ノートPCとタブレットはどう選ぶ?――実際に買った新製品はコレ | マルチニーズシステムのブログ

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19時間前 ITmedia PC USER

ボーナスシーズンに向けて、各社が続々とノートPCやタブレットの新モデルを発売し、注目製品が出そろってきた。この中から、どのように製品を選ぶべきだろうか。

本田雅一のクロスオーバーデジタル:

 年末商戦たけなわの今、PC USER編集部から「いつもと趣向を変えて、バイヤーガイドでも……」とお題をいただき、今年取材などで触れてきたさまざまな製品を紹介していこうと思ったのだが、しかし、それではあまりに膨大な数になりすぎる。

 そもそも、「なぜAという製品は好みで、Bという製品ではダメなの?」という話になりがちだ。そこで今回は少しアプローチを変えて、各製品ジャンルごとの状況を整理し、筆者ならこういう選択基準で選ぶといった、「製品選びの考え方」について話を進めたい。

 製品名にも触れることは触れるが、製品を自分で選ぶためのヒント、参考といった捉え方で読み進めていただけると幸いだ。

●Windows PC、選び方のポイントはタッチパネルと解像度

 仕事柄、道具として常に携帯するモバイルPCを利用しているため、どうしてもそちらに気持ちが向かう。というよりも、普及価格帯クラスのPCは、デザインやスペック、それに価格を見ながら「好きなものを買って下さい」という状況だと感じている。メーカーごとの個性が出てくるのは、作り手の目的意識がハッキリしている製品ジャンルだろう。ということで、まずはモバイルPCから話を始めよう。

 この半年、最も外に持ち出していたのは、実は東芝の「dynabook KIRA V832」だった。ちょっとオーバースペックという意見もあるかもしれないが、コイツが搭載するディスプレイは本当に美しい。筆者の場合、自宅や出張先ではアップルの「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」を利用し、出先では用途に応じてPCを使い分けている。

 「そんな、モバイル向けにはもっと軽いものじゃなきゃ」というかもしれないが、dynabook KIRA V832は15インチMacBook Pro Retinaが搭載する液晶ディスプレイと画素ピッチがほぼ同じだ(厳密にはKIRA V832が約221ppiと1ppiだけ高精細)。dynabook KIRA V832にMacTypeをインストールすると、さらに美しい文字で原稿を書けるため、コレが癖になってやめられなかったのである。そのためなら、多少大きなバッテリーを搭載することで重くなっても文句は言わない、というぐらいに。

 とはいえ、発売当初のdynabook KIRA V832には弱点が3つあった。1つは縦方向のキーピッチがやや詰まったキーボード(これはビジネスモバイルPCで採用例が多いパナソニックの「Let's note」シリーズなども同じなので、本機だけの問題ではない)、もう1つは最新の第4世代Coreプロセッサー(開発コード名:Haswell)ではないこと。最後にプリインストールOSがWindows 8で発売されたことだ。

 Windows 8は、dynabook KIRA V832が搭載したような高画素ピッチのディスプレイに対応し切れておらず、標準でインストールされるマイクロソフト謹製のアプリケーションですら、適切なサイズで文字を表示できなかった。Windows 8.1では、この点がかなり改善されている。

 まだ未発売の最新モデルである「dynabook KIRA V834」は、Windows 8.1をプリインストールしたことに加えて、CPUが第4世代Coreに進化し、HDMI出力が4Kに対応、高精細液晶パネルの継続によりバッテリーの面では不利にもかかわらず、駆動時間が約9.5時間から約14時間へと延びた。ということで、前モデルを使ってきた筆者も、最新モデルのdynabook KIRA V834はオススメだ。

 ただし、「14時間なんてバッテリー駆動時間のスペックはいらないよ……」という方もいるだろう。このシリーズは第3世代Coreプロセッサー(開発コード名:Ivy Bridge)用に企画されたもので、高精細ディスプレイとの組み合わせで大容量バッテリーの搭載を前提に設計されたためである。その副作用として、最新のCPUコア、最新の液晶パネルと組み合わせたときに長時間駆動が標準のモデルとなったわけだ。

