ちょうど、時間帯が絶賛帰宅ラッシュ中でさ。
オレが乗ろうとしてたのも、すし詰め状態。
で、よくやるのが。
ドアの端の方に片足だけ乗っけておいて、あとは完全にホームに出た状態にしておく。
で、発車ギリギリの駆け込みラッシュがひと通り終わるのを待つ。
そしてドアが閉まる直前に最後に背中で押し込むように乗り込んで、ドア際ゲット!
これでカーブのGに負けることなく安定した帰路を辿れる…
…そのはずが。
昨日はかなりデンジャラスなことになってたですよ。
ドアの閉まる最後の最後にさ。
一人の酔っぱらいが駆け込んできたのね。
「あ~乗りますよ!乗ります!はいはい、ごめんなさいね~!」
なんて言いながらさ。
で、そいつ。
オレの真ん前に密着状態で立ったんですよ。
まぁ、それはまだいいんだけどさ。
混んでるのはわかってるから、密着も別にいいんだけどさ。
酔っぱらいだから四六時中ブツブツなんか言ってるのもいいんだけどさ。
「ウェッ!!……っぷぅ~、あぶないあぶない…。う~~。」
「あ~~、あぶない。次で降りよう。次次。」
「ウッ!……あぶないあぶない…。」
…って、ずっと言ってるんだぜ!
ずっとさ!
車内のあの緊迫感ったらなかったぞ!
万が一ゲームオーバーになったときの事も考えちゃったもんね。
クリーニング代っていうか、スーツは弁償だよな。
ってか、それ以上の額をもらったとしても、心の傷はプライスレスだよな。
これまでずっと封印してきた暗殺拳・我流無殺を解放するときがついに来るのか?
とにかく、次の駅に着いたらダイハードだ!
間に合ってくれ!
早く着いてくれ!!
頼む!!
よし、着いた!
で、すかさずオレは飛び降りる!
そして、オヤジ…
降りない!!!
ええええええ!!!!
降りないの!!?
そう、降りないんですよこれが。
あの時の絶望感を超人に例えると、ミキサー大帝ですよ。
そして最終的には…
セーフでした。
あぶないあぶない。
オレの台詞だっつの!!
