iPhone 5sロードテスト 第3回:
iPhone 5sに搭載される「iOS 7」は、本連載の第1回でも述べたように、デザインにおける変更はもちろん、使い勝手も大きく刷新された。特に、Androidスマホと併用している筆者にとっては、“Androidにあって、iPhoneに足りなかったもの”が補完された印象を受けた。そこで、今回はiOS 7の魅力について、あらためて触れたい。
●「通知センター」からスケジュールを素早くチェック
iOS 7のなかでも顕著に使いやすくなったと感じるのは「通知センター」だ。画面上部のステータスバーを下方向にスワイプすると表示される仕様はiOS 6と同じだが、その内容が大きく充実している。
タブは「すべて」「今日」「未確認」に分類されるようになった。「今日」のタブからカレンダーに登録しているスケジュールを確認できるのがいい。直近の予定については何分後に開始するかというのも表示されるので安心感がある。
また、ロック画面でも素早く通知を確認できるのは利便性が高い。ただ、第三者にカレンダーの内容や着信履歴などを見られてしまう可能性はあるので、そのあたりが気になる人は「設定」→「通知センター」→「ロック画面でのアクセス」で表示をオフにしておこう。
「今日」に表示する情報についてもカスタマイズが可能だ。筆者は「株価」をあまり気にしないので、この通知のみオフにしている。通知内容も同様だが、自分にとって必要な情報のみを表示できるのはありがたい。
●機能のオン/オフが可能な「コントロールセンター」が便利
設定のなかでも特に頻繁に変更するのは、「Wi-Fi」と「画面の明るさ」ではないだろうか。iOS 6ではこれらを「設定」アプリを開いて変更する必要があったが、「コントロールセンター」を使うことで、その必要性はかなり減っている。コントロールセンターは画面下部を上方向にスワイプすると表示される。
利用できる機能は、機内モード、Wi-Fi、Bluetooth、おやすみモード、画面の自動回転のオン/オフ、画面の明るさ調整、音楽プレーヤーの操作、AirDrop、懐中電灯、タイマー、電卓、カメラの起動だ。
新たに搭載された「懐中電灯」機能は、端末背面のカメラのフォトライトの点灯のオン/オフを切り替えられる機能。暗い場所で足元を照らす際やカバンの中の鍵を探す際などに役立つ。これまではサードパーティー製のアプリをダウンロードすれば同様の機能を使えたが、アプリが不要になったのがありがたい。
また、iOS 6では再生中の音楽を操作するのにホームボタンを2回押さなければならかったが、その手間が不要になったのも個人的にはうれしい。音楽の再生中に画面を消灯して再びロック画面に移ると、音楽再生用の操作パネルやジャケット写真が表示されるのも進化ポイントだといえる(iOS 6では音楽再生中にロック画面に戻ってから音楽を操作するには、ホームボタンを2度押す必要があった)。
初期状態ではロック画面からコントロールセンターにアクセスできるが、セキュリティ面の心配はほぼないといえる。例えばカメラを起動しても、カメラの終了時もロック解除しなければ端末内のデータにアクセスできない。通常は撮影時、画面左下に表示されるサムネイルをタップすれば「カメラロール」に保存された写真を参照できるが、ロック画面からカメラを起動した場合は、既存の写真と動画データは表示されない。
コントロールセンターは便利な機能だが、ゲームのプレイ中などに不意に表示されるとストレスを感じることがある。アプリの起動中に利用できるのがいいときと、不便に感じるときがあるので、「設定」→「コントロールセンター」の「App内でのアクセス」を、状況に応じてオンかオフにした方がいいだろう。オフにすれば、アプリの使用中はコントロールセンターは表示されなくなる。
筆者が物足りなさを感じた点を挙げるとすれば、利用する機能をカスタマイズできない点だ。Androidでは機能の並び替えや表示のオン/オフなどができる機種もあるので、iOSのそのあたりの改良については今後に期待したい。
●「おやすみモード」は使い方を覚えれば便利
コントロールセンターにある三日月のアイコンを見て、何の機能か不思議に思った人もいるだろう。これは「おやすみモード」という機能で、iOS 6から継続して搭載されている。このモードをオンにすれば、着信音、バイブレーション、画面表示による通知をオフにできる。これだけを聞けば「マナーモードと何が違うのか?」とお思いだろう。
通話の場合、マナーモードではバイブレーションの有無とパターンを設定できる。一方、おやすみモードでは、「すべての着信を通知しない」「特定の人のみ着信を許可する」「同じ人から3分以内に2度目の着信があったときのみ通知する」といった設定が用意されている。
また、マナーモードをオンにしたところで、着信時や通知時に画面の点灯をやめることはできないが、おやすみモードでは画面が点灯することもない。まさに“おやすみ中にiPhoneを気にせず過ごすためのモード”だといえる。
さらに、時間指定によるオン/オフも可能だ。毎日寝る時間が決まっている人などはこの機能を活用するといいだろう。
ただ、正直なところ、筆者はこの機能をほとんど使ったことがない。万が一、就寝中に家族や仕事に大きなトラブルが起こったことを告げる着信があっても困るし、就寝中に着信や画面の点灯が気にならないというのもある。ただ、“おやすみ”といえども、仕事に集中したい場合や映画館などマナーに気をつけなければならない場合などに利用するのもひとつの手だ。
●写真の交換が劇的に便利になった「AirDrop」が大活躍
コントロールセンター内にある「AirDrop」も、iOS 7で新たに搭載された機能だ。iOS端末には赤外線通信が搭載されていないので、連絡先や写真の交換がしにくかった。しかし、AirDropを利用すれば、iOS 7搭載の端末同士であればワイヤレスでのデータ転送が可能になる。対応デバイスはiOS 7以降をインストールしたiPhone 5s、iPhone 5c、iPhone 5。iPad mini、iPad(第4世代以降)、iPod touch(第5世代)にも対応する。iPhone 4、4Sでは利用できないので注意しよう。MacにもAirDrop機能があるが、PCとの互換性はないのがやや残念だ。
AirDropで共有できるデータは、写真や動画、連絡先、Safariで閲覧中のWebページ、メモなど多岐に渡る。App StoreのアプリやiTunesの楽曲ページなどを共有することもできるので、人にオススメしたいときにも便利だ。
共有方法がシンプルなのも魅力的だ。コントロールセンターで「AirDrop」をタップすると、設定画面が表示されるので、端末の検出を許可する相手を選択する。共有したいデータを表示し、画面下部の共有アイコンを表示したら、データを送信したい相手を選び、相手が受信を承諾すると送信が開始される。受信した側は共有の選択画面で「受け入れる」を表示すれば、データが端末内に自動で保存される。
Air DropではWi-FiとBluetoothを利用して通信する。3GやLTEの電波状態の良くない場所で利用できるのも、この機能の利点だ。
●視認性が向上した「マルチタスク」が便利
iOS 6はホームボタンをダブルタップすれば、起動中のアプリの一覧である「マルチタスク」を表示できた。本機能はiOS 7にも継承されている。iOS 6以前はアプリのアイコンが表示されるのみなので多少分かりにくかったが、iOS 7ではアプリのサムネイルが表示されるようになった。
サムネイルを上方向にフリックするとアプリが終了する。Androidでは全アプリをまとめて終了できるので、それができないのは多少不便な気もしている。しかし、画面上に表示されるサムネイルは3枚なので、3本指を使えば最大3つのアプリを同時に終了できる。
[今西絢美,ITmedia]