2月6日(火)
高山樗牛著『滝口入道』
岩波文庫(昭和13年・1938年5月5日 第一刷発行)
平家物語に材を取り滝口入道と横笛の悲恋を描いた抒情的歴史小説。平家滅亡の哀史。明治中期における浪漫主義文学を代表する古典。
高山樗牛(明治4年・1871年~明治35年・1902年)の代表作で、明治27年(1894年)4月16日から5月30日まで読売新聞に連載されました。
平重盛の家臣である滝口の武者、斎藤時頼と建礼門院に仕える横笛の物語です。
解説の高須芳次郎は樗牛について「かつ詩人的で、情熱に燃えた彼は、詩味深き抒情文にも、独自の長所を示した。その最初のものとしては、歴史小説『滝口入道』がある。」と評しています。
文章を読んでいて、ふと思い浮かんだのは
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
猛き者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ
やはり『平家物語』でした。
因みに・・・
敬愛する故 春風亭柳昇師匠の落語に『滝口入道』があります。
(こちらにはちゃんとオチが・・・ )