この旅のメインイベントの一つ、アルハンブラ宮殿の観光が主な目的である。
アルハンブラ宮殿はチケットが無いと入れない。
チケットはWebで予約することが出来る。
実はスペインに旅立つ前に予めチケットを予約してきたつもりだった。
しかし、実際には予約出来ていなかったのである。
それを知ることが出来たのは、アパートの管理人にアルハンブラ宮殿のチケットは取ったか?と尋ねられた時である。
一応、Webで申し込みはしてきたけど、リターンメールが返ってこなかったと言った。
その状態は実は予約が完了していない状態だという。
予約が完了していたら、何らかの予約情報が載ったリターンメールがあるのだという。
確かに、Webの予約は非常に難しかった。
そもそも、すべてスペイン語であるということを差し引いても、最後まで入力して送信と押せたのだから、
何らかのリターンメールがあれば良いのであるが、リターンメールが無いということもスペインの場合、
仕様として考えられるし、入力チェックが無いということもおかしな話だ。
カード決済出来なかったのならその旨を表示すれば良いのだが、まぁ、当然そうだろうと思ってるのは日本人
の考え方であって、世界標準で考えれば、そこまで丁寧にする必要はないよ、、、となるかもしれない。
そして、アパートの管理人に大丈夫、朝の7時半に並べば恐らくチケットは手に入るから。
というアドバイスを受け、朝7時半に間に合うように出発したのである。
7時頃、ここまで暗かったのかと言わんばかり。
スペインは日の出が遅い。その代り夜は20時半を越えるくらいにならないと暗くならない。

アルハンブラ宮殿の入り口だったはず。


チケット売り場を何とか発見したので並ぶことにする。
7時半だというのに、すでに5、60人くらい並んでおり、出遅れた感が満点。
まぁ、結果としては入ることが出来たわけだが、この時は少し焦った。
並んでいるとちょっとした経験をした。
前に並んでいたのは35歳くらいの英語圏の人でちょっとイケメン。
後のエピソードに絡んでくる。
並んでいると、カフェが開きましたというアナウンスがされた。
朝早くから並んでいる人たちばかりでお腹が空いていたのだろう、飯を食いに行くから前のポジションを取っておいてくれないだろうか言われ、OK!ここは任せとけと回答し、彼は食事へ出かけた。
俺は日本人だ、じっと我慢して待つのは慣れてるので、待ち続ける。
程なくして、彼が返ってきた。
Thank you!と言い、前のポジションに入れる。
20分くらい経った後だろうか、チケット販売が開始された。
この時、自分の後ろにはどんどん列が増え続け、その後50人以上は並んでいた。
後ろにこれだけ居るのだから多分チケットは大丈夫だろうと思い始めていた。
チケットが販売されると一気に列は消化していくのかと思えば、流石スペインである。
チケット販売方法が超絶アナログで一向に列が消化できないのである。
10分間で5人消化くらいだろうか、窓口も2つしか無い。
一体チケットを買えるのはいつなんだろうと途方に暮れていた。
すると、係員が廻ってきて、チケット販売はここ以外でも行っています的なことを言っている。
しかし、ほぼ言葉を理解していない俺はどうして良いのか分からずに並び続ける。
言葉を理解した人たちが次々と列を離れていき、チケットをいち早く手に入れるものが現れだした。
どういう仕組みなのかさっぱり理解できなかった。
しかし、チケットを買えずに戻ってくるものも居た。
女性客で私は機械操作は苦手だからコンプレックスで全くどうしてよいか分からなかったわ。
なんだ、とても難しいのか、その時思ったのは確実にチケットを手に入れる為に並び続けることだった。
そういう光景を見つつも、英語圏の彼は、係員と英語で話を始める。
向こうに別のチケット販売所があるから、そこならすぐにチケットを手に入れられるということを係員から聞き、列を離脱した。
俺は見ていることしかできなかった。
しゃーない、待とう。
程なくして彼がチケットを入手したのが遠目で見えた。
いいなぁ。
そう思っていた。
日本人ならここで終わる。
しかし、彼は俺に恩がある。
場所を守っておいて貰ったから、、、、いや違うな。単純に親切なだけだったのかもしれない。
彼は俺の元に来て、向こうでチケットを買うことが出来る。クレジットカードさえあれば。
向こうに並べば3分だ。
向こうに行った方が良いよ。とアドバイスをくれたのだ。
ただし、向こうで買う時は学生割引が使えないから、そういう割引を使いたいならこのまま並んだ方が良いと言ってくれた。
どうやら、大学生にでも見えたらしいww
最近ちょっと若く見られる気がしてる、気のせいだろうか。
決心が付いて向こうのチケット売り場に並ぶ。
そこはクレジットカード専用の自動販売機だった。
どうやら、機械操作がどうのこうので敗北してきた女性客はその自販機の操作が分からなかったようだ。
俺はIT系で働いている。そんなもんは簡単に分かる。
係員の説明も聞かず、適当に操作したら簡単にチケットが手に入った。
英語圏の彼にとても感謝した。
わざわざ知らせに戻ってきてくれたのだから。
さぁ、アルハンブラ宮殿に入るぞ!!
アルハンブラ宮殿は想像以上だった。
結果論から話す。
5時間くらい滞在した。1時間くらいぼーっとしてたのもあるけど、それくらいは楽しめた。
アルハンブラ宮殿は石の宮殿と大きな庭で出来ている。入り口からこんな感じ。



アルハンブラ宮殿独特のレンガ造りみたいな、すべてがこんな感じの建物。


そして、このように木々に包まれた外観をしている。
今、思うと、懐かしくて涙が出そうになる。

とにかく、広い。
すごい。ため息が出るくらいすごかった。
これがアルハンブラ宮殿なんだ。
今まで、マドリードでちょっとピリピリした空気で、怖くて不安で、やっぱり日本人が海外で楽しむのは難しいんじゃないか。
それは安全が確保されていないから。
だけど、この時くらいから、本当にスペインを楽しむことが出来始めてて、楽しくて仕方なかった。





世界遺産の中でも、こいつは別格だった。
スペイン来たら、絶対にアルハンブラ宮殿だけはおススメ。行かないと後悔する。
ちょっと張り切り過ぎて腹が減ったので、アルハンブラ宮殿を降りたあとは飯を食った。
スペインに来て初めてパエリアを食った。
うまかった。
後の旅で分かったのだが、この写真、至るところに置いてある。
別にここの店特有の看板ではなかったwww

この日は、アルハンブラ宮殿公式グッズ的なメガネケースやTシャツを買った。
非常に作りが良くて、流石、アルハンブラ宮殿と思った。

疲れたのでこの日はこれでおしまい。
アパートに食料は確保してあるので、そこから晩飯なども作って、ぐっすり寝た。
無理はしない。
それが旅を楽しく過ごすための鉄則だと思う。