*再入院2日目 金曜日
朝6時過ぎに家を出た。
コーヒーとサンドウィッチを買って病室に入る
「どうだった?」
娘Aの様子を聞いたつもりだったが。。。
昨晩、娘Aの病室に医師が来て色々話した事を聞かせてくれた。
昨日、人口呼吸器をつけなければ、娘はその日中に・・・の可能性が大きかった事。
それでも、今週末までだろう・・・という事。等々。。。
主人は医師が来た時にゆっくり話しをする為に、夜残ると言ったんだ・・・。
時折、言葉ではない『声』を発して体を動かしだす。
痛み止めがきれて痛いんだろうか・・・
「Aちゃん、Aちゃん・・・」
呼びかける。
しばらくすると、また静かになる。
「夜中、何回もママ~って呼んでたよ・・・」
と主人が言った。
そして、主人が家に帰った。
医師や看護師が朝の検診で来た時に聞いてみた。
「これ(呼吸器)、つけてて本人苦しくないんでしょうか?」
「きちんと呼吸できてるので 苦しさは無いですよ」
本当かどうかは分からないよね・・・と心の中でつぶやいた。
呼吸器をつけてしまって後悔はしたが、あの時、『呼吸器をつけない』と判断していたら 後で もっともっと後悔しただろう。。
『なんで、あの時呼吸器をつけなかったんだ!もしかしたら、会話できたかもしれないのに・・・』って・・・
私ならきっとそう考えるのは分かっている。今までがそうだったから。
後悔したけど、後悔はしていない。
結局、どの判断でも 後悔はしていたんだ。
ならば、あとは自分の気持ち次第。
やってみて後悔する方を選んだ自分を認めてあげたことで気持ちが少し楽になった。
なんだろう。。。初めての感じだった。。。
今までこんな風に気持ちの切り替えをした事無かった。
不思議だった。
1日経ってこんな風に思える自分にビックリした
昼前に長男と主人が病室に来た。
夕方長女は仕事が終わり駆けつけた。
モニターの数値の変動がなくその日が過ぎていく。
私たちは、頑張っている娘を見守ることしかできない。。。
今日も主人が残ると言った。最後の日まで夜は付いてあげるつもりだろう。。。
今まで、ほとんど家に居ることなく、娘Aと2人だけで何かをした事、あっただろうか?
最初で最後の2人で過ごす夜を。。。あと何日過ごすことができるのか。。。
*3日目、土曜日も娘Aは変わらずそのままで。。。
二酸化炭素の数値も下がらず。。。
娘Aのベッドの周りで家族が集まり冗談を言ったり笑ったり・・・
耳は聞いているそうなので、悲しい話するよりはと 楽しそうなフリをした。
*4日目、日曜日。
朝、私が病室に来て主人が帰り、長女、長男を連れて昼前に病室に戻ってきた。
きれいな青空。
そういえば、今日、このあたりは小学校の体育祭があってるんだ。。。
そう、思いながら病室の窓から外を見ると、そこに長い雲が。。。
『龍だ!龍雲だ!』
思わず叫んだ。いつも私がそう言っても、又言ってる~位にしか反応しないのに。。。
『おお~~!ホントだ!すげ~』
4人でスマホで雲を撮り始めた。
空を眺めるのが好きでよく写真を撮っていた娘A
龍が泳いでるよ~と言ったりする娘A
「娘Aが呼んだのかな~。。。」
私の問いに誰も答えなかった。
「それとも、迎えにきたのかな。。。」
心の中で言ってみた。
医師が言っていた週末。
大きな変化もなく過ぎていく。。。
長男は明日(月曜日)からの授業とレポート提出の為に、夕方 新幹線で帰っていった。
この様子だと、まだまだ大丈夫だろうという判断で。
そう思う位、容態は変わらなかった。。。