マルコム・グラッドウェルの天才を読んだ。そこでKIPP(Knowledge is Power Program)と呼ばれるニューヨークにある中学校が紹介されていた。
その学校が注目を集めているのは貧しい家庭の子どもが大半であり、入学は無作為の抽選で決められている公立校であるにも関わらず、そこで学ぶ生徒の数学や読解力の成績が高く、卒業生の大半が奨学金をもらって高校へ行き、その後、大学へ進学する点だ。大学へ進学する生徒の80%はその家庭初めての大学進学者となる。
KIPPの特徴
・授業時間がとにかく多い。土曜日も午前中は授業があり、夏休みも3週間、授業が設けられている。
・クラスの規模は比較的大きい。少人数主義が主流となる中で大クラス主義をとっている
KIPPのモデルとなっているのは日本や韓国の学校であるという。
日本や韓国の生徒は数学の成績がいいが、それは授業時間の差であるとKIPPでは認識する。授業日数でみると、日本は年間243日(現在は悪しきゆとり教育の影響で土曜日は休みの学校が多い)、韓国220日に対し、アメリカは180日であることに注目し、学力の差は単に勉強量の差であるとの仮定の下で学校のカリキュラムは組まれている。そして、その教育がしっかりと成果を上げている。学校に入学してくる生徒が貧しい家庭の子どもたちで入学試験を課していないことを考慮するとKIPPの仮定通り学力の差は単純に勉強時間の差であると考えることは理にかなっている。
日本が「ゆとり」教育を掲げている間、日本をモデルにした学校がアメリカで成果を上げ注目を集めていることは非常に興味深い。
日本は戦後、欧米に倣えでやってきたが、そろそろそれはやめにしてもいいのではないか?今は日本の文化やファッション、日本食など日本に倣えしているのが欧米の状況だ。もう少し、自分の国に自信を持つ必要がある。