も勉強したことを簡単にまとめてみようと思います
うちの職場ではこんな風に対応しているよとかこんな薬の使い方もあるよなどアドバイスやご指摘などあればぜひコメントよろしくお願いします
本日はバンコマイシンについて!!
バンコマイシンが処方になると、解析ソフトを利用して、投与量をシュミレーションしたり、採血のオーダーを入れたりと色々大変ですよね
ウェスティはたまにしかやらないから、いつもバタバタしてしまいます
今回久しぶりに投与設計を依頼されたので、記憶の新しいうちにTDMに必要な知識をメモメモ…
【初回投与量】
腎機能が正常な人には15〜20mg/kgを12hrおきに投与1日3g以上の投与は慎重に行い、上限は4gまでとする
とりあえず最初はこの用量で試してみよう
【投与速度】
一般的には1gあたり1時間くらいの速度で投与すればOK
1.3g/hrまではレッドネックはほとんど気にしなくていいとの見解もあるみたい
1回の投与量が,1.5g以上になる場合は2時間かけて点滴するべきとの見解も
となると…
1回投与量<1.5gならば1g/hrで投与し、1回投与量>1.5gならば2hrで投与が無難かな
【TDM】
MRSAに対するバンコマイシンのMIC はほとんど1μg/mLだから、AUC/MICの目標値は400 ~600
治療の有効性をあげ、耐性菌の出現を防ぐため、トラフ値≧10を保つべし!!(ちなみに文献的には最短で5-7日程度で菌交代現象などで耐性菌が出現すると報告されています)トラフ値≧20になると腎毒性の発現率が高くなるので注意
今までトラフ値だけを気にしてきたけど、ピーク値にも一応上限があるみたい
ピーク値≧60〜80は中毒域のようなので超えないよう注意
トラフ値が10~15µg/mL、AUC/MICは400~600 、ピーク値が60≦になるように投与量を設定。
重症な感染症(菌血症、心内膜症、骨髄縁、脊髄炎、肺炎、重症皮膚軟部組織感染症)のときはもう少し攻めてトラフ値15〜20μg/mL推奨。
これと解析ソフトの使い方さえ分かれば、いつTDMを頼まれてもオーケー
【採血時期】
いつも先生に質問されるけど、自分も中々覚えられなくて、いつも調べてしまうんだよなぁ
定常状態に達したあとのトラフ値を測定したいんだよね
一般的には定常状態となるのはその薬剤の半減期の4〜5倍の時間が必要。
バンコマイシンの半減期は5〜6hrなので、20〜30時間後には定常状態に達しているはず…
12時間おきの投与だとすると、2回目打つ時で12時間、3回目打つ時で24時間、4回目打つ時で36時間、4回目の投与直前には定常状態に達しているかなって感じ
腎機能とかの理由で中々上がりが遅い人もいるかもしれないし、トラフ値の過小評価は怖いから、余裕を持って5回目の投与直前もあり?
そうするとやっぱり定番のこれになりますね
4~5回目の投与直前30分以内(1日2回投与の場合)に採血
あとがき
そういや始めは、患者さんがどうしても入院できないからと、外来でバンコマイシンの点滴をやっていたんだ
9時16時で点滴してたんだけど、思うように行かなくて、結局入院になったけど
今思えばリネゾリドの内服とか提案しておけばよかったのかなぁ
600mgを1日2回→1錠5000円×2で1日10000円→3割負担だとして1日3000円くらいかぁ
ちょっと高いよねー
〜参考URL〜
塩酸バンコマイシン vancomycin hydrochloride(VCM)
https://www.ompu.ac.jp/u-deps/in1/res/memo/infection/tdm/vcm.html
亀田感染症ガイドライン:抗MRSA薬の使い方
https://www.kameda.com/pr/infectious_disease/post_70.html
第3回亀田感染症セミナーin東京での質問への回答(講義1)
https://www.kameda.com/pr/infectious_disease/post_99.html
MRSAの薬物治療とTDM