このグアムの殺人事件は2013年2月に実行されている。どの時点で電波操作という存在が一般的に認知されたのかは分からないが、もしかすると、この事件はその一つ契機だったのかも知れない。社会一般という意味では依然として電波操作は理解されていないが、インテリジェンスコミュニティーの中の一部でしか知られていなかった工作技術がより広範に知れ渡ったのはこの辺りからである。

 

 あるいは、この事件は電波操作でどのようなことを出来るかを示すために実行されたのかも知れない。僕は同時期にほぼ同じような洗脳を受けており、このグアムの事件とほぼ同時刻に僕が泊まっていたホテルの傍で乗用車を運転していた男性がそのまま海に突っ込む自殺が起こった。何度も言うように、僕の周りにはスパイが多数おり、僕の状況を理解していた人たちは多数いたため、全ての事件が一連なりにあると気付いた人は多かったはずである。

 

 これがどのような意図で行われたかは確定できないが、これが対社会工作であることは間違いない。それも僕の案件がCIAの指揮下で行われた事実が意味しているのは、このグアムの事件を引き起こしたのもCIAのスパイということになる。ただし、CIAは指揮命令系統の中で起こったことではなく、ROGUEがやったと言うだろう。

 

 確かに、新任のCIA長官がこの殺人事件を実行するように最終判断を下したとは思えない。その前の人なら分からないが、新しいCIA長官はそもそもこういう問題を止めるためにそのポジションに就いたはずである。ただ一方で、電波工作は常に組織的関与が必要になる。ROGUEになったスパイが一人で実行できるような類いの工作ではない。それは、どんな理由を挙げたところでCIAが責任から逃れられないことを意味している。

 

 この直前に書いたDCの殺人犯にしても、CIAの工作員による電波操作を受けていた。それらは全く同質のものであり、ほぼ同じような工作プロセスを踏んでいる。これらが同じなのは、CIAが電波工作のプロトコルを持っていたことを意味しており、その通りに、この二つの事件は実行されたはずである。

 

 電波による洗脳工作において、はっきり聞こえる声は重要な部分を占めている。彼らはその声を通して、対象者の脳内に新しい倫理観を作り上げる。内なる声のように聞こえるものでも対象者を洗脳することは出来るが、その場合、同じような洗脳効果は持たない。

 

もし、それが内なる声であれば、対象者はその声を否定できる。一方で、それが脳内で聞こえるはっきりした声の場合、もちろん否定できるものの、それが偉大な存在の声だと認識すれば、受け入れる以外の方法がなくなってしまう。

 

 それ故に、はっきりした声の方が工作的には大きな意味を持つ。そして、このグアムの事件において、悪魔の声は決定的な役割を果たしていた。つまり、その声が存在しなければ、そもそも殺人事件すら起こらなかった。このようなケースは他にも沢山あり、我々は直接的に、あるいは間接的に、いつ被害者になるか分からない状況の中で生きている。