BizCOLLEGE 5月12日(火)12時16分配信
今回は、鳴り物入りで登場したサムスンのハイエンドスマホ「Galaxy S6 edge」をレビューしていく。ご存じのように日本のスマホ市場はiPhoneの一人勝ちが続いている。サムスンのGalaxyシリーズや、ソニーのXperiaシリーズは満足なシェアを獲得できていないのが実情だ。
さらに、サムスンは世界的にもシェアを落としている。そこで、乾坤一擲とばかりに投入してきた新モデルがGalaxy S6 edgeで、位置づけとしてはハイエンドになる。CMも盛んに放映されているが、果たしてiPhoneに太刀打ちできるのだろうか?
本体の完成度は、非常に高い。CMやポスターなどで盛んに美しい写真を見かけるが、実物のクオリティはおそらく映像よりもはるかに魅力的だと感じるだろう。
曲面ディスプレイについては後述するが、全体にえもいわれぬ高級感を醸し出している。手にすると、多くの人が「いいな」と思うはずだ。
気になるサイズは、まさに頃合いだ。約5.1インチのディスプレイを搭載し、最も売れ筋の大きさだ。厚さは約7mmとスリムなので、手への収まりもちょうど良い。
これまでのGalaxyシリーズは、背面が安っぽいプラスチック製のカバーで、とても高級モデルという印象が持てなかった。ところが本機は金属のフレームに加え、前後面にガラスを採用している。とても品が良く、高級モデルの名に恥じない作りだ。特に背面は、ホログラムのように角度が変わると色あいが変化するので、思わず見とれてしまう。
個人的に最も評価したいのは、手に伝わってくる凝縮感だ。やや重めの本体は非常に硬く、ガラスと金属の質感の良さが感触として実感できる。しばらく操作していて、とても欲しくなってしまった。
細部の作りも非常に良い。金属とガラスで外装をくるんでいると、電波が通りにくくなってしまう。そこで、外周の一部に樹脂を配しているのだが、その仕上げはiPhone 6シリーズとほぼ同様だ。異なる素材を使っているのに、まったく段差を感じさせないフィニッシュは立派だ。SIMスロットの仕上げを見ても、加工精度はとても高くコストを掛けていることが感じられる。
金属製フレームのカドは面取り加工が施されており、ここも光沢を押さえているのが今どきだ。カメラが出っ張っているデザインがやや気に入らないが、まあ、これはライバルも同等なので、致し方のないところだろう。
ボタン類は、なかなか使いやすい場所に配置されている。電源は右側面で、左手で握る人なら中指か人差し指で押せる。ボリュームは左側面でこちらも押しやすい。microUSB端子は下側なので、充電しながら使っても邪魔にならない位置だ。
とても残念なのが、microSDカードスロットを持たないことだ。ストレージは32GBと64GBが用意されているが、はっきり言ってこれでは絶対に足りない。音楽や映画をたくさんダウンロードしたい人は、完全に不足するはずだ。4K動画の撮影に対応しているモデルのストレージとしては、失格のひと言だ。microSDカードスロットは、iPhoneに対する大きなアドバンテージなのに、それを切り捨てるなら最低でも128GBモデルは用意するべきだろう。
ディスプレイの側面が湾曲したエッジスクリーンは、サムスンが他社と大いに差別化できるポイントだ。正面から見ても画像が浮かび上がるような美しさがある。
ただし、GALAXY Note Edgeに比べると、やや湾曲の度合いが少ないようだ。また、GALAXY Note Edgeは、エッジスクリーン部分がランチャーなどになる便利な機能が搭載されているのだが、これも対応してない。多少の機能は用意されるが、大幅にスポイルされている。単に側面まで回り込んだ美しいディスプレイ――程度に思っておいたほうが良いだろう。
画質は文句なしで、2560×1440ドットの有機ELだ。この解像度は、フルHDの大画面テレビをしのいでいる。高級携帯ノートの13インチモデルと同等の解像度なのだから、恐ろしいほどだ。
とはいえ、僕が普段使っているGALAXY Note Edgeも解像度はほぼ変わらない。にもかかわらず、Galaxy S6 edgeのほうが美しく感じたのは、実は輝度設定の違いが原因だった。GALAXY Note Edgeも最高輝度にすれば、非常に美しいのだがバッテリーの減りが早くてとてもじゃないが実用的ではないのだ。
残念ながらGalaxy S6 edgeのディスプレイも、購入して使う際には輝度を落とすしかなくなり、この美しさはほとんど体験できなくなりそうだ。
カメラは約1600万画素(インカメラは約500万画素)と、十分なクオリティーだ。色合いはかなり自然で、個人的にはとても好みだ。また、撮影している際のディスプレイの美しさも高く評価したい。
F値1.9とレンズが明るく、さらに手ぶれ補正も搭載している。暗い部屋で撮影してみたが、しっかりと持っていれば手ぶれはほとんど気にならなかった。また、ハイダイナミックレンジ合成(HDR)にも対応しているので、明るさの差が大きな写真もそれなりに美しく撮れる。
手前と奥の被写体のピントを選べる「選択フォーカス」や、被写体の回りを回転することで立体的な画像が撮れる「バーチャルショット」にも対応する。
実際に使っていてうれしいのは、起動の速さだろう。ホームボタンを素早く2度押しすると約0.7秒でカメラが立ち上がる。
Galaxy S6 edgeは、他にも独自機能で複数のウィンドウを開いて、アプリを同時に併用できたり、着せ替え機能も搭載する。また、OSは最新のAndroid 5.0だ。
タイトルでも書いたiPhoneとの比較だが、製品の“デキ”(仕上がり)という意味では、引き分けもしくは上回っているかもしれない。細部の完成度は引き分けで、エッジスクリーンなど派手さが好きならGalaxy S6 edgeに軍配を上げる人もでてきそうだ。逆にシックなデザインが好みならiPhone 6シリーズをお薦めする。公平に見ても、本体の完成度はほぼ引き分けと考えていいだろう。
だが問題は、引き分けであることだ。すでに多くのシェアを奪い、独自のアプリや音楽との親和性の高さなどが評価されているiPhoneを覆すには、とてもじゃないが引き分けでは及ばない。先月発売されたApple Watchが大ヒットしようものなら、さらに差が開いてくる。Android Wear搭載のスマートウォッチは、機能性能で大きく劣っているのが実情だ。
エントリーモデルなら、価格でiPhoneと対抗することもできるだろう。アップルも今のところそこでは戦うつもりがないようだ。ところが、高級モデルで勝負を挑むなら、引き分けやちょっと勝っている程度では話にならない。2倍、3倍の魅力を打ち出さない限り、「iPhone 6からGalaxy S6 edgeに買い換えたい」といったユーザーは出てこないだろう。
(戸田覚「デジモノ達人への道」)