 もちろん、これはこれで大きな長所でもあるが、使い方によっては「省電力化されたぶん、軽量化に割り振った設計のPCが欲しい」という読者もいるはず。そこに加え、“Windows 8.1”という最新Windowsになったことで高解像度を使いこなせるようになったポイントも加えて考慮するなら、NECの新型「LaVie Z」に注目だろう。

 いくつかのバリーションが存在するが、シャープのIGZO液晶パネルを使った約795グラムの超高解像度ディスプレイを搭載する「LZ750/NS」は、軽さ、キーボードの操作性、ディスプレイの精細度などの面で圧倒的な立ち位置にある。Windows 8.1でデスクトップ画面からの起動もサポートされるなど、従来の“純クラムシェル型PC”での使いやすさが増していることも、この製品の価値を高めていると思う。

 しかし、Windows 8.1の特徴を生かしたモバイル系のノートPCという意味で、いま1番注目しているのはソニーの「VAIO Fit 13A」だ。上記のようにWindows 8.1はクラムシェル型のノートPCが使いやすくなったが、一方でタッチパネルに関しても使いたいときには使いたいもの。VAIO Fit 13Aのよさは、従来のユーザーが普通のノートPCとして使えるスタンダードな使い勝手を提供したうえで、タブレットとしての使いやすさも兼ね備えているからだ。

 こうしたコンバーチブル型の筐体は、ノートPCとして使うとき、あるいはタブレットとして使うとき、いずれかに何らかのエクスキューズがあったり、あるいは重量面で大きなペナルティがあるものだが、VAIO Fit 13Aにはそうした問題が少ない。また、タッチパネルだけでなく、筆圧対応のペン入力が行える点も見逃せない。

 VAIOにはトップエッジの製品が2つある。1つは軽量・薄型に特化した「VAIO Pro」シリーズ。もう1つはキーボードとタブレット、2つの利用形態に対応するコンバーチブル機構を、メカ設計の工夫と作り込みで実現している「VAIO Duo」シリーズだ。

 それらに比べ、VAIO Fit 13Aはよりスタンダードな作りや素材の選び方をしており、価格的にも(昨今の円安のため値頃感を感じないかもしれないが)手頃にまとめている。

 この製品に限らず、Windows 8がリリースされて1年、Windows 8.1も登場し、新しいWindowsの特徴をどう引き出そうとしているのか? という視点で製品を眺めてみるといいと思う。

●タブレットは”お好きにどうぞ”

 一方、編集部からもリクエストがあったタブレットに関しては、「お好きにどうぞ」と答えたいのが本音だ。

 Windows PCを求めている人にMacを、Macを求めている人にWindows PCをオススメするのも無粋だと思うが、PCの場合はパフォーマンスも高くフル機能のブラウザが備わっているため、クラウドにアプリが集中している現在、どちらを使ってもあまり困ることはない。もちろん、使い勝手の差はあり、慣れるまでのハードルはあるが、意外に両プラットフォームの乗り換えは難しくない(以前はかなり高いハードルだったが)。

 むしろ、AndroidとiOSの間の乗り換えハードルのほうが高い。主要なクラウド型のアプリケーションは両プラットフォームに対応しているし、大抵の使い方において、両プラットフォーム間でデータの共有もできる。例えば、GoogleのアカウントをiOSに登録すれば、メールやカレンダーなどを活用できる。誰もが知っている使い方だ。

 しかし、両プラットフォームとも使い込んでいると、手放せないアプリもあるだろう。一時期しか遊ばないゲーム程度であれば諦めもつくかもしれないが、使い慣れた道具となれば話も変わってくる。スマートフォンに最適化したアプリは、シンプルなフロントエンドとして実装されているものが多いが、タブレットに最適化されているアプリになると、片方にしか用意されていない場合もある。

 また、アプリの動作環境の違いにも起因するだろうが、同じ名前のアプリでもOSの違いにより機能や使い勝手に大きな差が生じる場合もある。状況はスマートフォンと似ているのだが、タブレットのほうがより大きな差がある、と言えばいいだろうか。

