異なる民族、文化、言語が共存/交錯するマレーシアの社会。そこに生き、演劇を作る意味とは? 国内の〈他者〉との「コラボレーション」
Overview
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世田谷パブリックシアターと国際交流基金主催のマレーシア・コンテンポラリー演劇『ブレイク-ィング』 (Break-ing 撃破 Ka Si Pe Cah)を見に行ってきました。この作品、2005年の基金事業で東南アジアの演劇人を集めた共同作品『ホテル・グランド・アジア』からの派生したとの事。
“参加メンバーは3年にわたる〈他者〉との共同作業で、演劇人としてのアイデンティティを見つめなおし、相互の文化的差異を活かしながら、共同での演劇作品づくりを可能にする、さまざまな演劇の方法論を生み出した。それらの経験や方法論を自国へと持ち帰った参加者は今、それぞれの演劇の実践のなかで優れたコラボレーション作品を次々に生み出している。
その中でもマレーシアの3監督、異なる民族と文化、言語が混在する多民族国家マレーシアの中で、マレー語系、中国語系、英語系と三つの演劇圏に分かれて活動する劇作家・演出家・俳優彼らは、自国の異なる文化圏の〈あいだ〉に対話を生み出す演劇的なプラットフォームを構築しようと「ペンタス・プロジェクト」を始動。作品『ブレイク-ィング(Break-ing)』(2006年)はこのプロジェクトの処女作。
言語にまつわる3つの小作品― 母の死という絶望から言語と国家を語る『サイレンス、プリーズ』、経験という視点で言語を問い直す『報告(思想+自分)』、言論統制をとおして言葉とは何かを思考する『WIP(ワーク・イン・プログレス)』。文化の「ブレイク(断絶面)」から「ブレイク-ィング(はじけ出る)」する、言語への探求。”
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最後のAfter talk sessionで監督が
We have talked a lot before making this piece and decided that we did not have to create one thing, trying to put to many things in one piece could be incoherent. But we are sharing the place, which is what is happening in Malaysia. We have different language, races, culture,history--- but we live in the same place we are sharing the place and that fact is collaboration.
って言ってたのが印象に残った。
確かに、 自分たちのルーツ、歴史、自分たちのバックグランドを共有することは出来ないし、理解するのも限界がある。
けど、空間、時間そしてこの一緒に何かを創ってるっていう経験すべてをShare/共有することはできる。
そういう温かい記憶を心の中で燈していけるような、そんな火種を心に植えたい。