電波操作によって筋肉痛も作れる。いろんな種類の痛みが存在し、痺れるようなものから息苦しくなるほど強い痛みまで作れる。実際には筋肉に限らず、電波操作は体のどこにでも痛みを生み出せるが、筋肉は大きいので生活への支障も大きい。

 

 ただし、どのような電波操作の結果として筋肉痛が起こっているかは分からない。例えば、左腕と右腕の筋肉を考えた時に異なった周波数特性を持っているとは思えない。そうであれば、結論として、電波を照射することでどちらかの筋肉だけを痛めるというのは難しくなる。また、人間の細胞の中には周波数特性よりも電気的なパルスで活動が規定されるものがある。パルスであってももちろん周波数を発しているが、どこの受容体に影響を与えるかまでは電波では操作できないであろう。

 

 体の小さな部分のコントロールも難しいはずである。例えば、人差し指の痛みも電波によって生み出される。しかし、工作員側がそこまでの電波操作のマッピングを持っているとは思えない。つまり、画面をクリックすると特定の周波数が発生し、左の人差し指が痛むとは極めて考えにくい。

 

 一つの考え方としては痛みを転送する方法である。つまり、工作員の体に痛みを与え、それが電波を通して対象者にも痛みとして感じられるという方法論である。左の人差し指であれば、工作員の左の人差し指を刺し、その刺された痛みが電波を通して対象者に届けられ、頭の中だけで痛みが再現される。原理的には、この操作の方が単純であり、また、体のどの部分にも痛みを生み出せるという現実にもそぐう形になる。

 

 また、痛みは電波操作によって強化できる。身体の中で起きた小さな痛みが強化されて、大きな問題のように認識されることはある。つまり、筋肉が微妙につったり、痺れたりするときに、その痛みを強化することによって、体に本質的な問題が起きているように感じさせることは出来る。

 

 この痛みの強化に関しても、どのような形で実行されているのかは分からない。一つの考え方としては、痛みを感じる化学物質があって、実際に痛みを感じている際に、それを過剰分泌させるという方法である。

 

あるいは、フィードバックさせるという方法もある。脳が痛みを感じている際に、その痛みの電波を更に送り届けることで痛みが強化されるという方法である。実際の工作においては時間差があり、痛みの強化は自然には発生しておらず、何らかの操作の結果として発生している。

 

 いずれにせよ、電波操作によって身体の中のどの部分でも痛くなる。