 もちろん、MacとWindowsほどの操作性や見た目の差はない、という意見もあるだろう。しかし、フル機能のPCはパワフルで入力デバイスの使いやすさも段違いだ。タッチパネルで使うことを前提に、簡素なUIにしているだけに、プラットフォームの違いを強く感じる。だからこそ「好きな方を、お好みで」となるのだが、タブレット市場だけに関して言えば、アプリの充実度(数という意味ではない)や周辺デバイスの豊富さで「iPad Air」と「iPad mini Retinaディスプレイモデル」が最右翼にはなると思う。

 「どちらのプラットフォームにするか?」で迷わないのであれば、後はミニサイズにするか、それともフルサイズにするか。すなわち10型クラス(9.7型のiPad)なのか、それとも7型クラス(7.9型のiPad mini)を選ぶのか? で迷う方はいると思う。

 もし、あなたがPCを常に携帯するようなライフスタイルを送っているなら、そのどちらも持ち歩く必要はないだろう。自宅で使うならば、10型クラスのWi-Fiモデルが最適だ。特に都市部で電車通勤という方ならば、スマートフォン(あるいはファブレット)とPC以外に、その中間サイズの製品を持つ必要はない。

 しかし、PCを持ち歩かないのであれば、確かにタブレットは魅力的だ。よりPC的に、ときにキーボードと組み合わせながら使うならば10型クラス。電子書籍アプリなどのコンテンツプレーヤー的に使うならば7型前後のミニタブレットだろうか。何を普段持ち歩き、どんなアプリを使いたいかでどちらかは自ずと変わる。

 もしAndroidを選ぶのであれば、その次に機種を選択することになる。ここで、あえてアマゾンの「Kindle Fire HDX」シリーズを選ばないとしたら、「Nexus 7(2013)」でいいのではないだろうか。

 スマートフォンとは異なり、タブレットはハードウェアで差異化されている部分が少ない。また、グーグルが昨年の「Nexus 7(2012)」で端末の低価格化トレンドを作ってしまったため、メーカーもあまり積極的にこの分野に投資しにくい状況になっていると思う。本来は開発者向けだったNexusシリーズだが、タブレットにおいてはタブレット向けコンテンツ市場を活性化させるトリガーのように扱われているので、メーカーブランドのタブレットが定着しづらい。

 もしiOS以外を求めているのであれば、マイクロソフトの「Surface 2」はどうだろう。タブレットとして発展途上であることは間違いないが、キーボード機能付きのカバーというアイデアも、Surface 2、Windows 8.1、双方の改良によってより生きるものになってきている。この辺りは別途、レビュー記事で書いた通りだ。

 また、タブレットという枠組みに入れるべきかどうか悩ましいが、Atom Z3000シリーズ(開発コード名:Bay Trail-T)を搭載した省電力の小型・薄型Windows 8端末も、その存在を忘れるべきではない。省電力性はSurface 2に使われているTegra 4と同等ながらパワフルで、何よりWindowsのソフトウェアがデスクトップアプリも含めてすべて動作するのは強みだ。

●追伸:自分自身で選んだのは?

 最後に今年の年末、自分自身では何を仕事道具として選んだかを記しておきたい。

 まずはPC。Macは昨年購入した15インチMacBook Pro RetinaをHaswellにしたいという願望もあるが、高価なだけに毎年は変えられない。何より今年はWindows 8.1が登場してWindows機の進化が大きいため、15インチMacBook Pro Retinaはヘタリ切ってフィールが悪化していたキーボード、タッチパッド、それに容量が減っていたバッテリーなどを交換するメンテナンスを行うにとどめた。

 すると新OS X Mavericksの省電力効果もあるのだろう。5時間ほどの実バッテリー駆動時間だった筆者のMacが、6時間以上使えるようになった。消費電力に気を使いながら利用すれば7時間は行けそうだ。

 ということでMacはそのまま。一方、Windows機としてはここでも紹介したVAIO Fit 13Aを試してみようと思う。ペン入力も図版指示などが必要になる筆者のような仕事ではとても便利であり、クラムシェル型のPCがライフスタイルの中で重要な筆者にとっては、まさに直球ど真ん中である。

 一方、タブレットは10型クラスがSurface 2、7型クラスはiPad mini Retinaディスプレイモデルを選んだ。前者は「それだけで仕事ができる」ことを目指してタイプカバーと同時使用。後者は説明不要だろう。

 ちょっと買いすぎかな?

[本田雅一,ITmedia]