私大事務員Sと申します。こんにちは。
早速更新が途絶えてしまい大変申し訳ございません。実はただいま教習所に通っておりまして、先日仮免の検定だったんですね。一応勉強しなければと思い、代わりにこちらの更新が疎かになってしまいました。
ちなみに検定の結果は、無事仮免交付でした。普通に合格できましたので、オチはございません。
さて、今回お話する内容は、前回までとはちょっと異なります。
皆さんは、ピーター・ドラッカーをご存じでしょうか。
まあ現代において知らない人はいないんじゃないかと思われる有名な方ですが、この方は経営学者であり、マネジメントの発明をした人と言われています。
マネジメントとは何か、というと、一言では大変申し上げにくいので、ぜひWikipediaの経営管理論のページをご参照ください。
↓経営管理論とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/経営管理論
この人の著書に、非常に有名なフレーズがあります。
そう、「選択と集中」です。
記事のタイトルでネタバレしておきつつ、なんとここまで引っ張りました。
この「選択と集中」については、昨今様々な議論を呼んでいるようでして、ヤフーとかグーグルで調べると、賛否両論様々な意見があります。しかし今日はその辺の立場の意見については置いておいて、「選択と集中」とはなんぞや、何が良くて何が悪いのか、ということをお話していきたいと思います。
とはいえ私は学生時代会計学専攻で、経営学をそこまで詳しく勉強したわけではありません。少々ずれたコメント等もあるかとは思いますが、そこは温かい目で見ていただけると助かります。
さて、「選択と集中」とは何かと申しますと、「自らが得意とする分野に焦点を当て、集中的に資本を投下することで、経営効率や業績を高める」という経営手法のことです。
概念的な定義だけでは分かりにくいと思いますので、簡単な例え話にしてみましょう。
ここに、AさんとBさんというサラリーマンがいるとします。
Aさんは、ひと月の間に契約を100件取ってくることができますが、事務処理は苦手で、ひと月の間に20件の案件しか処理できません。
Bさんは、ひと月の間に契約を10件しか取ってこれませんが、事務処理は得意で、ひと月に110件の案件を処理することができます。
この二人に仕事を割り振るにあたり、契約と事務処理はどちらにどのように割り振れば、得られる利得が最大になるでしょうか。
答えは簡単で、Aさんに契約を、Bさんに事務処理の仕事を割り当て、苦手な仕事は割り当てません。こうすることで得意なことに集中できるようになり、お互いが苦手な仕事をするよりも生産性を上げることができると考えられます。
組織を運営するにあたり必要な資本は、金、人、情報、時間、材料など、多岐にわたります。しかもそのどれもが有限であり、限られた資本をどのように投下していくかを考えることが経営の基礎になります。資本を投下しても成果が得られない、いわゆる不採算事業については、終了させるなり売却するなりして手放し、利益が出やすいであろう事業に資本を投下する、というのが「選択と集中」の基本的な考えになります。
この考えそのものは非常に合理的で、得意な事業や軸としたい事業が明らかになっている場合は、そこに集中することにより利益が生まれる可能性が上がると考えられます。ここまでが「選択と集中」によるメリットになります。
しかし、当然ながらデメリットもあります。
・特定事業に特化することにより、特化した業種の変動を受けやすくなる
・集中すべき事業をそもそも間違える危険性
・有用な人材が流出する危険性
などのデメリットが考えられ、失敗に終わる可能性もあります。真偽のほどは分かりませんが、「選択と集中 失敗例」で探すと、企業の実名入りで失敗例が沢山出てきます。
デメリットを分かりやすくするため、先ほどの二人のサラリーマンを再び例え話にします。
Aさんは契約を取ってくることが得意なので新規契約に専念してもらい、Bさんは事務処理が得意なので事務処理に専念してもらいました。
しかし、IT技術の進歩により事務処理が自動化され、事務処理をするサラリーマンは要らなくなりました。そうするとBさんは、自分の得意分野を、外的要因によって活かすことができまくなります。契約の仕事を、苦手だけど克服できるよう頑張ればよかった・・・と思うかもしれません。
この例は、先ほど挙げたデメリットの一つ目に該当します。特定の事業に特化するということは、その事業や業界に逆風が吹いたとき、組織が受ける影響も強くなるという危険性を持っています。
以上が、経営学専攻でない私がまとめる「選択と集中」のメリットとデメリットになります。
的を得ているか心配ではありますが、少なくとも間違ってはいないと思います。
そしてここからは私の主観になるのですが、そもそもこの考え方って盲目的にいろいろなものに取り入れられるものではないと思うんですよ。
資本投下を集中できるときと、そうでないときと、どちらのケースもありうると思うんですね。
例えば、私は競馬はやらないのですが、10頭の馬がレースに出るとき、その中にディープインパクトがいたら多くの人はディープインパクトの馬券を買うと思います。なぜなら勝てる可能性が高いから。こういうときに、10頭すべての馬の馬券を買うようなことはしないと思うので(そんなことが出来るかどうかはさておき)、ここでは「選択と集中」って有効な考え方だと思うんです。ちょっとずれた考え方かもしれませんが。
一方で、研究分野なんかは特にそうだと思うのですが、どういうテーマが利益を生むのか全く分からないこともあります。こんな場面では、利益を生みそうなものがそもそも選択できませんから、「選択と集中」が有効でないと思うのです。
ゆえに、経営管理の手法を導入するにあたって、まず一番最初に「その手法が有効かそうでないか」を見極めることが非常に重要なのではないかと思うのです。
今回、こんなことを考えて記事を書いたのは、今教育業界に「選択と集中」という考え方が、「それが有効なのかどうか十分に議論されないまま導入され始めている」と感じているからです。
次回は、その部分について書いていきたいと思います。
内容が複雑なのでまた記事を書くのに時間がかかりそうですが、マメに更新できるようかんばってまいります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは失礼いたします。