マイクロソフト、次期CEOの人選難航 | マルチニーズシステムのブログ

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米マイクロソフトが次期最高経営責任者(CEO)探しを続ける中、同社の今後の方向性や次期トップに求める資質について取締役会の意見がまとまっていないことがわかった。

 事情に詳しい関係者によると、取締役で構成するCEO選任委員会は同社のCEO職への関心の度合いを探ろうと、これまでに社内では少なくとも2人の幹部、社外では少なくとも8人に接触した。この中にはフォード・モーターのアラン・ムラーリーCEO、オラクルのマーク・ハード社長、ノキアのスティーブン・エロップ前CEO が含まれている。

 マイクロソフトはノキアから携帯電話事業を買収することで合意しており、買収は来年初めには完了する見通し。エロップ氏は買収完了時にマイクロソフト入りすることが決まっている。エロップ氏はマイクロソフト出身。

 複数の関係者によると、これらの候補者の中には先週になって初めて打診を受けた人もいる。そのうちの1人の関係者によると、選任委員会のメンバーは既に1対1の正式な面接を始めている。マイクロソフトの取締役会はまだこのうちの誰とも面会していないという。

 これだけ多くの候補者に接触しているのは取締役会が最も重要な問いに答えを出していないからだ。それは次期リーダーには陣頭指揮を執って製品を創造できる、技術にどっぷり浸かった人間がいいのか、それとも、無秩序に広がった巨大組織の運営に長けた人間がいいのかという問いである。

 誰をCEOに選ぶかで決まるのは近い将来だけではない。グーグルやアップルなどのライバルに対抗できるように製品開発に力を割いたほうがいいのか、それとも効率的な企業の運営に重点を置くべきかといった長期的な方向性も決まる。

 そういった議論の際には、マイクロソフトのCEOという仕事にふさわしい非の打ちどころのない候補者はいないかもしれないということを忘れてはいけない。

 同社のCEO選任プロセスに詳しいある人物は「あらゆることを見通せるCEOを見つけようとするのはおそらく現実的ではない」と話した。

 選任委員会のメンバーはそれぞれのタイプのCEOがもたらす利点を比較すると同時に、CEOの欠点をカバーできる経営チームのあり方を検討している。取締役会は管理職専門の人材あっせん会社と提携して作業を進めている。

 創業38年のマイクロソフトにとって、次期CEOはビル・ゲイツ氏、スティーブ・バルマー氏に続く3人目のCEOとなる。マイクロソフトは今回、創業者チームとは関係がないCEOを初めて選ぶことになりそうだ。

 CEO選任プロセスの初期段階でどのようなタイプの指導者がふさわしいかが決まっていないのは珍しいことではない。

 次期CEOはバルマー氏が2000年1月にゲイツ氏からバトンを受け取ったときとは異なる技術環境に取り組まなければならない。コンピューターの世界では、マイクロソフトが得意とするパソコンや従来型のソフトがもてはやされた時代は過ぎ、マイクロソフトは今や、スマートフォンやウェブアプリケーションなどの技術でライバルに後れを取っている。

 マイクロソフトはオラクルの元社長のチャールズ・フィリップス氏やマイクロソフトの元幹部のポール・マリッツ氏にも接触した。フィリップス氏は現在、ビジネス向けのソフト会社インフォアのCEO、マリッツ氏は企業向けソフト会社ピボタルのCEOをそれぞれ務めている。

 選任プロセスに詳しい関係者の1人によると、マイクロソフト幹部のトニー・ベイツ氏とサトヤ・ナデラ氏も少なくとも1人の取締役と次期CEO職について面会したという。両氏からコメントは得られなかった。

 マイクロソフトから打診を受けた全員が今も候補者というわけではない。例えば、オラクル社長のハード氏は同社に残る意向を明らかにしている。

 関係者によると、取締役会は次期CEOの選任を急いだほうがいいと考えている。今後4カ月から6カ月の間、つまり年末から来年初めには選任したい意向だという。バルマーCEOは今年8月、1年以内か次期CEOが決まった時点で退任すると発表した。

 最も魅力的な候補として浮上しているのがフォードのムラーリーCEOだ。68歳のムラーリー氏に情報技術分野での経験はないが、ボーイングの幹部だったことがあり、バルマー氏とは個人に親しい。マイクロソフトが7月に発表した大規模な組織変更についてアドバイスするなどバルマー氏にたびたび助言している。

 関係者によると、バルマー氏はムラーリー氏を推しているが、バルマー氏が取締役会にどの程度の影響力を行使できるのかはわからない。

 関係者によると、取締役会がムラーリー氏などテクノロジー以外の分野の候補を検討しているのはまだCEO候補にならない若い現役幹部の育成に役立つからだという。

 ムラーリー氏はマイクロソフトに移るとの憶測が出ていることに対して、少なくとも2014年末まではフォードにとどまると述べた。

 フォードでは、昨年11月にマーク・フィールズ氏が最高執行責任者(COO)に昇格し、ムラーリー氏の職務の一部を引き継いだ。関係者によると、先週開かれたフォードの取締役会では同社内でのムラーリー氏の今後について正式な議論はなかったという。

 マイクロソフトCEO選任委員会のトップ、ジョン・W・トンプソン氏らは株主と面会し、CEO選任についての意見を求めている。

 マイクロソフトの主要株主の多くは方向性が定まらない同社の動向にしびれを切らしている。バルマー氏がCEOに就任してから約14年間で株価は40%も下落した。マイクロソフトは8月、来年初めに物言う株主グループとして知られるバリューアクト・キャピタル・マネジメントの代表を取締役会に迎えることで合意した。

 株主は次期CEOにムラーリー氏のような経験豊かな経営の専門家の就任を熱望している。関係者によると、このようなタイプの経営者のほうが組織のスリム化や低採算部門からの経営資源の再シフト、配当の引き上げに前向きに取り組むと考えられているからだという。